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【談話】不要不急な法案審議を先送りし、感染症対策の議論に集中を

2020年4月15日
全国労働組合総連合
事務局長  野村幸裕

 4月14日、自民党と立憲民主党の国会対策委員長会談により、国会議員の歳費削減と国会審議に関わる議員出席の抑制に関する合意がなされた。 一方自民党は、国民投票法改正案の採決や、新型コロナウイルス感染拡大を受けた「緊急事態」における国会機能の確保策で憲法審査会の開催を主張している。

 新型コロナウイルスの感染拡大が止まらないなか、感染拡大を防止し、国民のいのちとくらし、生業を守るため、政府に十分な対策をとらせるため、今こそ国会議員の役割を発揮すべき時である。国会でも感染拡大を防止する措置をとることは重要であるが、国会議員の役割は国民の声を幅広く拾い上げ、その声を国政に反映させることである。補正予算の審議では、政府が提案している対策について十分な議論が行われなければならない。安倍首相は与党に対し、補正予算を22日に成立させるため衆参両院1日ずつの審議で採決を指示したとされているが、あまりにも拙速な審議であり、到底認めることができない。
 加えて、憲法審査会の開催は、改憲に向けた地ならしに他ならず、不要不急な委員会の最たるものである。自民党の主張に対し厳しく抗議するとともに、憲法審査会の開催を行うべきではない。

 衆議院本会議において年金改革法や国家公務員法等の改正法案の審議入りがなされたが、今すべきことは、新型コロナウイルスの感染拡大を防止するための知恵と力を結集することであり、不要不急な法案の審議は先送りすることだ。
 審議入りした年金改革法は、マクロ経済スライドなど年金削減のしくみを放置しながら国民に自助努力を求めるものとなっている。国民生活が不安を増しているなか、年金引き下げを放置した法案を急いで審議すべきではない。
 また、国公法等改正法案では、雇用と年金の接続に向けて定年引き上げを行うことは政府の責任であるが、一括法に含まれる検察庁法改正法案に問題がある。検察庁法改正法案は、三権分立の根幹にも関わる重要な問題を含んでおり、切り離して慎重に審議すべきである。

 国会議員の歳費削減もすべきではない。歳費削減よりもすべきことは、営業の自粛などによって先行きに不安を持つ国民の声を聴くことであり、不安を払拭するための知恵と力を国会に結集することである。それよりもやるべきことは、歳費削減よりも多額の国庫負担となっている政党助成金を直ちに廃止することだ。
 さらに、議員歳費の削減は、感染症の拡大防止や国民のいのちとくらしを守るため、昼夜を違わず奮闘している公務員労働者にも「身を切る」として給与削減を押しつける危険性が高い。公務員労働者は、労働基本権が制約されており、立法府が一方的に賃金を引き下げることは基本的人権を蹂躙するものであり、到底認められない。議員歳費の削減は、必ずや公務員労働者の賃下げ議論を引き起こすことから、一律に議員歳費を削減する議員立法に反対する。

 感染拡大を防止するため、自粛要請が強まっているが、自粛を要請する以上、補償はセットでなければならない。全労連は、感染拡大防止・治療のための体制強化を求めるとともに、労働者・国民の生活の安定と権力の暴走に歯止めをかける取り組み、行動の継続、強化を引き続き訴える。

以 上

 
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