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グローバル化での労働基準確保へ
高まる国際的な連携の重要性
全労連国際シンポを開催

写真 全労連は11月13〜15日、国際シンポジウム「グローバリゼーション化での労働基準の確保―多国籍企業に対する労働組合のたたかい―」を東京・新橋航空会館で開催した。オーストラリア、フランス、インド、インドネシア、韓国、米国から7人の海外代表をはじめ、187人が参加しました。

 今回のシンポジウムは、21世紀にはいって急速に進展した経済のグローバル化の現状と、労働組合運動の国際連帯活動の発展を踏まえて、その教訓や今後の課題、強化方向などについて議論を深めることを最大の目的に開催しました。全労連としては15年ぶりの国際シンポジウムです。
 海外代表は、オーストラリアACTUからアンドリュー・デットマーさん、フランスCGTからドニ・メナンさん、インドNTUIからゴダム・モディさん、インドネシアKSBSIからレクソン・シラバンさん、韓国民主労総からパク・ソクミンさん、アメリカSEIUからニコラス・ルディコフさん、そしてステファニー・ルース教授の7人が参加しました。
 シンポジウムは、3日間を4つのセクションに分けて進行しました。

セッションI:新自由主義世界における労働運動
 全労連の井上久事務局長の基調報告につづいて、ステファニー・ルース教授から「労働運動:グローバルな視点」と題して、ご講演いただきました。新自由主義が大きく伸長し、その弊害がひろがるもとで、国際機関でも見直しの動きがはじまり、労働組合は最低賃金、リビングウェイジキャンペーンで反撃を強めてきたこと、とりわけ、アメリカでファストフード労働者をはじめとしたたたかいが、戦略的に、そして戦闘的に展開され、成果につながっていることが体系的に明らかにされました。
基調報告(Word97KB)

セッションII:ディーセントワーク、労働基準確保のたたかい
 ドニ・メナンさん(CGT)から「欧州連合:新自由主義と緊縮政策の圧力下の労働基準」と題して、トロイカ(IMF、欧州中央銀行、欧州委員会)の要求によって緊縮計画や予算調整が欧州各国に押しつけられ、また、労働コストの引き下げを求める攻撃が強められ、それと果敢にたたかっている欧州、そして、フランスの状況が報告されました。
 アンドリュー・デットマーさん(ACTU)からは、アボット政権によって自由貿易協定が推進され、スト権など労働組合の権利に攻撃が集中されている状況とたたかいが報告されました。そして、国際課税ルールを確立し多国籍企業を規制していくこと、労働運動が自らの活動を国際的にして連帯してたたかう重要性が指摘されました。
 野村幸裕副議長(全労連)が「ディーセントワーク、労働基準確保のたたかい」について報告し、フロア発言を交えて討論をすすめました。

セッションIII:グローバル企業とのたたかい
 パク・ソクミンさん(民主労総)は、パククネ政権のもとで“労働改革”が強力に推進されようとしており、労働時間の上限規制による雇用創出と最低賃金引上げなどを掲げて戦闘的にたたかっていることを報告しました。また、このシンポジウムと同時進行で14日に全国労働者大会が開催され、総ストライキに突入し、民衆総決起でたたかう決意が披瀝されました。
 レクソン・シラバンさん(KSBSI)からは、多国籍企業とグローバルサプライチェーンを重視してたたかう必要性が指摘されました。対象とする多国籍企業を選定し、労働組合の国際的なネットワークをつくってディーセントワークを実現するたたかいを戦略的にすすめている状況や、アジアの労働組合にも参加を呼びかけ、ベトナムのVGCLと合意が成立していることなどが報告されました。
 ゴタム・モディさん(NTUI)からは、多国籍企業が中心になって経済成長を遂げている分野で、労働組合結成の権利侵害、労働組合弾圧の激しい攻撃が起きている問題を報告しました。国際連帯を強めながら各国で粘り強く多国籍企業のなかに労働組合を結成していく重要性を強調しました。
 そして、根本隆副議長(全労連)が、国際的な連携のもとでたたかったネスレや日本アクリルなどのたたかいの経験を踏まえて、国際的な連携の強化や、国内で持続可能な地域経済を築いていく決意を報告し、その後、フロアを交えて討論しました。

セッションIV:今日的な国際連帯活動の意義と課題
 ニコラス・ルディコフさん(SEIU)からは、アメリカで「15ドルのためのたたかい」が力強くひろがっている状況がいきいきと報告され、妥協せずストライキに立ちあがる意欲などキャンペーンの重要ないくつかの側面が解説されました。そして、各国で同様に立ちあがることが呼びかけられました。
 布施恵輔常任幹事(全労連)が、全労連の国際活動の状況について報告し、組織内での学習を強化し、国際労働運動で積極的な役割を果たしていく決意などを示しました。その後、ふたたびフロアを交えて討論しました。

写真 シンポジウムの討論を通じて、経済のグローバル化が急速に進行するもとで、各国で新自由主義改革が強力に推進され、労働コストの削減、労働組合の弱体化を意図した攻撃、格差と貧困の加速度的な拡大、企業活動の規制後退など、多くの共通項があることが改めて明らかになりました。
 討論のまとめに立った井上事務局長は、冒頭にフランスで起きたテロに対する強い抗議の意を表明しました。そして「労働運動の国際的な連携をいっそう強化してグローバルな反撃を構築し、国際的な規制を実現するたたかいを協調してすすめていこう」と呼びかけました。

 
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