2013国民春闘共闘情報
全労連HP

第20号 2013年3月19日

2013年春闘・第1回進ちょく状況調査

ベア獲得組合増加!

 国民春闘共闘委員会(全労連、純中立労組懇、地方共闘などで構成)は18日、加盟全単組を対象とした第1回の「春闘進ちょく状況」調査を実施し、16単産(2466組合)から報告が寄せられました。

1.要求提出状況
 3月18日現在、別表の16単産から報告が寄せられました。交渉単位数では、2466組合となります。このうち、現段階で要求提出が確認できた組合は、1386組合(56.2%)で過半数を超える集約状況となっています。要求提出率は、昨年同期に比べて5.2ポイント上回っており、昨年に引き続いて要求提出率は上昇しています。
 単産別にみると、単一労組の通信労組と全損保が100%、これに金融労連(94.1%)、全倉運(90%)、合同繊維(83.3%)が高率で続いています。

2.スト権確立状況
 調査組合のうち36.3%にあたる894組合がストライキ権を確立していますが、この水準は、前年同期比で約10ポイント減少しています。スト権を100%確立しているのは、要求提出と同じく通信労組と全損保の2単産で、これに特殊法人労連(77.8%)、JMIU(75.8%)が続いています。

3.回答引出し状況
 要求提出した組合のうち、回答を引き出したのは495組合(35.7%)です。回答引出し率の高い単産は、通信労組(100%)、生協労連(72.7%)、出版労連(69.6%)、全印総連(62.5%)となっています。昨年同期比では全体で引出し率が減少していますが、建交労、全印総連で若干増加しています。

4.回答の内容
 
回答の内容について、<定昇制度あり>の職場からみていくと「ベア獲得」の42組合に対し、「ベアゼロ」(定昇のみ)回答が185組合と大きく上回る結果となっています。ただし、昨年同期と比べると、この時期「ベア獲得」0組合だった全農協労連(2組合)、建設関連労連(1組合)でベアを獲得し、日本医労連では「ベア獲得」が8組合から23組合へと増えています。
 一方、<定昇制度なし>のところでは、「有額獲得」の引き出しが71組合、「ゼロ回答」が25組合となっています。前年比較可能な単産でみると今のところは、昨年と同水準です。
 なお、定年年齢引き上げの賃金原資確保のためといって、中堅層から59歳までの定昇を引下げる提案が出てきており、こういった動きを注視していく必要があります。

5.平均賃上げ額・率と妥結状況
 
回答があった495組合のうち、額または率の掲示があったのは353組合です。平均賃上げ額は、単純平均(組合ごとの平均)で5,110円(1.82%)で、昨年同期(5,163円・1.88%)を額で53円、率で0.06ポイント下回っています。
 現段階では、まだ回答状況が出そろわない中ですが、複数回答が出ている単産のうち、建交労(平均1,962円)、生協労連(平均2,809円・0.97%)、民放労連(平均8,785円・2.63%)、出版労連(平均6,364円・1.83%)、日本医労連(平均5,417円・1.75%)が昨年を上回る回答を引出しています。
 この段階で妥結、もしくは妥結方向との報告があがっているのは35組合で、昨年(42組合)より下回っています。

6.ストライキ実施状況
 
ストライキ実施状況は、3月7日にJMIUが54支部分会で決行し、全国統一行動日の3月14日には通信労組が31都道府県26支部131事業所で、日本医労連が71組合で実施したのをはじめ、JMIU、建交労、生協労連、全印総連、民放労連の計241組合(支部・分会)でストライキを実施しています。
 また、集計には含まれていませんが、本日、3月19日には、郵政産業ユニオンの仲間も、全国26職場でストライキに決起しています。
 ストライキ実施組合は昨年(190組合)から大幅に増えており、回答引出し組合に対する妥結組合の少なさから見ても、要求に対し経営の回答は不十分な内容であり、誠意ある積極的な回答を求めて、立ち上がった仲間の奮闘がうかがえる状況となっています。

 4月10日の回答引出し・追い上げ集中回答日を節目に、職場の切実な要求実現に向け、誠意ある回答と上積みを求め、積極的なたたかいを展開していきましょう。

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