2011国民春闘共闘情報
全労連HP

第21号 2011年4月22日

2011年春闘・第4回賃上げ集計

単純平均5448円 +1.8%


 国民春闘共闘委員会(全労連、純中立労組懇、地方共闘などで構成)は21日、今春闘における第4回目の賃金改定集計をおこないました。回答引出しにやや遅れがみられるものの、追い上げの努力が奏功し妥結率が上昇。単純平均額は、第1回集計時から引き続き前年同期を上回っています。

第4回集計のおもな数値は以下のとおりです。

<回答状況>

2011年
2010年
登録組合数 810 790
回答組合数 253(31.2%) 287(36.3%)
 うち上積み獲得 49(19.4%) 80(27.9%)
 うち前年実績以上 138(54.5%) 146(50.9%)
うち妥結組合 102(40.3%) 110(38.3%)

<回答内容>
集計方法&対象
2011年 2010年 (前年比)
単純平均
額(円)
5,448 
5,401 
+47 
率(%)
 1.80 
1.74 
+0.06 
加重平均
額(円)
5,557 
5,788 
▲231 
率(%)
 1.80 
1.87 
▲0.07 
組合員数(人)
65,448 
77,538 

※額または率のみの報告があるため、双方は必ずしも連動しません。

<集計結果の概要>

 第4回集計には、別表の21単産部会から報告が寄せられました。今回新たに報告があったのは、建交労(建設)、合同繊維、映演労連の3単産です。

 これまでに有額回答を引き出したのは253組合で、前年同期(287組合)よりやや遅れていますが、回答引出し組合の4割が妥結し、妥結状況は前年同期(38%)を上回っています。積極回答引出しで早期妥結をはかる各組合の努力が功を奏し、大震災発生による当初の遅れを徐々に取り返しつつあります。

 賃上げの単純平均額(一組合あたりの平均)は5448円(+1.8%)で、前年同期比47円増。加重平均(組合員一人あたりの平均)は5557円(+1.8%)で、前年同期比231円減。単純平均は一昨年(2009年)の水準(5377円)も上回っていますが、リーマン・ショック前の08春闘との同期比では、なお476円減となっています。

製造業関係が前年比プラスを維持 サービス業は苦戦

 産業別では、製造業、運輸・物流関係が前年比でプラス傾向を示す一方、小売、医療などサービス業関係がややマイナスとなっています。単産別では、前年と比較可能な20単産部会のうち、前年比でプラスが10、マイナス9、同額1となり、とくに建交労(運輸)とJMIUの増が目立っています。

 規模別では、「30人未満」「30〜99人」の小規模組合が当初から前年比でプラスを維持し、「100〜299人」「300〜999人」の中小中堅規模組合はやや減となっています。「1000人以上」は前年比で120円増と、若干のプラスを示しています。

 前年妥結額以上の回答を引き出しているのは138組合で、回答引出し組合の過半数(55%)に達しています。このうち前年実績を上回る回答を得ているのは98組合で、JMIU、日本医労連、出版労連の3単産で過半を占めています。

 初回回答からの上積みを獲得しているのは49組合で、前年同期(80組合)からはややペースが下がっています。回答次数では、医労連の組合の第5次を筆頭に、JMIU、建交労、地方マスコミなどが2〜4次の回答を引き出して奮闘しています。

 これまでに1万円以上の賃上げを獲得しているのは18組合(前年同期は12組合)で、最高額は前回と同じく建交労の組合の1万7300円となっています。

パート等時給引上げ 平均7.6円

 パート・アルバイト等の賃上げは、生協労連、医労連など5単産から報告があり、88組合が引上げを獲得しています。時間額の引上げは、80組合の単純平均で7.6円となっています(前年同期は150組合=16.2円)。

 企業内最賃の改定は、生協労連など3単産から報告がありました。時間額では、47組合の単純平均で818円と、第3回集計時とほぼ変わっていません。

 パート等非正規労働者の回答引出し状況は、全体として前年同期の半分程度で、引上げ額も前年を下回っており、春闘後半戦に向けてとりくみの強化が急がれます。

<参考> 他団体の賃上げ集計結果

●連合の第4回回答集計(平均賃上げ方式・4月18日現在)は以下のとおりです。
集計対象
集計組合
加重平均
単純平均
組合数
人数(万)
金額
昨年
金額
昨年
全組合
1,963
135.8
5,165
1.76
5,102
1.74
4,449
1.69
4,222
1.61
中小共闘
1,196
13.0
4,344
1.69
4,178
1.64
4,198
1.66
3,987
1.60
※中小共闘は、規模300人未満

●日本経団連の第2回回答集計(4月20日現在)は以下のとおりです。
集計対象
集計企業
加重平均
単純平均
社数 人数 金額 昨年 金額 昨年
加盟企業
66
5,814
1.82
5,838
1.81
5,238
1.75
5,237
1.73
※調査対象は、原則として東証一部上場、従業員数500人以上の企業

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