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【談話】新型インフルエンザ等対策特別措置法など罰則を課す改定に抗議し、
休業等への十分な補償と医療機関への減収補てんを求める

2021年2月5日
全国労働組合総連合
事務局長 黒澤 幸一

 2月3日、新型インフルエンザ特別措置法などの改定案が参議院本会議で可決、13日に施行される。
 当初閣議決定された法案にあった刑事罰は、与野党の修正協議で撤回され、罰金を過料とする行政罰に変更された。行政罰に変更しても、罰則によって時の政府に市民を従わせるという強権的姿勢は変わらず、生命や健康的な生活、営業の自由などの権利が侵害される恐れがある。市民のなかに分断、差別と偏見、相互監視をもたらす懸念は消えない。

 さらに、専門家が指摘するように、罰則があることで無症状者がPCR検査等を受けなくなるなど、感染症の拡大抑止につながらなくなる危険性がある。感染症法には、過去にハンセン病等の感染症の患者等に対するいわれのない差別や偏見が存在したことから、患者等の人権の尊重が明記されている。罰則ありきの改定は、感染症法の趣旨に反しており、容認できない。
 今回の改定法案には、憲法が保障する権利を侵害する重大な問題が多々あるにもかかわらず、衆参あわせて4日間しか審議されなかった。菅政権は、「勝負の3週間」と言いながら、GoToキャンペーンを続け、感染爆発と「医療崩壊」の事態を招いた。再度、緊急事態宣言を出さざるを得なくなった。休業や営業時間の短縮に対する協力金1日6万円では、多くの事業者が営業を続けられない。持続給付金や家賃支援給付金の継続は、第3次補正予算に盛り込まれなかったことも問題である。

 また、改定法は病床確保の勧告に従わない医療機関名を公表するなど社会的制裁で医療体制を支配しようとしている。これまで、政府が行ってきた医療の削減、経済優先で効率化する地域医療破壊をさらに強制力をもって強めることにつながものであり、許されない。
入院できない感染者の「自宅療養」を法的に位置付けたが、自宅でいのちを落とすことを発生させない対策をあいまいにしてはならない。コロナ対策は「いのちよりも経済」優先で後手に回り、的はずれで失政を積み重ねている。今回の特措法等の改定は、いのちを守るべき政治の責任を市民の側に転嫁するものであり、強く抗議する。

 国会では、2021年度当初予算の審議がはじまった。休業等の補償、休業手当、医療機関への減収補てんをはじめ、いのちと生活、雇用、営業を守るためには抜本的な予算の組み替えが必要である。このことを政府、与野党に強く求めるとともに、全労連はいのちを守る政治を実現するため、諸団体と共闘してたたかうものである。

以上

 
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