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【声明】国家公務員の退職手当削減の閣議決定に抗議する

2012年8月7日
全労連公務部会・公務労組連絡会幹事会

1、野田内閣は7日、国家公務員の退職手当を平均で402.6万円削減するとともに、新たに「早期退職募集制度」を導入することなどを閣議決定した。この決定にもとづいて政府は、退職手当法「改正」法案の早期国会提出をめざすとしている。
 連年の賃下げで生活悪化がすすみ、退職手当が住宅ローン返済をふくめて退職後の生活の支えとなっているもとで、法外な手当削減は、生活設計の変更を余儀なくさせるばかりか、若年層をふくめて働きがいをなくすものである。また、独立行政法人職員、地方公務員や教員、公務関連労働者などに及ぼす影響はきわめて甚大であり、閣議決定の強行に怒りを持って抗議し、撤回を求めるものである。

2、今回の退職手当削減の根拠とされたのは、人事院が実施した退職給付にかかわる官民比較調査結果にある。この調査結果をうけて、退職給付のあり方を検討するため設置された政府の有識者会議では、調査方法や結果に対する疑問や機械的な官民比較への問題指摘、さらには、公務の特殊性をふまえて退職給付の検討を求める意見も出されていた。
 しかし、有識者会議では、人件費削減を求める政府の意向にもそって、官民較差の解消だけが声高に叫ばれ、道理ある議論はことごとく排除されてきた。
 これらの経過からも、有識者会議を隠れ蓑にして公務員総人件費削減を推進する意図があったことは明らかであり、手当削減を大前提にした議論は断じて認められない。

3、過去に類を見ない大幅削減に対して、職場の怒りは急速に高まり、管理職をふくめて17万筆を超える反対署名が積み上げられるなか、政府との交渉では、使用者としての説明責任を徹底的に追及してきた。しかし、政府は、官民較差の解消こそが国民の納得と理解をえることができると強弁するなど、無責任な態度に終始した。
 そのあげく、退職手当は「長期勤続に対する報償(ごほうび)」であり、労働条件にはあてはまらないとの見解を示し、結果的には、交渉は打ち切られた。協約締結権回復がめざされるなかで、「天皇の官吏」であった戦前の公務員制度にも通ずる「報償」などという考え方こそ「国民の納得と理解」を得ることはできない。明確に労働条件であることを認めたうえで、労使対等の交渉のもとで決定するルール作りを強く求めるものである。

4、国会では消費税増税法の成立がねらわれている。退職手当削減は、野田民主党政権が「増税の前にみずからの身を切る」として、憲法違反の「給与臨時特例法(賃下げ法)」とともに、昨年来、公務員総人件費削減の重点課題に位置づけてきたものである。
 その点からも、消費税増税法案採決の「地ならし」として、この局面をねらって退職手当削減の閣議決定が強行されたことは明らかであり、国民的にも厳しく糾弾されるべきである。
 全労連公務部会・公務労組連絡会は、野田内閣と民自公三党がねらう消費税増税、社会保障大改悪に反対し、その根幹にある国民犠牲の「構造改革」を阻止するため、国民的な共同をさらに発展させてたたかう決意である。

以 上

 
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