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【談話】国民監視社会に道を開くデジタル関連法の採決強行に抗議する

2021年5月12日
全国労働組合総連合
事務局長 黒澤幸一

 国会は、本日5月12日の本会議でデジタル改革関連5法案の採決を行い、与党などの賛成多数で可決・成立させた。また、地方公共団体のシステムを標準化させる法案も成立する見通しとなっており、一連の法案が成立する。
 デジタル改革関連法は、デジタル社会の形成を図る基本法案、首相直轄の行政機関となる「デジタル庁」の設置をはじめ、個人情報保護法案の一本化、公的機関が行う給付の振込口座登録などの関係法案で構成され、一括して審議されてきた。国会審議では、個人情報保護に関する点に議論が集中したが、政府の姿勢は不十分であり、国民監視社会に道を開く危険性があるなど厳しく問題を指摘し、抗議する。

 デジタル関連法の最大の目的は、行政機関が保有する個人情報を匿名情報として加工し、民間企業で利活用を図ることにある。デジタル化が企業利益優先で行われることを象徴している。一方で、デジタル格差が今以上に拡大する危険性も指摘しなければならない。法は成立したが、多くの課題が残されており、引き続き問題点の追及を図らなければならない。

 デジタル化は、20年あまりで社会に大きな影響を与えてきた。昨年からは、感染症の感染拡大防止として、テレワークが進展している。今後さらに、デジタル技術の発展で労働者の働き方が変化することも考えられるが、急激な発展により世代間による受け止めの違いもうまれている。いずれにしても、デジタル化の発展で労働時間が短縮され、労働者が地域社会に積極的に参画でき、家庭で過ごす時間が増加するなど、豊かな社会生活がおくれるようになることが求められている。

 全労連は、行政機関などが保有する個人情報について、企業による利活用を広く行うのではなく、個々人の情報管理権を強化することを求める。また、政策を拙速に進めるのではなく、現場意見を十分聴取し、システムトラブルなどが発生しないように時間をかけて政策を進め、個人情報漏洩などの事故を発生させないことはもちろん、デジタル格差を生じさせないよう行政体制を拡充することを求める。引き続き、国家による国民の監視・管理社会とならないよう共同の運動を広げる。

(以上)

 
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