2014国民春闘共闘情報
全労連HP

第5号 2013年12月9日

2014年国民春闘討論集会を開催

大幅賃上げの「風」を吹かそう

 国民春闘共闘委員会は11月27、28日の両日、「たたかいとろう 大幅賃上げ、くいとめよう憲法改悪、許すな 雇用・くらし破壊の暴走政治」をスローガン(案)とする2014年国民春闘討論集会を静岡県熱海市で開催しました(全労連との共催)。23単産・38地方などから215人が参加し、すべての労働者の大幅賃上げを積極的に掲げ、ベースアップ獲得にこだわり、安定した良質な雇用の実現、憲法をいかし、くらしを守るたたかいを前進させようと、熱心な討論が行われました。

写真 国民春闘共闘・大谷充代表幹事(出版労連委員長)が、特定秘密保護法案が衆議院で強行採決されたことに怒りを込め開会あいさつを行い、全労連・高橋信一副議長、国民春闘共闘・国分博文常任幹事(全農協労連書記長)の進行で討論集会が始まりました。
 主催者あいさつに立った大黒作治代表幹事(全労連議長)は、冒頭、特定秘密保護法案の強行採決に抗議し、12月6日に日比谷野外音楽堂で開催される集会をはじめ全国で立ち上がり、国民的世論と広範な共同で廃案に追い込む闘い強めることを表明。賃金については、政府が財界に賃上げを要請し、財界も重い腰を上げるかのポーズをとっているが、依然として厳しさもあると指摘。国民の間には「賃上げが必要」という世論が根付いてきたが、「賃上げは自動的についてくるものではなく、たたかい獲るものだ」と強調し、すべての労働者の賃上げ実現のためのたたかいの組織を呼びかけました。また、消費税増税と社会保障改悪を許さない一点共同を強めること。安倍「雇用改革」阻止のたたかいを重要課題とし、全ての労働組合と共同し、非正規や未組織労働者も巻き込んだ国民的な運動へと発展させること。最低賃金と公契約適正化運動を発展させ非正規労働者の処遇改善を図ることを訴え、暴走する安倍政権をくいとめ、国民運動をリードする役割を発揮していこうと呼びかけました。
 小田川義和事務局長(全労連事務局長)が統一賃金要求目標として、消費税増税の物価への影響に留意した「時間額120円以上、月額1万6千円以上」の賃金引き上げ要求目標と、「誰でも時間額1,000円以上、日額8,000円以上、月額17万円以上」の最低基準を底上げ要求目標とする「2014年国民春闘方針(第2次案)」を提案。すべての組合が「ベア要求」をかかげ、「ベア獲得」にこだわるたたかいを展開し、非正規労働者も含むすべての労働者の賃金の大幅引き上げを積極的にすすめることを呼びかけました。
 そして、「情勢頼み」ではなく、職場と地域から大幅賃上げの「風」を吹かし、「一つでも」の要求実現にこだわり、地域で「目に見え音が聞こえる春闘」を作り上げていくことを強調。
 3月12日(水)を第1次統一回答指定日に設定し、翌13日(木)を第1波全国統一行動日とし、ストライキなどの実力行使を構えて回答追い上げを図るとともに、消費税増税反対、社会保障改悪反対などの要求課題を総結集し、50万人規模の「くらしを守れの大行動」を組織すること、全組織で準備段階からたたかう構えをつくっていくことを呼びかけました。

4組織の代表から特別報告

写真 新聞労連の日比野敏陽委員長が「特定秘密保護法と言論の自由、労働者の権利」について特別報告を行い、衆議院で強行採決した特定秘密保護法を参議院議員で止めるために、国会議員にFAXや事務所に足を運び訴えることが重要だと語り、「この法案が成立すれば警察権力・国の力が肥大する。表現の自由だけの問題ではない。クーデター法案だ」と訴えました。また、「法案が成立した後には、NHKや教科書を通じた情報統制が行われ、TPP参加、雇用破壊が進むだろう」とのべ、「すべては繋がっている。そうした視点でたたかいを強め、廃案にするまで共にがんばろう」と決意を表すと会場からは大きな拍手が沸き起こりました。
 建交労沖縄県本部の東江(あがりえ)勇委員長は、過積載取り締まり強化による単価下落で収入減となり、単価交渉に立ち上がった沖縄のダンプのたたかいについて報告。沖縄のダンプの半数にのぼる101台のダンプが結集しダンプデモを行い、沖縄のすべてのメディア(テレビ局4社、新聞2社)が報道したことやストライキに立ち上げったことについて語り、「労働相談から始まったたたかいで組織拡大し、共同も広がった。まだ単価は改善していないがデモやストライキをしたことにより団結が強まった」と述べました。
 「公務員賃金削減とのたたかいの到達点〜地域での共同の発展」について語った自治労連・熊谷守朗賃金権利局長は、「『すべての労働者の賃上げで景気回復、地域経済活性化』のスローガンを握って離さずなかったことが最大の成果だ」と述べ、地域に出て世論に訴えることの重要性を強調しました。
 東京・新宿区労連の屋代眞事務局長は、年間約250件寄せられる労働相談の事例を紹介しながら、「ブラック企業の社会問題化は、企業側の責任もあるが、労働組合の社会的影響力と社会的責任が問われている。外に見えない企業内労働組合運動ではだめだ」と労働相談を通じて見えてきた問題点を指摘。すべての労働者を視野に入れ、一般市民に対してもアプローチしていくことの重要性を強調しました。また、地域に目を向けていく中で、女性団体と「『雇用問題』『はたらく』を考えよう」をテーマにトークセッションを行うなどの共同が広がっていることを報告し、14春闘も地域から共同を広げ、全力でたたかう決意を述べました。

昨年を大きく上回る33人が発言

写真 各組織の代表からは、「今、賃上げをしないで、いつ賃上げをするのか」(JMIU)、「ベア回答がない場合にはストライキを構えてたたかう決意だ」(日本医労連)、「政府は財界に賃上げ要請をしたが『言ったからにはやらせる』の構えでたたかう」(京都)、「仲間の要求をがまんしないで掲げて奮闘する」(全農協労連)、「フルタイムで最低月額23万円を提起する」(生協労連)など「ベア獲得」「すべての労働者の大幅賃上げ」にこだわりたたかう決意が語られました。
 「くらしを守れの大行動」については、日本医労連の代表が「日本医労連も最大結集する構えだ。霞ヶ関での行動など首都東京での大きな取り組みを提起してほしい」と要請したのをはじめ、「春闘節目の行動に1人1回は参加しようと呼びかけていく」(秋田)、「消費税増税反対と併せ、積極的なストライキ闘争を構えてたたかう」(島根)、「すべての産別、地域、職場で行動をすることが重要だ」(JMIU)など積極的な発言が続きました。
 埼玉や北海道からは「すべての地域で春闘討論集会・学習会を行う」と早期の春闘準備を行い、「目に見え音が聞こえる春闘」にしていくことが語られ、「13春闘に続き改正労働契約法を活用して、非正規雇用労働者の処遇改善、無期契約化を図っていく」(生協労連)、「女性も男性も、民間も公務も、正規も非正規も働くことが大変になっている。協力し、話しあい要求実現しよう」(全労連女性部)、「公務員にかけられた攻撃は、すべての労働者にかけられた攻撃だ。国公法改悪を断固阻止する」(国公労連)、「出版取次や書店も含めた企業内最賃の整備を議論していく」(出版労連)、「一つでも要求前進をめざしたたかいを進める」(福祉保育労)、「非正規労働者にとって雇用問題が重要課題となっている。法制度政策を改善させることと現行制度を使い要求を前進させることが重要だ」(自治労連)、「輸送や委託労働者も視野に入れて春闘をたたかう」(郵政産業ユニオン)など多くの組織から、すべての労働者の要求実現に向け奮闘していく決意が語られました。
 また、「社会福祉は第2の賃金だ」(福祉保育労)、「年金改悪阻止のための行政不服審査請求運動を強める」(年金者組合)、「安倍教育再生を許さず、権利としての教育を支えるために奮闘していく」(全教)、「東日本大震災から2年9ヵ月経つが遅々として復興は進んでいない。そういった中での消費税増税は許せない。消費税増税廃止、被災地本位の復興をめざし行動に決起する」(岩手)、「『原発ゼロ』はオール福島の声だ」(福島)、「浜岡原発廃炉にむけ住民と共同のたたかいを進めていく」(静岡)など、国民的課題について発言が相次ぎ、多くの組織から「秘密保護法阻止」「消費税増税阻止」、「安倍雇用改革阻止」、「憲法をいかし、安倍暴走政治を止めよう」との声が上がりました。
 討論終了後、小田川事務局長がまとめの発言を行い、「目に見える行動を作りだし、社会全体を動かすために奮闘していこう」と呼びかけました。伊藤潤一代表幹事(東京春闘共闘代表委員)が閉会あいさつを行い、14春闘に向け全力で奮闘する決意を固め合いました。

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