2013国民春闘共闘情報
全労連HP

第7号 2012年12月10日

2013年国民春闘討論集会を開催

職場・地域から声をあげよう!

 国民春闘共闘委員会は11月28日〜29日、静岡県伊東市で2013年国民春闘討論集会を開催しました(全労連との共催)。賃上げ・雇用の確保でデフレ不況を克服し、「安心・安全な社会」を実現しようと、熱心な討議が行われました。

  討論集会には、23単産37地方から総勢207人が参加しました。
写真 大黒作治・国民春闘共闘代表幹事(全労連議長)は主催者あいさつで、12月16日に投票日をむかえる総選挙と東京都知事選を、財界とアメリカ言いなりの政治から、国民のくらしを優先する政治へと転換させる絶好のチャンスと位置づけてたたかうことの重要性を強調。13春闘では「これまで以上に職場の実態や要求交流を進め、単産でも地域でもみんなが参加できるたたかいを発展させよう」と呼びかけました。春闘の中心課題である、賃上げや雇用の確保、最賃の大幅引き上げなどの経済的要求の実現とともに、「原発ゼロ」、「TPP交渉参加反対」、「オスプレイ配備反対」など、これまでにない国民的共同の大きな発展との合流を進め、「安全・安心社会」の実現をめざす運動を発展させることを訴えました。
 小田川義和・国民春闘共闘事務局長(全労連事務局長)が「2013年国民春闘方針案」を提案。2013年春闘では、労働者・国民に犠牲と痛みを押し付ける政府・財界の攻撃への反撃を職場と地域の双方で、要求の多数派、運動の多数派となることをめざし、たたかいを目に見え、音が聞こえる状況につくりあげていくことを呼びかけました。3月13日に予定されている「重税反対総行動」と第1次集中回答日翌日の行動を「くらしを守る総行動」と位置付け、全国「50万人総行動」に挑戦することを提起。統一賃金要求として「誰でも時間額100円以上、月額1万円以上の賃上げ」の獲得、「誰でも時間額1000円以上、日額7500円以上、月額16万円以上の賃金水準」の達成を最低限の目標として掲げることを提案し、「年齢別最低生計費試算」による年齢別要求(だれでも35歳35万円以上の要求)の討議を進めることを呼びかけました。

JMIU・光洋シーリングテクノ関連支部、自治労連、神奈川春闘共闘から特別報告

 JMIU・光洋シーリングテクノ関連支部の黒坂和也委員長は、非正規で働く仲間たちが、偽装請負や不当解雇に対して立ち上がり、労働局への申告や厚生労働省要請、産別交渉、24時間ストライキなどを駆使し、「組合員全員の正社員化」を勝ち取った8年間に及ぶたたかいを報告。「このたたかいの中で団結がゆるぎないものになった。労働組合に団結し、地域とJMIU、全労連の連携で勝ち取った勝利だ。労働組合に結集し、団結して、『おかしいものはおかしい』ということが自分たちの生活を守るためには重要だ」と語り、会場は大きな拍手に包まれました。
写真 自治労連の久保貴裕中央執行委員は、学校や保育所の給食、清掃、土木などの現業の職場で、コストカットなどによる人員削減が行われている実態や東日本大震災被災地の自治体職場の人員不足による復興事業の遅れなどの事例を挙げ、「自治体における公務公共サービスの充実と自治体・公務公共労働者の人員闘争」の重要性を強調。政策提言案「憲法をいかし、こんな地域と日本をつくりたい」、「原発ゼロ、再生可能エネルギーをいかす地域、自治体をつくるための提案」を活用し、地域で対話と共同を進めていることを報告しました。
 神奈川春闘共闘の山田浩文事務局長は、川崎市、相模原市で制定され、厚木市でも来年4月から開始される「公契約条例」制定までの運動の経過とその効果を報告しました。公契約条例制定運動にあたり、(1)現場の実態をつかむ、(2)キャラバンなどを通じて自治体に働きかけ続ける、(3)業界団体と相互理解を深め合う、(4)連合を動かす、(5)最低賃金引き上げ運動との連動、(6)首長選挙などを通じて決裁権のある首長へ働きかける、ことの重要性を運動の実例を挙げながら語りました。13春闘では、「公契約条例」を活用して「地域相場の引き上げ」、「組織化」に挑戦し、公契約条例をさらに広げる運動を展開すること。同時に、最低賃金引き上げも重点課題とし奮闘していく決意を述べました。

春闘方針案をめぐって、2日間で29人から発言

 大阪の代表は、「13春闘は、賃上げ、雇用の安定と確保、くらしの改善をすすめ、大阪そのものを立て直す重要なたたかいとなる」と、地域から「目に見え、音が聞こえる」状況にしていく決意を述べました。埼玉、全教、京都、東京、自治労連、国公労連などからも地域から運動を進めていくことの重要性が強調されました。
 建交労の代表は、国民春闘討論集会に先駆けて行った春闘討論集会で「総選挙に勝利して13春闘に決起する」と意思統一をしたことを報告。要求アンケートなど、「全組合員が参加をする運動」が国民春闘共闘を構築する土台となることを強調しました。
 グローバル事業強化でのコスト削減や改正「高年法」を悪用し、30代から60歳までの賃金引き下げを目論むNTTで働く通信労組の代表は、「NTT11万人リストラとのたたかいで得た確信やストライキでたたかうことの必要性と意義を、学習を通じて深め、運動の強化をはかる」と13春闘への決意を述べました。
 JMIUの代表は、日本IBMでの「ロックアウト解雇」など、財界・大企業が解雇自由、解雇やり放題の社会を目指していることに言及し、「労働者の雇用と権利をまもるたたかいが極めて重要だ」と訴えました。13春闘を「くらしと雇用をまもりきる春闘」と位置付け、全力をあげてたたかう決意を表明しました。
 国公労連の代表は、退職手当の削減を含め、かつてない大幅な賃金引き下げが強行された中で迎える初めての春となる13春闘で「憲法とILO基準に沿った労働基本権の回復、すべての労働者の賃上げと雇用確保などを実現するために、『賃下げ違憲訴訟』を軸に全力で奮闘する」と力強く訴えました。
 最低賃金に関わっては、「来年は中央・地方の最賃審議員の改選の年。すべての地方で候補者を確立していきたい。また、委員の枠を満たすだけの候補を、様々な単産から推薦していってはどうか」(生協労連)。「中小企業の振興と最低賃金の大幅引き上げに全力を尽くす」(全労連・全国一般)。「署名や要請行動などを通じて、D、Cランクの底上げをはかっていく」(秋田)などの発言がありました。
 公契約適正化運動については、「9回目となる自治体キャラバン運動などを通して、多摩市、渋谷区、国分寺市に続き、検討が進められている世田谷区、足立区、八王子市などでの条例制定を目指す」(東京)「被災地だからこそ公契約が必要。最賃大幅引き上げの運動とあわせて取り組んでいく」(岩手)。「自治体アンケートを通じて、自治体の論点にも沿った運動も必要」(静岡)など語られました。
 「全労連女性部の調査から、女性が働き続けることへの困難さが増していることが明らかになった。職場で男女雇用機会均等法、育児介護休業法などの徹底とよりよい協約の締結、労働時間の上限規制、非正規労働者の均等待遇、非正規雇用から正規雇用への転換の運動が求められている」(全労連女性部)。「非正規、若者の貧困問題を労働組合としてどう取り組むかが重要な課題」(愛知)。「正社員中心の従来型の春闘から、非正規労働者を含めた新しい形の産別春闘の構築をめざす」(映演労連)。「郵政グループで働く約20万人にのぼる非正規労働者の切実な要求実現をめざしてたたかう」(郵政産業ユニオン)。「官制ワーキングプアの解消を図るべく3年目となる『誇りと怒りの大運動』を意気高くたたかう」(自治労連)など、多くの組織から、すべての労働者の要求実現に向け奮闘していく決意がのべられました。
 福島の代表は、11月11日(日)に朝日、東京、福島民報、福島民友の4紙に掲載した「原発の即時廃止」を政府に求める意見広告について、大きな反響があり、現在も激励・応援の声が寄せられていることを報告。「原発ゼロの日本実現のために、『オール福島』のたたかいを全国に広げ、奮闘していく」と訴えました。
 「東京、横浜で行われた高校教科書採択介入問題などかつてない異常な事態が起きている。改憲策動に反対したたかっていく」(出版労連)。「TPP参加反対では、農協組織をはじめ医療、市民団体など多様な共同が広がっている。運動を強め、断固参加を阻止する」(全農協労連)。「教育費無償化に向けて奮闘する」(全教)。など国民的課題について多くの発言があり、大多数の組織から「消費税増税阻止」の声が上がりました。
 討論終了後、小田川事務局長がまとめの発言、大谷充代表幹事(出版労連委員長)が閉会あいさつを行い、13春闘勝利に向け全力で奮闘していく意志を固め合いました。
 国民春闘方針は、来春1月16日に開催する国民春闘共闘・第1回単産地方代表者会議で決定する予定となっています。

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