「トンネルじん肺根絶祈念碑」のデザインを募集します

■募集要項

テーマ	職業病『トンネルじん肺』を根絶するという決意を込めた「祈念碑」を、青森県龍飛崎「展望公園」へ建立の予定です。祈念碑（モニュメント）のデザイン募集を致します。
応募方法	書留郵便で応募。A３判用紙を使用。画材・彩色は自由、CGも可能。現地モニュメントの寸法は、モニュメント表面積　５㎡　に収まるサイズとします。 別紙A4判用紙にモニュメントの説明文、〒住所、氏名、年齢、性別、職業、電話番号、fax番号を明記。
応募資格	不問
賞	最優秀賞１点＝５０万円
締　　切	２０１０年２月末日（当日消印有効）
発　　表	３月中に入賞者に通知
主　　催	トンネルじん肺根絶闘争本部
参　　考	採用作品は加工する場合あり。
諸権利	採用作品の著作権などの一切の権利は主催者に帰属。
応募先	〒960−8141 　福島県福島市渡利字岩崎町３９−９　建交労福島県農林支部　祈念碑係 Tel：024−521−2810　　Fax：024−522−8023　メール：f-ctg@topaz.plala.or.jp ＊応募いただいた作品は返却いたしませんので御了承下さい。 ＊じん肺、トンネルじん肺根絶の運動についての詳細は次頁をご覧下さい。
祈念碑建設予定地：青森県東津軽郡外ヶ浜町字三厩龍浜54−50
（皆さんが立っているあたり）2枚の写真は同一場所です

じん肺は現在も発生し続けている職業病

　じん肺は、粉じんを吸入することで発症する職業病です。粉じん作業現場から離れても症状が進行します。現代の医学でも治療方法が無く不治の病として恐れらています。最古にして最大の職業病といわれており、トンネル建設、鉱山、造船所、はつり、石材切り出し場など数多くの粉じん職場から、じん肺は多発しています。特にトンネル建設工事では、毎年療養に専念する必要のある最重症のじん肺患者が、100人近くも労災認定され続けてきました。これは、全産業の重症じん肺患者の2割近くにもなります。

トンネル建設現場からじん肺をなくすために。

　ILO(国際労働機関)とWHO(世界保健機構)は、2015年までにじん肺を根絶するべきであると提唱しています。
　私たちは、1996年10月、「あやまれ・つぐなえ・なくせじん肺」をスローガンに掲げ、国・企業に対し、トンネルじん肺の根絶とじん肺被災者の救済を求めて立ち上がりました。1997年5月からは、全国23地裁に1,500名近い患者原告が提訴し、患者、家族、支援者が全国一つになった長年の闘いの末、じん肺根絶の成果を勝ち取りました。
　この運動を引き継ぎ、トンネルじん肺根絶の実現を求めた、「国」を被告としたトンネルじん肺根絶訴訟では、東京・仙台・徳島・松山の4地裁で相次いで勝訴を勝ち取り、原告は2007年6月18日に被告「国」との間で「トンネルじん肺防止にかかる合意書」の調印を行ない和解しました。この合意書を受けて「国」は、2008年3月には、粉じん測定の義務付け、電動ファン付マスクの義務付け、発破待避時間確保の義務付けなどを行い、トンネルじん肺防止に向けた粉じん則等の改正を施行しました。また、同年10月には、積算基準を改正しトンネル現場で働く労働者の労働時間を現行の10時間労働から8時間労働に、労働日数は、現行の4週6休から4週8休としました。これにより、トンネル労働者の現場での粉じん暴露時間も短縮されることになります。まさに全国民的な支援のもとで、国をも動かした私達の大きな成果です。
　また私たちは、世論を高め、国を動かすための様々な活動にも取組んできました。「じん肺根絶を求める百万署名」は1,014,195筆を獲得し、「じん肺根絶を求める自治体決議」は全国の四割もの自治体に及ぶ38都道府県748市区町村議会で採択され、更に「トンネルじん肺根絶を求める賛同署名」に応じた現職の国会議員は衆参あわせて553人（総数721人）となっています。（2010年1月現在）
　一方でこの運動に関わった患者原告のうち、500名を越す仲間が、じん肺等が原因で亡くなっています。今回の祈念碑は、運動半ばで亡くなった仲間への追悼と、10年を越す運動の証として、さらにじん肺根絶を実現する決意の象徴として建立するものです。