2009国民春闘共闘情報
全労連HP

第 36 号  2009年05月19日

 

せめて時給1000円に!

不況だからこそ、最賃の大幅引き上げを

 5・15最賃・人勧デー  早朝宣伝、厚労省・国会・経済団体要請

 全労連と国民春闘共闘は最賃・人勧デーの15日、早朝の駅頭宣伝、昼の厚生労働省前行動と経済団体や労働者委員への要請、省庁交渉、国会議員請願など終日行動を取り組みました。


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 300人が参加した昼の厚生労働省前行動(写真)では、主催者を代表して全労連の小田川義和事務局長があいさつ。一昨日に衆議院で可決された補正予算について、対症療法的な対策に終始し、ワーキングプア解消の政策目的がないと指摘。税金をばらまくのではなく、最低賃金引き上げを柱に、中小企業の支援や公正取引のルール確立、公務の分野で入札の際の労働条件の承継、均等待遇など所得を支えることが必要だと述べ、このような情勢の中で6月の一時金引き下げの勧告を出した人事院と政府を「K.Y(空気が読めない)だ」と非難しました。
 全労連の伊藤圭一常任幹事が情勢報告と行動提起。非正規切りの広がる中、生活の底が割れるような状況が全国で広がっている。全労連、国民春闘共闘は全国で街頭労働相談を行って当事者の訴えを聞き、最低限の生活すら支えられない賃金で働くとはどういうことかを知った。ダブルワーク・トリプルワークで長時間働き、危険業務にも飛び込んで働かなければ暮らせない。その結果、体を壊し、働けなくなる。働く意思はあるのに生活保護に頼らざるを得なくなる。
 自らの会社さえよければよいという経営者の無責任な感覚に切り込むことが必要だ。こんなひどい状況をだれが生んだのか。まともな雇用のための規制が最低賃金と派遣法改正だ。派遣法の抜本改正で間接雇用を絞ったうえで、最賃引き上げでだれでも暮らせる賃金保障を実現しよう。
 財界は、最賃引き上げで中小企業倒産が相次ぐと言うが、中小企業団体の調査では、昨年の最賃の平均16円引き上げても「経営に影響はない」と答えた企業が7割を占めている。今後、地方では6月17−19日のゾーンで行動を組み、中央では6月30日に703分のハンガーストを行う。ワーキングプアの大きな助けになる最賃引き上げを勝ち取ろう、と行動提起しました。
 この後、全労連・全国一般や生協労連、郵産労、東京地評の仲間が次々マイクを握り、最低賃金大幅引き上げ、最低賃金審議会委員の公正任命、全国一律最賃制確立を訴えました。



始まる前から「ビラください」/早朝駅前宣伝

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 早朝宣伝行動は、新橋、新宿、池袋、霞が関の4個所で取り組まれ、計102人が参加し、最賃ビラ約1500枚を配布しました。
 新橋駅SL前広場での早朝宣伝は8時からスタート(写真)。全労連全国一般の15人をはじめ、福祉保育労、自治労連、東京地評、全労連などから24人が参加し、出勤を急ぐサラリーマンらに約400枚の最賃ビラを配布しました。一番乗りの事務局員がビラや横断幕を準備中に、早くも「ビラをください」という人があり、行動参加者かと思って大量に渡すと、「1枚で結構です」(通行人だった)という一幕もありました。

 全労連カーの上から、東京春闘の伊藤代表委員、全労連全国一般の林書記次長、自治労連の藤田中執、全労連の大西女性部事務局長、国民春闘代表幹事の大黒全労連議長が次々マイクを握り、「最低賃金をご存じですか」などと呼びかけ、東京や地方の現行最賃額を紹介しながら、「月額11万円前後では最低生活すらできません。昨年の法改正で、『生活保護基準との整合性』が謳われ、現行時間額は最低賃金法に違反した水準です」と訴えました。「せめて時給1000円に」という訴えや宣伝カーの看板を見ながら、若い女性がビラを受け取っていく姿が目立ちました。

 全労連の大黒議長は、ヨーロッパやアメリカなどでは時給1200円前後の最低賃金が支払われていることを紹介し、「さすがに政府も私たちの声に耳を傾けざるを得なくなって、『生活保護基準との整合性』を法律に書き込むなど、最低賃金の引き上げが二桁の単位で動き始めました」と紹介。「この経済危機を乗り切るには、外需頼みではダメ。内需拡大しか道はないということを政府も財界も言っている」「経済危機から生活を守るために、最低賃金の引き上げ、雇用守れの声を政府にあげようではありませんか」と呼びかけました。



経済団体要請/最賃の引き上げは理解できるが…

 経済団体への要請はこの日、日本商工会議所と中小企業団体全国中央会で実現しました。日本経団連などは別日程で計画中です。日本商工会議所への要請は、東京地評・柴田常任幹事、全労連・中島賃金部長と全労連全国一般、生協労連、福祉保育労、自治労連の代表が参加しました。

 対応した労働分野の担当者は、要請事項について、「下請取引の適正化は、法律はあるが、実態はきびしい。なんとかしていきたい」、「いま、一番大切なのは雇用の安定だ。景気はどうあれ、守っていきたい」、「最賃の引き上げは理解できるが、地方の商工会議所から『これ以上はムリ』『会社がもたない』という声が寄せられている」などとコメントしました。
 参加者が最近の諸資料を渡しながら、労働組合としても「中小企業の経営環境の改善(仕事おこし、下請取引の改善)」や「中小経営を守る活動(倒産防止、雇用確保など)」「地域経済を守る労働組合の取り組み」などを説明、時給1000円の必要性を訴え、懇談になりました。

 新任のため「公契約については不案内」ということもあり、全労連全国一般の林書記次長が、最近の公契約事情について説明。とくに、自治体発注の民営化事業(清掃など)が増え、競争入札による低価格で、直営時と比べて人員が6割、人件費が3〜4割の水準で落札されていること、賃金(時給)は最賃スレスレや最賃以下で社会保険未加入の実態などを紹介しました。






 
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