2000年〜2001年度運動方針(案)

【第4章】リストラ「合理化」反対、働くルールの確立

1.時短による雇用確保、働くルールの確立

 (1)リストラ「合理化」は、それ自身が日本経済の深刻な矛盾を拡大するものであるが、大企業のリストラは計画段階から具体的展開へのピークを迎えている。全労連は、「リストラ当然」という財界・大企業の姿勢にたいし、ILO条約やEU指令にみられるように時短・解雇規制の方向が国際的な流れになっていることを国民的な世論にひろげ、広範な労働者との共同の運動を展開する。職場や産業内における個別のたたかいをいっそう重視するとともに、その背景にある大企業の横暴やリストラ支援の悪政に反対し、労働時間短縮で雇用の拡大(ワークシェアリング)を要求してたたかいを展開する。
 (2)具体的課題として、第1に労働時間短縮、時間外労働の男女共通規制、労基法厳守のたたかいを強化する。2002年4月までの労基法「激変緩和措置の見直し」にむけ、政府公約の年間総労働1800時間の達成や週35時間制の実現、違法なサービス残業の根絶、第88回ILO総会で採択された「改正・母性保護条約」の批准をせまる運動などを、社会的なたたかいとして前進させる。今年度は、労働時間などの実態調査と要求の確立、職場・地域での学習と意思統一、過労自殺や家庭生活・教育問題と結合した社会的キャンペーンを重視する。また来年度は、政府の「激変緩和」を見直す年であり、職場・地域から政府・国会にたいする大衆行動や国民的運動の具体化をはかっていく。
 (3)第2に、首切り・「合理化」反対のたたかいを強化する。一方的な人員削減や転籍・出向などを許さない職場の協約闘争にとりくみ、「事前協議制」「本人同意制」の確立を追求する。同時に、「解雇規制法」の制定を求め、政府・国会にむけた共同闘争を前進させる。全労連の全国的な「力の集中点」として、「日産リバイバルプラン」「NTTリストラ」「金融機関リストラ」とのたたかいを重視する。不安定雇用や未組織・大企業労働者を視野に入れて、地域からの宣伝、呼びかけを旺盛に展開していく。
 (4)第3に、不安定雇用労働者の労働条件改善、地位向上のたたかいを重視する。パート・臨時・派遣の増大が、労働者全体の労働条件改悪の口実にされているもとで、正規労働者みずからのたたかいとして位置づけるとともに、全労連として「臨時・パート労働者連絡会」を設置する。違法派遣の導入・拡大を許さない点検・交渉を強化するとともに、1年以上の派遣導入にあたっては契約期間満了後ただちに本人希望を尊重して正規雇用化するルールの確立をはかる。正規労働者の臨時・パート・派遣労働者への置き換えを許さず、正規職員による欠員補充を基本にたたかう。政府にたいして、「パート法」の改正や「ILOパート条約」「家内労働条約」の批准と関連国内法の改正を要求する。
 (5)第4に、雇用創出にむけた運動を強化する。全労連の「雇用・失業に関する緊急要求」を基本に、各地方・地域ごとの要求を具体化しながら、「緊急地域雇用特別給付金」の実効性を確保する制度への改善や、予算の拡充を追求していく。増大している学卒未就職者の雇用確保と支援制度の確立、国庫負担増額による雇用保険給付期間の延長、給付金の増額、失業者への職業訓練の実施と生活保障、失業中の税・社会保険料の減免措置など、失業者の生活・就労保障を求めるたたかいにとりくむ。同時に、北海道や東京での経験に学んで全国で失業者の組織化と運動を前進させる。

2.行革・規制緩和反対、労働委員会の民主化

 (1)2001年から中央省庁の再編がスタートし、また国立病院や国立大学など独立行政法人化の攻撃、特殊法人の「合理化」などがいよいよ本格化する。全労連は、雇用とくらし、社会保障を充実させる行政への転換、政・官・財の癒着構造をただし戦争協力ではなく平和憲法を守る公正・民主的な行政の実現を要求してたたかう。そのため広範な国民世論の結集、官民一体で展開する運動を重視するとともに、公務労組連絡会に結集する各単産および地方組織と協力して全国キャラバン行動などを別途具体化していく。
 (2)地方自治体では、政府のゼネコン型公共事業の押しつけ、不況の長期化による税収の落ち込みが財政危機をいっそう深刻にしている。また、政府による反動的な自治体再編の策動がつよまっている。地方自治を確立するとともに、地域や自治体の実態にあわせ、大型開発優先の公共事業を見直し、住民要求に根ざして生活・福祉密着型、地域経済振興型に切りかえることをめざす。財政運営を福祉、教育、医療、中小企業への緊急支援など、住民生活を守ることを重点とすることを提言し、「地域政策交流集会」の開催など学習と交流を深める。
 (3)乗合バスやタクシー事業について、需給動向に関係なく新規参入が可能な「許可制」にする道路運送法の改悪が強行され、利用者である国民の安心・安全をおびやかすとともに、劣悪なドライバーの賃金・労働条件をさらに耐えがたいものにしている。国民の安全、環境、公共性などの見地から、必要な規制を強化する政策提言と運動にとりくむ。マスコミや与党内部、各業界からも規制緩和万能論への批判が高まっていることに確信をもち、政府・各省への広範な共同闘争を展開する。また、地方組織においては新潟での自治体要請活動、佐賀での街づくりシンポジウムなどに学び具体化をはかる。
 (4)10月の第26期中労委労働者委員の任命で、全労連・純中立労組懇・MICの統一候補の選任をかちとるために全力をあげる。同時に、2001年4月に予定される独立行政法人担当の中労委労働者委員、地労委労働者委員の公正任命の実現をめざす。労働委員会制度は、日本国憲法の公布前に創設され、戦後の婦人解放、労働組合助長、教育民主化、弾圧機関廃止、経済機構民主化を推進する機関として特別に位置づけられてきたものであり、公正任命を実現することは全労連組合員の権利確立に不可欠であるだけでなく、政府と行政を最低限の民主的ルールに立ち戻らせることでもある。公正任命を要求する団体署名や請願署名のとりくみを強化し、国会内外の世論を喚起するとともに、労働委員会制度の機能と役割の充実に向けた「全労連の提言」を提起してたたかう。
 (5)政府は、「司法制度改革審議会」を設置して21世紀にむけて司法制度の抜本的な改革にむけての審議をすすめている。全労連は、日本国憲法が保障している「裁判を利用する権利」が文字どおり実効あるものとして確立され、裁判所が身近で安い費用で利用でき、基本的人権が守られる司法をつくるために、関係団体と協力して運動をすすめていく。とくに、労働裁判の改革について全労連の「提言」をもとに、民主的改革にむけて「司法総行動実行委員会」などに参加しながら運動を推進していく。

3.国鉄闘争とすべての争議の勝利解決

 (1)国鉄闘争は、長期・不屈のたたかいによって画期的なILO勧告、全国で570をこす自治体意見書採択などの国内外世論の構築、全国各地での共同の拡大などをつくりだしてきた。また「決着済み」という事態をゆるさず、政府をして「解決にむけて努力する」と言明させる状況をきりひらいてきた。こうした運動の到達点を踏まえて、この1年を「国鉄闘争勝利解決の年」と位置づけ、政治の場での動きを注視しつつ、夏から秋の大規模なとりくみを展開する。闘争の基本方向として、ILO中間勧告にもとづく政府責任による1,047名の早期解雇撤回・職場復帰の全面解決を要求してたたかいをすすめる。
 (2)JRの不当労働行為責任を追及し、JRの安全・利便性を確保する運動と結合して、一致する要求・課題での共同を前進させる。11月に予想されるILO最終勧告を視野に入れて、「国鉄闘争の勝利をめざす総行動月間」(10月〜11月)を設定する。「総行動月間」では、全労連の秋闘における諸行動と結合して、 崛換颯ャラバン」(10月中旬〜南北2コース)、◆岼豸一集会」の開催(9月〜10月)、A艦連争議総行動(10月13日)、す餡顱Ρ人⊂柄虻造蟾み行動(10月下旬・3日間)、ィ隠鰻遏岼譴瞭」行動における大規模宣伝行動、Α崔羆総決起集会」(11月22日予定)を展開する。また、引きつづき「全動労勝たせる会」の会員拡大を全単産・地方組織で推進する。
 (3)関西電力、丸子警報器争議の解決につづいて、日立関連関連争議の中労委での和解交渉が大詰めを迎えている。思想差別、活動家差別という憲法違反がまかりとおる職場をなくすために、大企業における差別撤廃闘争に全労連の力を集中してとりくむ。すべての争議の早期・勝利解決をめざし、春は各地方を軸に秋は中央行動として年2回の「争議支援中央行動」を展開する。争議団・関係する単産・地方組織はもとより、全労連の加盟組織・組合員全体でたたかう仲間を物心両面で支え早期勝利解決をはかる。
 (4)たたかいのなかで、最高裁の判例として確立してきた整理解雇四要件を形骸化する反動的判決にたいし、司法民主化の運動と結合したとりくみを強化する。また企業の再編がすすめられるもとで、民事再生法や商法の改悪により企業の営業譲渡や分割にともなって労働者の雇用や労働条件継承が危機にさらされている。解雇規制・労働者保護法の制定とともに、理不尽なかたちで労働者が職場を奪われることのないよう、事前協議協定の締結など職場の労使協定で歯止めをかけるたたかいを重視する。

4.働くもののいのちと健康を守る活動

 (1)千葉、山梨、京都などにつづいて、佐賀、鹿児島、神奈川、長野、埼玉などでも「働くもののいのちと健康を守る地方センター」が結成されている。また、単産の労働・健康実態調査や過労死などの労災認定・裁判闘争も前進している。多くの産業で人減らし「合理化」、長時間・過密労働が進行するなかで、全労連のすべての単産・地方組織が職場に安全衛生委員会を設置することとあわせ、対策委員会や担当者の配置をはかり、職場の労働環境点検や労働時間チェック、健康実態調査などを積極的にとりくんでいく。
 (2)「全国センター」と共同し「VDT労働の新作業基準」の作成、労働省への働きかけをおこなうとともに、「電通・過労自殺最高裁判決」で示された労働者の心身の健康維持に関する経営者の管理責任の徹底をはかる。過労死や労災・職業病認定闘争でたたかう仲間を支援し、労・公災認定基準の改善、労働安全衛生法の改正、労災保険法改正にむけてとりくむ。単産・地方組織の「全国センター」への結集を強化するとともに、すべての県で「県センター」の結成や活動強化をはかる。

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