2014国民春闘共闘情報
全労連HP

第41号 2014年7月26日

2014春闘・第8回賃上げ集計(最終)

賃上げ率2%台回復! 8割が前年以上獲得

 国民春闘共闘委員会(全労連、純中立労組懇、地方共闘などで構成)は7月3日、2014年春闘における最終集計となる第8回目の賃金改定集計を行いました。

<回答状況>
  2014年 2013年
登録組合数 854 866
回答組合数 544(63.7%) 520(60.1%)
うち金額・率回答 403 425
うち「定昇のみ」など
言葉による回答
141 95
  うち上積み獲得 117(21.5.%) 100(19.2%)
うち妥結組合数 347(63.8%) 356(68.5%)

<回答内容>

集計方法&対象 2014年 2013年 (前年比)
単純平均 額(円) 5,739 5,312 +427
率(%)  2.02  1.88 +0.14
加重平均 額(円) 6,174 5,927 +247
率(%)  2.09  1.99 +0.10
組合員数(人) 103,538 113,681  

<前年実績との比較が可能な組合における回答状況(単純平均額での比較)>

前年比較可能な組合数 うち前年実績以上 (前年超) (同 額)
350 282(80.6%) 248 34

<前年実績との比較が可能な組合における単純平均額・率の比較>

  組合数 金額・率 前年実績 (前年比)
単純平均 額(円) 350 5,776 5,360 +416
率(%) 237 2.06 1.91 +0.15
※額または率のみの報告があるため、双方は連動しません。
※「定昇のみ」など言葉による回答は計算から除いています。

<集計結果の概要>
回答引出し状況

 最終集計は、26単産・部会(うち、通信労組、福祉保育労は、数字でなく言葉による回答のため総括表には表記せず)での集計となりました。
 登録854組合のうち、回答を引き出したのは544組合・63.7%で、前年同期(2013年7月5日:520組合・60.1%)を3.6ポイント上回りました。このうち有額回答は403組合となっています。「定昇」、「ベア実施」など言葉による回答は141組合で、前年同期(95組合)と比べ増加しています。
 なお、「定昇凍結」2組合、「ゼロ回答・回答延期」が15組合報告されていますが、前年同期(定昇凍結2組合、「ゼロ回答・回答延期」57組合、賃下げ回答2組合)からは減少しています。
 回答引出し率は、第1次集中回答指定日翌日の第1回集計(3月13日)時点で約2割、第2次集中回答指定日翌日の第4回集計(4月10日)には4割強と進み、3月下旬以降の集計では、1〜4ポイントほど前年同期を上回る状況で推移しました。

全体の回答内容
 有額回答を引き出した403組合での賃上げ回答の水準は、単純平均(一組合あたりの平均)で、5,739円・2.02%、加重平均(組合員一人あたりの平均)で6,174円・2.09%です。
 前回調査(5月29日時点)から単純平均で41円減・+0.01ポイント、加重平均で41円減・±0ポイントとなっています。
 対前年同期比では、単純平均で427円・0.14ポイント、加重平均で247円・0.1ポイント上回っています。今春闘では、単純平均で額・率ともに第1回集計から対前年同期比プラスを維持し、加重平均でも、第1次回答指定日翌日と翌週に行った第1回・2回調査で前年同期を下回ったものの、3月下旬の第3回集計以降は、対前年同期比プラスで推移しました。
 回答引出し組合のうち、数次にわたる上積み回答を引き出したのは、117組合(21.5%)となっています。前年同期(100組合・19.2%)を11組合・2.3ポイント上回っており、第1回集計から続いて前年同期比プラスとなっています。最高次数はJMIUの組合での6次回答で、5次回答がJMIU(2組合)、化学一般労連、地方マスコミ(各1組合)の計4組合、JMIU(4組合)、4次回答が、化学一般労連、日本医労連(各3組合)、全印総連、映演労連、民放労連(各1組合)の計13組合と続いています。
 統一要求目標額である月額16,000円以上の賃金引上げを獲得したのは、出版労連での1組合でしたが、月額1万円以上の賃金引き上げを獲得した組合は、前年同期(19組合)から12組合増え31組合となりました。また、引上げ率の最高は6.2%で、2.0%以上の引き上げ率となった組合は、回答引出し組合の3割弱にあたる154組合(前年同期147組合)となっています。

単産・部会、規模別での傾向
 単産・部会別に見ると、建設関連労連、JMIU、全労連・全国一般製造、検数労連、郵政産業ユニオン、全労連・全国一般の卸売小売、民放労連、出版労連、映演労連、地方マスコミが、額で単純・加重平均ともに全体平均以上となっています。率では、全農協労連、建交労・建設、建設関連労連、JMIU、検数労連、郵政産業ユニオン、民放労連、出版労連、日本医労連、地方登録組合が全体平均以上となっています。
 単純平均額で前年同期と比較可能な23単産・部会のうち、19単産部会が対前年同期比プラス、4単産・部会がマイナスとなっています。
 規模別でみると、「300〜999人」、「1000人以上」が単純・加重平均額ともに6千円以上、率では「29人以下」、「30〜99人」、「1000人以上」が単純・加重ともに2%台となっています。単純平均での対前年同期比をみると、「1000人以上」が若干のマイナスとなっている他は、プラスとなっており、「29人以下」が814円増・+0.22ポイントとなるなど中小規模組合が健闘しています。

前年実績比較可能組合での回答状況
 前年実績との対比が可能な350組合での単純平均額は5,776円で、前年実績比416円増となっています。このうち80.6%にあたる282組合が前年実績額以上の回答を引き出しています。前年同期(207組合)を75組合上回っています。また、248組合が前年実績を超える回答を引き出しています(前年同期163組合)。
 単産・部会別にみると、比較可能な23単産・部会のうち、建設関連労連(2,773円増)、検数労連(1,678円増)、合同繊維(1,475円増)など19単産・部会がプラス、4単産・部会がマイナスとなっています。
 引上げ率で前年実績と比較可能な237組合での単純平均引上げ率は2.06%で、前年実績(1.91%)を0.15ポイント上回っています。率で比較可能な22単産・部会のうち、対前年実績比プラスは、18単産・部会、マイナスが5単産・部会となっています。
 規模別では、「29人以下」が724円円増・+0.22ポイント、「30〜99人」が441円増・+0.27ポイント、「100〜229人」が410 円増・+0.13ポイント、「300〜999人」が198円増・+0.13ポイント、「1000人以上」が165円減・+0.03ポイントとなっています。

妥結率・妥結組合での回答結果
 回答を引き出した組合のうち妥結したのは、347組合(妥結率63.8%)で、前年同期(356組合・68.5%)を4.7ポイント下回っています。妥結状況の推移をみると、各組合で粘り強い交渉が繰り広げられたことなどもあり、前年同期と比べ若干解決が遅れる傾向にありましたが、5月後半に入り妥結が進みました。
 妥結組合での回答結果は、単純平均で5,793円・2.07%(前年同期比360円増・+0.19ポイント)、加重平均で6,017円・1.94%(同48円増・−0.01ポイント)となっています。

パート・アルバイトなど非正規雇用で働く仲間の賃上げ
 パート、アルバイトなど非正規雇用で働く仲間の賃上げは、別表の14単産・1地方の210組合で334件の成果獲得となっています。前年同期(2013年7月5日時点:261件)を73件上回っています。
 時間額での引き上げ獲得は252件で、前年同期(146件)を106件上回っています。日額は22件(前年比11件増)、月額は60件(前年比7件増)となっています。
 時間額の引き上げ額回答の報告があった189件の単純平均額は25.2円で、前回調査(26円)から0.8円下がりましたが、前年同期(24.4円)を0.8円上回っています。
 民放労連(単純平均124.7円)、建交労(同43.8円)、日本医労連(同38.4円)、全印総連(同27.9円)などで高水準の回答状況となっています。
 日額での引き上げ額は22組合平均212円で、前年同期(78.9円)比133.1円増となり、月額では44件平均2,783円で、前年同期(3,678円)を895円下回っています。

企業内最低賃金協定改定状況
 企業内最低賃金協約の締結・改定は、別表の13単産・1地方の162組合から報告が寄せられています。前年同期(2013年7月5日時点:10単産・261組合)を99組合下回っています。
 月額では、改定後の金額表示のあった110組合の平均は178,749円、日額で38組合平均8,201円、時間額で114組合平均969円となっています。
 引き上げ額・率は、月額で81組合平均3,177円、率で80組合平均1.98%、日額では37組合平均192円・2.53%、時間額は87組合平均19.1円・86組合平均2.04%の上げ幅となっています。

<参考> 他団体の賃上げ集計結果
●連合の第8回回答集計(平均賃上げ方式・7月3日公表)は以下のとおりです。
集計対象 集計組合 加重平均 単純平均
組合数 人数(万) 金額 昨年 金額 昨年
全組合 5,442 268.9 5,928 2.07 4,866 1.71 4,157 1.74 3,679 1.51
中小共闘 4,125 36.8 4,197 1.76 3,642 1.53 3,820 1.67 3,323 1.45
※中小共闘は、規模300人未満

●連合・第8回回答集計(非正規雇用労働者の賃金引き上げ・7月3日公表)は以下のとおりです。
集計対象 時間額(引上げ幅) 月額(引上げ幅)
組合数 人数(万) 加重平均 単純平均 組合数 人数(万) 加重平均 単純平均
全組合 256 5.5 11.28 11.64 144 6.3 2,227 2,882

●日本経団連の大手企業 最終集計(6月30日現在)は以下のとおりです。
集計対象 集計企業 加重平均 単純平均
社数 人数 金額 昨年 金額 昨年
加盟企業 109 7,370 2.28 5,830 1.83 6,204 2.02 5,340 1.76
※調査対象は、原則として東証一部上場、従業員数500人以上の企業

●日本経団連の中小企業 第1回回答集計(5月29日現在)は以下のとおりです。
集計対象 集計企業 加重平均 単純平均
社数 人数 金額 昨年 金額 昨年
加盟企業 223 4,438 1.80 4,141 1.64 4,196 1.71 4,005 1.63
※調査対象は、原則として従業員数500人未満、17業種741社

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