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【談話】暫定税率復活の再議決に抗議する

 本日の衆議院本会議で自民党、公明党両党は、ガソリン税などの暫定税率を復活させ、さらに10年間継続するための租税特別措置法案などの再議決を強行した。郵政民営化が争点となった総選挙で、自・公が地滑り的に獲得した3分の2の議席は、国民にのみ痛みを押しつける政治に信任を与えたものではない。そのことは、昨年7月の参議院選挙の結果や直近の世論調査結果からも明らかである。参議院での審議が継続しているにもかかわらず、憲法第59条の「みなし否決」規定を機械的に適用し、問答無用で「数の力」を行使することは議会制民主主義を形骸化させる暴挙にほかならない。全労連は、自公両党の暴挙に断固として抗議し、再議決された租税特別措置法などの施行に反対する。

 再議決は、その手続きに瑕疵があるだけでなく、内容的にも認めがたい問題点をもっている。
 その一つは、09年度からとはいえ、福田首相が道路特定財源の一般財源化を公約しているにもかかわらず、政権与党が道路特定財源を10年間延長させる法案と一体のものとして再議決を強行したことは、決定的に矛盾する。参議院での審議が進めば進むほど深刻になっていたにもかかわらず、衆議院での再議決に当たっては論議さえ行われていない。
 08年度以降10年間で59兆円もの巨費を道路建設に投入し続ける道路整備計画を前提に、暫定税率を継続しようとしていること、その道路整備計画が極めてずさんな内容で「(道路特定財源の)総額先にありき」の内容であることなどは、この間の野党の追及でも明らかになっている。にもかかわらず、政府や自公両党は、法案はおろか整備計画さえも見直そうとはせず、福田首相の「公約」と再議決との矛盾を解消する努力も行っていない。国会審議が機能不全の状態の中での再議決を認めることは断じてできない。

 その二つは、4月から実施された後期高齢者医療制度に対する国民的な怒りに象徴されるように、国民の生活が極限まで悪化しており、緊急の生活支援を求める世論が急速に高まっている中での暫定税率復活という大増税が押しつけられることは大問題である。
 非正規雇用の増加による労働者の貧困化、農業つぶしの農政による農家収入の低下や地域経済の疲弊、原材料高騰による中小企業事業主の経営難、原油高、穀物高騰などによる消費者物価の高騰など、4月に入ってからも国民生活は悪化し続けている。その時に、1リットル・30円とも言われるガソリン代の引き上げが行われることの悪影響は計り知れない。無駄な道路づくりのための法律より後期高齢者医療制度の中止・撤回法案の早期審議を、との国民要求が高いことは4月に入ってからの各種世論調査にも示され、山口2区補選でも自民党候補が大敗した要因である。再議決は、主権者・国民に背を向ける非民主的な行為である。

 自公両党による本日の再議決は、国民の恨みと怒りを広げるものと確信する。全労連は、この暴挙を断じて許さず、生活破壊、国民世論無視の福田政権の早期退陣を求める運動を強める。本日を起点に、国民生活擁護の政治実現のたたかいを全国で飛躍的に前進させる決意である。

2008年4月30日
全国労働組合総連合
事務局長  小 田 川 義 和

 
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