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【談話】東日本大震災、福島原発事故から10年 被災者・住民本位の早期復興と原発ゼロを求める

2021年3月11日
全国労働組合総連合事務局長 黒澤幸一

 東日本大震災と東京電力福島第一原発の事故から10年を迎えました。死者・行方不明者、関連死を含めた犠牲者は2万2200人にのぼります。避難生活を余儀なくされる人はピーク時の47万人から減ったものの、なお8万人を超えます。あらためて犠牲になられた方々に哀悼の意を表しますとともに、被災者のみなさんにお見舞い申し上げます。また、被災者や自治体のみなさんをはじめ、いまも復興に向けて懸命に努力されているすべてのみなさんに、心から敬意を表します。
 10年が経過したもとで、道路や防潮堤などハード面での整備はすすんだものの、地域住民の生業の基礎である農業、林業、漁業、観光業の復興は、事故前の水準にほど遠い状況です。人口減少にも歯止めがかからず、そこに、コロナ感染拡大の被害が追い打ちをかけています。
原発事故の収束は、溶け落ちた核燃料がどんな状態かもつかめないなど困難を極め、廃炉まで40年とされた計画は破綻状態です。国と東電は、増え続けるトリチウム汚染水の海洋放出を画策していますが、言語道断です。廃炉と収束、問題解決までの支援と被災住民への補償の責任は、国と東電にあります。
 全労連はこれまで、震災直後から地元の県労連などと連携し、復興支援にむけてMIC、純中立労組懇と共同の「東日本大震災労働者対策本部」を立ち上げました。同時に、宮城・石巻、岩手・陸前高田のボランティセンターを設置して、全国からの支援カンパや支援物資、ボランティア活動を展開しました。全国からボランティア活動への参加者はのべ2753人、震災カンパは海外の友好労組、支援団体も含めて1億円を超える募金が寄せられました。その後、各県労連による被災活動への財政支援などをおこなってきました。また、イレブンアクション行動などを全国で粘り強く継続し、原発なくす全国連絡会への結集、被災者支援や生活支援制度拡充などの運動を展開する全国災対連運動の中心として力をつくしてきました。
 菅政権は、いまも危険な老朽原発の使用や新増設をすすめようとしています。再び「安全神話」に陥り、原発利用を続けることは、経済的にも、安全確保のうえからも、微塵の道理もありません。10年たった今でも深刻な被災地の傷跡にまともに向き合えばあり得ない政策です。惨事便乗・大企業呼び込み型の「イノベーション・コースト構想」は見直し、住民本位で福祉優先の復興に転換するよう求めます。
 先月の福島県沖での震度6強の地震でも、多く人が10年前の大災害を思い出し、原発への不安を募らせました。「国のエネルギー政策を、原発ゼロ・再生可能エネルギーに転換すれば『福島切り捨て』の必要はなくなり、県民の被害や困難、願いと向き合う政治への展望が切り開けます。」、いまも被災住民を支え続ける「ふくしま復興共同センター」からのメッセージです。
 全労連は、これからも被災者・住民本位の復興、原発事故の一日も早い収束、そして、原発ゼロと安全でクリーンなエネルギー政策への転換、人権が守られ災害につよいまちを実現する社会にむけて、全力を上げつづけることを誓い、震災から10年にあたっての決意とします。

以上

 
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