2013国民春闘共闘情報
全労連HP

第22号 2013年3月26日

2013年春闘・第2回賃上げ集計【臨時集計】

単純平均5,528円 1.88%
加重平均5,702円 1.81%

 国民春闘共闘委員会(全労連、純中立労組懇、地方共闘などで構成)は22日、2013年春闘における第2回目の賃金改定集計を行いました。今回は例年より1週早めての臨時集計となっています。

<回答状況>
2013年 2012年
登録組合数 870 801
回答組合数 252(29.0%) 255(31.8%)
うち金額・率回答 206 209
うち「定昇のみ」など
言葉による回答
46 46
うち上積み獲得 19( 7.5%) 32(12.6%)
うち前年実績以上 95(37.7%) 97(38.0%)
うち妥結組合数 22( 8.7%) 41(16.1%)

<回答内容>
集計方法&対象2013年 2012年 (前年比)
単純平均 額(円) 5,528  5,394  +134 
率(%)  1.88   1.80  +0.08 
加重平均 額(円) 5,702  5,285  +417 
率(%)  1.81   1.80  +0.01 
組合員数(人) 52,400  57,391 
※額または率のみの報告があるため、双方は連動しません。
※「定昇のみ」など言葉による回答は計算から除いています。
※今回は臨時集計のため、前年同期比は2012年3月29日現在集計を参考値としています。

<集計結果の概要>
 例年より1週早めて行った第2回臨時集計には、16単産・部会(うち全農協労連、通信労組は、現段階では「定昇」など言葉による回答のみのため、総括表には含まない)から報告が寄せられました。
 これまでに回答を引き出したのは252組合・29.0%で、前年同期参考値(2012年3月29日集計)の255組合・31.8%に接近しています。第1回集計(3月14日)以降に回答を引き出したのは78組合で、今回新たに全農協労連、合同繊維労組、建交労・鉄道、から報告が寄せられています。
 回答を引き出した組合のうち22組合・8.7%が妥結しました。前年同期参考値(41組合・16.1%)の約半数となっています。

単純平均・加重平均いずれも前年超え。前年実績以上は95組合
 
賃上げの単純平均(一組合あたりの平均)は、5,528円・1.88%で、加重平均(組合員一人あたりの平均)は、5,702円・1.81%となりました。単産・部会別では、建設関連労連、民放労連、出版労連、日本医労連、地方マスコミが高い回答を引き出しています。
 前年同期参考値と比較すると、全体では単純平均で134円増・プラス0.08ポイント、加重平均で417円増・プラス0.01ポイントと、単純平均・加重平均の額・率いずれも前年同期参考値を上回る結果となっています。
 252組合のうち、前年実績を上回る回答を引き出したのは73組合(前年同期参考値70組合)、同額は22組合(同27組合)となっています。
 統一要求目標である月額1万円以上の賃金引上げを獲得したのは、出版労連が医学書院など7組合、JMIUは大東工業支部など3組合、民放労連、建設関連労連、日本医労連が2組合、地方マスコミ1組合の計17組合で、前年同期参考値(13組合)を上回っています。
 ただし、単産・部会別の集約をみると、比較可能な13単産・部会のうち、単純平均額でプラスとなったのは6単産・部会、マイナスが7単産・部会となっており、業種による回答傾向の違いに留意が必要です。
 なお、規模別では、「100〜299人」が321円減・マイナス0.12ポイントと若干落ち込んでいますが、「29人以下」で204円増・プラス0.29ポイント、「300〜999人」が845円増・プラス0.25ポイントと全体を牽引しています。

上積み回答引出しは7.5%、今週の追い上げに期待
 第1回集計時との比較では、単純平均では112円減、プラス0.02ポイントとなり、加重平均では147円増・マイナス0.02ポイントとなっています。比較可能な12単産・部会のうち、第1回集計時より加重平均の額・率ともに上昇しているのは、建設関連労連、JMIU、建交労・製造、建交労・運輸、地方登録組合です。そのほか、化学一般労連では額で、出版労連では率で第1回集計時を上回る結果となっています。
 初回からの上積み回答を引き出しているのは、JMIU、日本医労連、地方マスコミ、建交労・運輸を中心に7単産部会19組合です。今のところ回答引き出し組合の7.5%に留まっていますが、今週から4月初めに予定されている上積み交渉を経れば、この数字は改善される見込みです。

パート・アルバイトなど賃上げ97組合が引き出す
 全労連・国民春闘共闘に結集する各組織が力を入れている、パート・アルバイトなどの非正規雇用で働く仲間の賃上げは、生協労連63組合、日本医労連21組合、全印総連6組合、JMIU4組合、福祉保育労2組合、化学一般労連1組合の計6単産97組合から報告が寄せられました。過去2年を大幅に上回った前年同期参考値(92組合)から5組合増加しています。
 日本医労連で時間額280円、220円の引上げを獲得したのをはじめ、全印総連では契約社員の月額2,000円増を引き出すなど、時間額の引上げの報告があった50組合の単純平均は18.2円、率では17組合の単純平均で3.35%と、前年同期参考値(5.4円・0.40%)を大幅に上回っています。

企業内最低賃金協約運動が大きく前進!
賃金底上げの土台となる企業内最低賃金協約の締結・改定は、JMIU、化学一般、生協労連、全印総連の4単産32組合から獲得の報告が寄せられています。前年同期参考値(2単産11組合)から大きく前進しています。
 時間額は24組合平均805円、日額は4組合平均7,029円、月額は13組合の平均で159,327円と、「誰でも時間額1,000円以上、日額7,500円以上、月額16万円以上の最低賃金改善目標」には、まだ届きませんが、JMIUで月額19万円、化学一般労連で時間額1,090円などの企業内最低賃金協定を引き出しています。

 以上、第2回臨時集計の特徴としては、(1)例年より1週早めて行った集計だが、回答引き出しが前年同期参考値の水準に接近していること、(2)単純平均・加重平均の額・率いずれも前年同期参考値を上回っていること、(3)要求に対しては、十分な回答水準とはなっておらず、妥結せずにねばり強いたたかいを展開していること、(4)非正規雇用で働く仲間の賃上げ、企業内最低賃金協約締結・改定の取り組みが前進していることなど、があげられます。

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