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声明】

歴史事実をゆがめる発言を撤回し
政府の責任で戦時性的強制被害女性の救済策を講じることを求めます

2007年4月2日
全国労働組合総連合
女性部常任委員会

 米国下院外交委員会で、「従軍慰安婦」問題について日本政府に明確な謝罪を求める決議案が提起されたことに対し、麻生外務大臣が「客観的な事実にまったく基づいていない」と非難したのに続き、安倍首相も「慰安婦の強制連行を裏付ける証拠はなかった」などと、歴史の事実をゆがめた発言を繰り返しています。また、下村官房副長官が、「『従軍慰安婦』はいなかった」、「日本軍は関与していない」などと繰り返し述べていることも明らかになっています。

 これらの発言は、旧日本軍の関与と強制を認めた河野洋平官房長官談話(1993年)を事実上否定することにつながる重大発言であり、強く抗議すると共にその撤回を要求します。日本政府を代表する安倍首相の発言は、「従軍慰安婦」として人間の尊厳を踏みにじられ、いまも苦しむ戦時性的強制被害者には、二重、三重の痛みを強いることになり、断じて許されない恥ずべき発言です。このような閣僚の暴言が続けられる状況は、「河野談話」にある「お詫びと反省」を形骸化するものであり、断じて容認できません。こうした状況に対して国内外のきびしい批判が広がっているのは当然のことです。

 日本婦人団体連合会、全労連女性部をはじめ日本の女性・人権団体や個人は、高齢化が進む被害者の人権回復のための運動を続けてきました。また、国連人権委員会、国連人権規約委員会、ILOなど国際機関は、日本政府による個人補償、被害者の名誉回復、次世代への教育などをくり返し求めています。国連女性差別撤廃委員会も2003年8月、日本政府に対し「戦時慰安婦問題の最終的解決策を見出すための努力」を厳しく勧告しています。
 国会には野党が「戦時性的強制被害者解決促進法案」を共同提案し、私たちは毎年その採択を求める請願署名を提出し続けてきましたが、法案は何年にもわたってたなざらしになっています。
 国内外の厳しい批判が広がる中、首相は3月26日の参院予算委員会で、「河野談話」の継承と内閣総理大臣のお詫びを表明しました。真に「河野談話」の敬称を言うならば、「河野談話」と明らかに矛盾する「強制はなかった」とする自らの発言を、直ちに撤回することをあらためて強く求めます。そして日中・日韓首脳会談で合意された、歴史認識の基本を共有する仕事に真剣にとりくみ政府の責任で被害女性への救済策を一日も早く講じることを、重ねて強く求めます。

 侵略戦争によって、とりわけ人間の尊厳と女性の人権を極限まで踏みにじった「従軍慰安婦」問題を放置することは許されません。このままでは、アジアや世界において諸国民との信頼を築き、名誉ある地位を占めることをめざす日本国憲法の精神を達成することはできません。私たちは「従軍慰安婦」問題の解決をあくまで追及し、女性の人権を守ること、そして、再び戦争によってこのようなことが起きないよう、憲法9条を守り生かすために全力をつくすものです。

以上

 
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