2014国民春闘共闘情報
全労連HP

第27号 2014年4月25日

2014年春闘・第3回進ちょく状況調査

前年を上回るベア・有額回答率!
後半戦も粘り強い交渉を展開

 国民春闘共闘委員会(全労連、純中立労組懇、地方共闘などで構成)は4月23日、加盟全単組を対象とした2014年春闘における第3回目の「春闘進ちょく状況」調査を実施し、21単産(3181組合)からの報告をまとめました。

1.要求提出状況
 第3回進ちょく状況調査には、別表の21単産から報告が寄せらせました。今回あらたに加わったのは、自交総連、全労連・全国一般、金融労連で、交渉単位で3181組合の集計となっています。

 4月23日段階で要求提出が確認できた組合は、調査組合の65.6%にあたる2088組合です。3月31日の第2回調査(18単産・1451組合・62.2%)に比べて、637組合・3.4ポイント増えています。
 単産別に要求提出率をみると、100%達成は検数労連、全損保、郵政産業ユニオン、合同繊維の4単産。9割台が全倉運(97.5%)、映演労連(93.8%)、8割台が通信労組(88.5%)、特殊法人労連(87.5%)、民放労連(84.9%)、出版労連(82.7%)などとなっています。
 3月末以降、要求提出が増えた単産は、建設関連労連(12.2ポイント増)、全農協労連(11.1ポイント増)、出版労連(8.2ポイント増)、建交労(6.0ポイント増)、全倉運(5.0ポイント増)、民放労連(4.8ポイント増)などです。
 他方で、4月23日時点で提出率が5割に満たない産別もあります。方針では「全交渉単位の要求提出を」と100%達成を目標に掲げており、未提出組合の奮起が求められます。

 なお、要求提出率を前年同期(2013年4月30日時点:22単産・2306組合・61.5%)と比べると4.1ポイント上回っています。前年同期比でプラスとなったのは、特殊法人労連(9.7ポイント増)、出版労連(6.7ポイント増)、映演労連(6.3ポイント増)、全倉運(5.0ポイント増)、建設関連労連(2.4ポイント増)、民放労連(1.7ポイント増)、日本医労連(0.1ポイント増)の7単産です。他方、前年同期よりも要求提出が下回ったところも9単産あります。

2.ストライキ権確立状況
 調査組合のうち、ストライキ権を確立したのは1250組合・43.3%です。単産別にみると、全組合でストライキ権を確立しているのは、検数労連、通信労組、全損保、郵政産業ユニオンの4単産です。全組合とはいかなくとも、スト権確立が比較的高い単産は、特殊法人労連(87.5%)、映演労連(81.3%)、JMIU(69.1%)です。
 第2回調査からは268組合増えましたが、割合では0.4ポイント減り、前年同期(1343組合・47.2%)と比べ93組合・3.9ポイント下回っています。前年同期と比べてストライキ権確立が増えた単産は、建交労(25組合・1.8ポイント増)、化学一般労連(7組合・7.8ポイント増)、生協労連(1組合・0.9ポイント増)、日本医労連(12組合・7.8ポイント増)です。

3.回答引出し状況
 回答を引出した組合は、3月末の第2回集計から341組合増え、要求提出した2088組合のうち、1144組合(54.8%)となりました。4月14日を産別統一回答指定日に設定した映演労連や春闘後半戦にたたかいが本格化する全損保などで回答が出始めるなど、4月9日の第2次集中回答指定日も節目とした各組織のたたかいで、回答引き出し組合数は増えています。4月段階での追い上げは、建交労(98組合増・21.3ポイント増)、全農協労連(37組合・27.4ポイント増)、日本医労連(27組合・3.9ポイント増)、JMIU(18組合・8.3ポイント増)、民放労連(17組合増・11.3ポイント増)等などで顕著です。
 回答引出し率100%の単産は、3月末調査で確認した建設関連労連、通信労組、郵政産業ユニオン、特殊法人労連に、検数労連が加わりました。引き出し率の上位には民放労連(93.5%)、出版労連(88.9%)、JMIU(86.2%)、化学一般労連(82.9%)、全印総連(82.8%)、生協労連(82.7%)が並んでいます。
 前年同期と比べた回答引出し率は0.9ポイントと微増しています。単産別では、JMIU(12.1ポイント増)、全農協労連(7.7ポイント増)など6単産で回答引出し率を伸ばしています。
 金融・保険業関係や建設業関係、全農協労連の単協や大学生協など、4月後半から5月にかけて交渉が本格化する組合もあり、今後さらに回答引き出しは増える見通しです。

4.回答の内容
 <定昇制度あり>の職場 <定昇制度あり>の職場(回答622組合)では、「定期昇給+ベア」回答を引き出した組合は146組合(回答組合中23.5%)です。前回調査から38組合増え、前年同期(79組合・13.6%)を67組合・9.9ポイント上回っています。比較可能な単産で、前年同期より「定昇+ベア」が増加したのは、民放労連(9組合増)、全農協労連、出版労連(各6組合増)、建交労(5組合増)、映演労連、日本医労連(各3組合増)などとなっています。
 「ベアゼロ・定昇のみ」回答は、472組合・75.9 %で、前回調査から1.5ポイント減となりましたが、依然として多数を占め、「定昇凍結・賃金引下げ提案」も1組合増え4組合となっています。

 <定昇制度なし>の職場 <定昇制度なし>の職場(回答454組合)では、「有額獲得」を引き出した組織が365組合(回答組合中80.4%)となっています。前回調査(220組合・82.7%)からは145組合増えましたが、比率では2.3ポイント減っています。しかしながら、前年同期(63.4.%)を比率で19.3ポイント上回っており、各組織での奮闘が伺えます。「ゼロ回答」は前回調査(46組合・17.3%)から43組合・2.3ポイント増え、89組合(回答組合中19.6%)となっています。

5.平均賃上げ額・率と妥結状況
 回答があった1144組合のうち、単純平均(一組合あたりの平均)額が報告された725組合の平均賃上げ額は4,977円となっています。前回調査(5,109円)から112円マイナスとなっていますが、前年同期(4,524円)を453円上回っています。
 平均賃上げ率は、405組合の平均で2.13%と、前回調査(2.08%)を0.05ポイント、前年同期を0.16ポイント上回っています。
 前回調査からの推移を単産別にみると、出版労連(539円・+0.19ポイント)、全倉運(102円増・+0.03ポイント)、JMIU(82円増・+0.07ポイント)、日本医労連(63円増)、生協労連(54円増・+0.08ポイント)、化学一般労連(8円増)、民放労連(+0.08ポイント)、などで微増していることが確認できます。
 要求提出組合のうち、現時点で妥結もしくは妥結方向としている組合は392組・18.8%で、3月末調査(118組合・8.1%)から274組合・10.7ポイント増えています。また、この妥結状況は、前年同期(366組合・15.9%)と比べると26組合・2.9ポイント上回っています。

6.ストライキ実施状況
 ストライキの実施状況は、246組合でのべ323回(調査組合中11.2%)となりました。前回調査同様に前年同期とほぼ同水準です。
 検数労連では、3月23日、29日に続き、4月6日にも全国港湾での24時間ストライキを決行し、回答水準の上積みを勝ち取りました。映演労連では、産別回答指定日翌日の4月15日に、ストライキ権を確立した全13組合が決起し、全国各地でのストライキ集会には、昨年を超す390名が参加し、回答引出しを迫りました。その他、第2波のストライキを実施した報告も寄せられています。
 春闘終盤に向け、多くの単産・組合が、「ベースアップ、大幅賃上げ」をなんとしても勝ち取るべく、粘り強くたたかいを進めています。

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