2013国民春闘共闘情報
全労連HP

第33号 2013年5月16日

2013年春闘・制度的諸要求(中間集計②)

制度的諸要求大きく前進!

 国民春闘共闘委員会(全労連、純中立労組懇、地方共闘などで構成)はこのほど、2013年春闘における制度的諸要求(パート等処遇改善、企業内最賃、時短、各種休暇など)の獲得状況をまとめました。5月13日現在、15単産1地方530組織(連合会・単組・支部などの交渉単位)から報告が寄せられ、1207件の条件改善を獲得しています。今回新たに、自交総連、全倉運、全労連・全国一般、自治労連から報告が寄せられました。

時短関係
 時間短縮・休暇・残業関係では前回調査(4月11日時点)の57件から126件へ要求獲得数を前進させています。日本医労連の職場では「年間休日数103日から108日へ5日増加」など所定内労働時間の短縮を3件獲得。休日休暇に関する要求では、「メモリアル休暇の新設」(全倉運)、「勤続20年を超えた契約社員等に5日のリフレッシュ休暇と5万円支給」(全印総連)、「2日間のボランティア休暇新設」(建交労)など54組織で72件の制度改善を新たに実現させています。残業関係では、「夜勤明けの残業の禁止」(日本医労連)など11組織で12件。育児休業・休暇関係では、「育児休職期間を勤続年数に加算」(生協労連)、「小学校3年まで育児勤務規定の適用を拡大」(JMIU)など17組織で19件の要求実現を果たし、看護・介護休業関係では「子の看護休暇新設」(福祉保育労)、「要介護者1人につき93時間を上限とし、介護時短1日1時間を有給保障する」(出版労連)など10組織が13件の制度改善を勝ち取っています。

パート等賃上げ・労働条件改善

 これまでに、パートやアルバイト、契約社員などの賃上げを獲得したのは169組織で243件となり、前年同期(100組織148件)を大きく上回っています。生協労連が100件の大台に乗り、日本医労連(56件)、福祉保育労、全労連・全国一般(各18件)、JMIU(13件)とつづいています。自治労連の職場では「9業種に従事する仲間の月額4,000円の賃金改善」を獲得。JMIUでは多くの職場で再雇用者の賃上げを勝ち取っています。
 労働条件改善の取り組みも前進しています。日本医労連では、「パートのうち希望者をフルタイム化」など80件の改善を勝ち取り、民放労連では外部スタッフなども含めた全ての構内労働者を対象にした取り組みを強め、民放キー局や地方局などで「構内労働者に奨励金」、「社外スタッフ全員にクオカード1万円分」などの成果を獲得しています。
 改正労働契約法とも関わって、前年同期(72組織・100件)を超える127組織179件の報告が寄せられました。

最低賃金・年齢保障・初任給・格差是正

 企業内最低賃金協約を締結したのは、生協労連の26件を筆頭に、建交労(17件)、JMIU(12件)、化学一般労連(8件)など77組織83件となっています。出版労連の職場で日額8,400円、全国一般では神奈川で時間額1,333円など、これから本格化する法廷最賃闘争を後押しする成果を獲得しています。また、建交労(6件)、JMIU(3件)、全倉運(1件)、大阪(1件)で年齢や職種による最低保障賃金を協定化させています。初任給増額などによる格差是正を獲得したのは、前回調査(17組織・20件)から大きく前進し、41組織・45件となりました。「大卒初任給5,000円引上げ」(全農協労連)など初任給増額に加え、「昇給額が1,000円に満たない77名に対し、1,000円に達するまでの特別手当を支給」(日本医労連)、「35〜50歳に一律1,500円加算」(JMIU)などを獲得している職場もあります。

社会保障・母性保護・労災対策・安全衛生関係

 育児休業・休暇などを除いた母性保護関係での前進回答は10組織・11件となり、新たに「ベビーシッター育児支援割引券の支給を1家庭につき月20枚まで増加」(民放労連)、「妊娠中の通院を有給にて時間保障」(福祉保育労)などの報告が寄せられています。
 労災補償の上積み獲得は前回調査と同じく建交労(8件)、JMIU(5件)の12組織13件となっています。安全衛生関係では「65歳以上適正診断手当支給」(自交総連)、「インフルエンザ予防接種の全額会社負担」(JMIUなど)、「人間ドッグの自己負担分を半額会社が負担」(全印総連)、「専門家も参加して健康対策を行う」(福祉保育労)などの身体的ケアやメンタルケアに関する取り組みが進んでいます。

人員増・雇用保障・雇用延長・退職金など

 人員増要求では、前回調査(20組織24件)から全農協労連、民放労連、日本医労連で前進し、計25組織・31件となりました。
 改正労働契約法とも関わって、正社員化や無期雇用化などによる雇用確保に関する要求前進は29組織31件となっています。そのうち正社員化を勝ち取ったのは前回調査でのJMIU(3件)に加え、全労連・全国一般(2件)、全印総連(1件)、福祉保育労(1件)の計7件となりました。
 全農協労連では、岩手で「有期雇用者25人の4月から無期労働契約化」を勝ち取り、自治労連の職場でも「改正労働契約法(無期契約への転換)について就業規則を改正し対応する」とした回答を引き出しています。
 定年・雇用延長の条件改善では、改正高年齢者雇用安定法とも関わって、「定年制の廃止」の報告は来ていませんが、自交総連の3組織で「定年延長」を実現させ、生協労連では2組織で協議・検討段階に入っています。「65歳までの再雇用」を10組織・10件で獲得。また、「再雇用対象条件の廃止」、「希望者全員の継続雇用」などや年金支給開始年齢の引き上げとも関連した項目を合わせると51組織で61件の要求を獲得しています。
 退職金の上積み獲得・新設は、建交労、JMIU、生協労連、日本労連、大阪で6組織・9件となっています。その他の要求の多くは「諸手当の上積み」や「期末一時金の獲得」ですが、自交総連からは今春闘で重点課題とした「クレジットカード手数料の乗務員負担率」を減少させるなどの報告も寄せられています。

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