2009国民春闘共闘情報
全労連HP

第 31 号  2009年04月30日

 

公務の一時金は「凍結」後に減額

人事院、「特別調査」ふまえ10万円以上の引き下げか

 民間企業の夏季一時金「特別調査」が24日に終了したことから、公務労組連絡会は28日、調査結果の概要と今後の取り扱いについて人事院に説明を求めました。調査結果は現在も整理・集計が続いているものの、昨年と比較して10%を超える減額が見られ、公務員の一時金支給にも何らかの影響を及ぼさざるをえないとして、「必要に応じて勧告する」と述べました。人事院が引き下げ勧告を言明した同日、公務労組連絡会と全労連民間部会は共同して、人事院前要求行動にとりくみました。緊急の呼びかけに応えて、公務・民間の500名が参加しました。


「特例措置」で夏の期末・勤勉手当から一定額を「凍結」

 人事院調査結果の説明には、公務労組連絡会から黒田事務局長、蟹澤・鈴木の両事務局次長、国公労連から橋本中執、特殊法人労連から堤副議長が参加、人事院は、職員福祉局の上山参事官が対応。上山参事官は、まず調査結果の概要について、下記の通り明らかにしました。
● 2,700社を対象にした調査は、75.5%(約2000社)の回答率となった。そのうち、すでに一時金が妥結している企業は340社(全体の15%程度)となっており、厚労省の調査(10%程度)を上回った。
● 全数を調査した規模3000名以上の企業を含めて、想定していたデータも得られ、当初の目的も達成できたと考える。
● 現在、集計作業をすすめているが、昨年より10%を超える減額になりつつある。6月の一時金支給額にも何らかの影響を与えざるをえない結果であり、最終的な集約結果をふまえて、必要に応じて勧告することとなる。
● 減額の方法としては、年間の一時金の支給水準4.15カ月(夏2.15、冬2.0)は変更せず、別枠での「特例措置」で対応し、暫定的に6月期末・勤勉手当の一定額を凍結する手法を考えている。あくまでも「特例措置」であり、年間の支給月数は正式には今夏の勧告で手立てする。
 (国民春闘・注:平均10%を超える減額は現状では考えられない。連合の第1回集計(3/28)では▲12%だったが、第3回集計(4/20)では▲7%に圧縮した。これは減額幅が大きい製造業大手の比率が順次薄まっていくことによる。4/27発表の労務行政研究所の既決分調査も▲14.4%と発表されたが、140社中74%に当たる103社が製造業大手だった。)

 これに対して黒田事務局長は、「人事院が本日、引き下げ勧告を明言したことは、きわめて重大だ」としたうえで、5月1日勧告が伝えられるもとで、「仮に『凍結』するとしても、不利益変更にあたっては労働組合との十分な話し合いが必要だ。本日時点では結果がまとまっておらず、どれだけ『凍結』するのかの提示もまったくない。それをふまえれば、連休中の勧告はありえない」と指摘しました。
 さらに、「たった10日間のわずか2000社程度の調査結果で、金額にして10万円もの一時金を減額する合理的な理由があるのか」と厳しく追及すると、上山参事官は、「調査内容にかかわる指摘は受けとめたい」とのべ、通常の民間給与実態調査にくらべて、今回の「特別調査」の不十分さを認めざるをえませんでした。しかし、取り扱いについては、「調査結果を早急に取りまとめ、精査したうえで人事院として判断する」として、あくまでも引き下げ勧告をおこなうとの態度を変えませんでした。
 黒田事務局長は、「どのような手法をとろうとも、一時金を減額する勧告には断じて反対する」と改めて表明しました。


「メーデー(5月1日)勧告」狙う人事院に怒り爆発

公務・民間500名が人事院前で昼休み行動

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 まぶしい日差しが振りそそぐ28日の昼休み、公務労組連絡会・全労連民間部会の共同で人事院前要求行動が取り組まれました。
 主催者を代表して山口公務労組連絡会議長は、「人事院は夏季一時金の削減をねらって特別調査を終えたが、労働者の祭典であるメーデー(5月1日)に特別勧告を出すなど絶対許せない。公務労働者だけでなく民間労働者にも大きく影響を与える夏季一時金削減は中止するよう強く求める」と、怒りを込めて強調しました。
 全労連民間部会を代表して生協労連・桑田委員長は、「民間中小の一時金のたたかいはこれからのところもあるのに、公務員の一時金削減など人事院は余計なことをすべきでない。消費が冷え込んで景気がいっそう悪くなる。民間部会は断固たたかう」と力強く決意をのべました。
 情勢報告で黒田事務局長は、「政治的には、5月1日勧告、8日早朝に給与関係閣僚会議、直後の閣議での勧告実施が伝えられている。ルール違反の勧告は断じて許さない」と強調し人事院・政府に対してすべての職場・地域から要求打電行動などを集中し、道理のない賃下げ攻撃を跳ね返すために全力でたたかおうと呼びかけました。

 単産代表4人が決意表明。全法務・浅野書記長は、「人事院の説明は納得がいかないし、政府与党に迎合しているとしかみえない。根拠と法制度についても納得がいかない。いい加減な調査結果で科学的人事行政を誇る人事院はどこへ行ったのか。勧告するな」と発言しました。
 自治労連の渡邊中執は、「地方人事委員会や自治体当局に対して総務省は『情勢適応の原則』のもと一時金削減の圧力を強めている。臨時・非常勤職員などへも削減が連動することも考えられ、官製ワーキングプアをなくすとりくみへの攻撃でもある」。全教の北村書記長は、「人事院は政治圧力に屈するな。日本経済を疲弊させ、さらに貧困と格差は学ぶ権利を子どもたちから奪うことになる。すべての教職員は団結して勧告阻止に全力をあげる」と決意を述べました。
 民営化され今春ストライキでたたかった郵産労の山崎委員長は、「郵政はまだ賃金決定していないが、中労委で調停申請しているところだ。日本郵政は再雇用制度に手をつけてきた。郵政の民営化に対して雇用確保と労働者の賃金引き上げをはかることが大事だ」と述べました。
 決意表明を受けて、全国の仲間の怒りの声をシュプレヒコールで人事院にぶつけました。
 閉会あいさつで公務労組連絡会副議長の宮垣・国公労連委員長は、「いま人事院がやるべきことは政治圧力に屈しないことだ。麻生内閣は、解散・総選挙で国民に審判を仰げ。今こそ大企業の横暴を許さず、国民のくらしを安定させ内需拡大でたたかおう」と呼びかけました。


   

人事院・政府に「一時金削減反対」の

声を集中しよう!

 (1)人事院あての「緊急要求打電」の送付

   送付先 〒100-8913 東京都千代田区霞が関1−2−3

              人事院総裁 谷 公士(まさひと) 殿

   電文例 ルール無視の一時金引き下げ勧告をするな。

  

 (2)政府あての「要求決議」「要求打電」の送付(勧告が強行された場合)

   送付先 〒100-8926 東京都千代田区霞が関2−1−2

             総務大臣 鳩山 邦夫 殿

   電文例 引き下げ勧告の閣議決定をするな。給与法案を提出するな。

  

 (3)政府(麻生総理大臣、鳩山総務大臣)に対する直筆FAX送付

    職場の怒りを集めた直筆による寄せ書きFAXを集中。FAXは各単産

   または公務労組連絡会あてに送付することとし、集約したFAXは、総務省

   ● 主 催   国民大運動実行委員会(国民春闘共闘は協賛)

   送付先  公務労組連絡会FAX 03−5842−5640

   



   

 「働くルールの確立を求める請願署名」集約数   151,135筆

  4月30日現在(労働法制中央連絡会・到着分)

 




 
 貧困・生活危機突破の大運動で、変えるぞ大企業中心社会




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