2009国民春闘共闘情報
全労連HP

第 12 号  2009年02月04日

 

キヤノンは派遣切りを撤回せよ!

 本社工場&販売本社に向け大宣伝、ビラ5000枚配布

 「キヤノンの内部留保3兆9500億円。労働者・下請けに還元しろ!」「派遣切り計画を撤回せよ。株主配当の4円で雇用できる」−国民春闘共闘と東京春闘共闘は2月4日早朝、キヤノン本社3ヵ所の出入り口とマーケティングJ本社のある品川駅港南口前に横断幕、要求旗をかかげ「2・4キヤノン本社&販売本社行動」を展開。全労連や中央・東京の単産、地元大田区・港区の労組、神奈川春闘などから136人が参加して、「大企業労働者向けチラシ」が入ったティッシュペーパーを配りながら宣伝行動を実施しました。   (写真上=キヤノン本社前、写真下=品川駅港南口前)




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 曇天の4日早朝、キヤノン東京本社隣の下丸子公園に98人が結集、出勤する労働者が通る三つの出入り口に合わせ3班に分かれて大宣伝を行い、計2000枚のチラシ入りティッシュを配布しました。
 A班は民間単産、国公労連と地元・大田労連、区労協のなかま32名が横断幕を門の両側に大きく広げ、下丸子駅から歩いて通勤する労働者にハンドマイクで訴えました。
 全労連の根本副議長は、キヤノンが設立された目標に「世界の繁栄」「共生の実現」が謳われていることや、創設者が「観音(キヤノン)」=人に対して慈悲深い会社をめざしてきたことを紹介。「大分キヤノンで解雇された労働者が市役所に相談に訪れたときに、わずか30円の所持金しかなかった」として、企業理念に反する派遣切りを批判しました。また、「働くみなさんが、契約、派遣、請負労働者などの雇用を求め、会社のなかで声を挙げていただきたい」と訴えました。
 JMIUの生熊委員長は、派遣・請負などの大量解雇を発表したキヤノンで「企業経営が切迫しているのか?」と問い、貯め込んだ利益が3兆9500億円もあることを紹介し「使うのは今しかない」と訴えました。また、株主重視の経営姿勢を批判したうえで、「働く人のふところを暖め、雇用を守ることが最大の景気対策。日本経済を立て直していただきたい」と述べました。
 住宅街の通勤路でティッシュを受け取った労働者は、全労連の今井常任幹事、東京春闘共闘の高畠事務局長、大田区労協の武田議長らの訴えに耳を傾け、横断幕を横目で見ながら急ぎ足で職場に向かっていきました。

 B地点の門を担当した班には、国公労連と地元・大田労連、区労協から33名が参加して宣伝活動を行いました。国民春闘共闘の黒田幹事の司会で、国民春闘共闘の伊藤代表幹事をはじめ、国公労連の宮垣委員長、全労連の柴田副議長、大田労連の中山議長、全労連の井上事務局次長が次々とマイクを握り、御手洗キヤノン・大手企業が期間工・派遣労働者をつかって内部留保を増やし続けていたのに、世界同時不況を理由に冷酷にも切り捨て、寮から追い出す非人間的な姿勢を糾弾し、株主配当のたった4円で期間工・派遣労働者を雇い続けられると訴えました。
 昨年、キヤノンは門前で宣伝行動を行われることや、ビラを受け取らないよう社内放送で流していたが、今年はさらに徹底されているのか?昨年より受け取りが悪くなりました。B班には、「朝日」「赤旗」「ビデオ社」などが取材しました。

 多摩川ガス橋に近い出入り口のC班には自治労連、全教と神奈川労連などの33名が参加。弁士のトップバッターは全労連・小田川事務局長。生身の人間を機械の部品のように扱う風潮があるが、その先手をつけた意味で、トヨタに次いで大分工場で1200名の首切りをしたキヤノンの責任は大きいとし「財界のトップに役員を送り出しているトップカンパニーとしての責任を果たせ。日本第7位の内部留保4兆円を取り崩し、下請けの経営保障や雇用の確保をおこなえ」と訴えました。
 自治労連・野村書記長、全労連・小松副議長、東京労連・菅原事務局長、神奈川労連・水谷議長が続いてマイクを握り、派遣村で広がった「非正規労働者の相次ぐ首切りは許さない」の世論を無視し続ける大企業を批判しました。また首切りにあった非正規労働者が立ち上がり、続々と労働組合に加入し、解雇撤回などを勝ちとっていることに触れ、「09春闘は賃上げと雇用の安定をめざして奮闘します」と決意表明しました。通勤途中で道を急ぐキヤノン従業員に「ビラを受け取ってぜひ企業通信簿にチェックをしてください」「労働者の権利を守るのは全労連です。ぜひ地域の労働組合に加入してともに立ち上がりましょう」と訴えました。


品川駅前で、「大企業は雇用も賃上げも」

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 キヤノンマーケティングジャパンなど大企業本社が集中する品川駅港南口の宣伝行動には、12団体38人が参加、3000個用意したビラ入りティッシュは30分でなくなりました。
 国民春闘共闘の大黒代表幹事(全労連議長)は、「3月中旬の回答指定日に向け、09春闘に突入している」と説明、「100年に一度の経済危機と言われているが、昨秋以降トヨタがトップをきって派遣や期間工の解雇を行い、それに大企業が次々と続いている。寮を追い出された労働者がたくさんのホームレスとなり、年越し派遣村に象徴されるような状況が全国で起きている。これらは政治災害であり、政府が責任を持つべきだ」と訴えました。また、「厚生労働省は3月末までに非正規労働者の解雇が12万4800人にのぼると発表した。街頭に放りだされる労働者をつくりだすことを許してはならない。キヤノンの株主配当は年間110円。それを4円切り下げれば非正規切り1700人の雇用を維持できる。大企業は社会的責任を果たすことが大事だ」と強調しました。「賃金引上げ・最低賃金引き上げなどで購買力を上げれば内需が拡大する。安心して働き住める日本をめざし、みなさんと一緒に声をあげ、09春闘をたたかっていこう」と呼びかけました。
 全労連・全国一般の大木委員長、品川春闘共闘の池野議長、全労連の井筒常任幹事、野村常任幹事が訴えました。この行動を、テレビ朝日などが取材しました。




 
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