2008国民春闘共闘情報
全労連HP

第 35 号  2008年06月02日

 

最賃1000円以上、憲法9条を守れ

なくせ貧困!ストップ改憲!5・30総行動

 後期高齢者医療制度の廃止求める

 「ワ―キングプアをなくせ」「憲法9条を守れ」。国民春闘共闘と全労連、東京春闘共闘、東京地評、公務労組連絡会の5団体は5月30日、憲法改悪阻止や生活防衛の課題を掲げて終日、都内で総行動を展開しました。最賃・人勧底上げや、派遣法抜本改正など「働くルール」確立を訴え、渋谷、池袋、新橋などで早朝から駅頭宣伝を行ったほか、最賃問題では厚生労働省と交渉しました。



日比谷の総決起集会に全国から2000人

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 午後2時から、日比谷屋外音楽堂で「なくせ貧困!ストップ改憲!総決起集会」を開催し、官民各単産、全国から2000人が参加しました。憲法を守り活かす世論を広げようと全労連が取り組んできた「憲法キャラバン」の終結集会に連動したものです。壇上には、憲法改悪反対や「働くルール」確立を求める約77万人分の署名が積み上げられました。
 主催者あいさつした坂内三夫代表幹事(全労連議長)は、最賃引き上げや「名ばかり管理職」などへの残業代支払い、派遣労働者の正規化への動きなどをあげて、「私たちのたたかいは前進している」と指摘。後期高齢者医療制度廃止法案成立と労働者派遣法改正を実現させ、憲法9条を守る運動をすすめようと呼びかけました。
 「9条の会」事務局長の小森陽一東大教授が連帯あいさつ。新聞の世論調査で改憲に反対する人が増えていることや、9条世界会議が成功したことなどにふれ、「この間の運動でつくってきた世論転換のあかしだ」と強調しました。
 リレートークで憲法キャラバン活動を報告した島根県労連の多賀三雄議長は、首長からの賛同が相次いだことを紹介し、「県民過半数をめざす署名運動に力を入れる」とのべました。道労連青年協の坂本雅美議長は、「北海道では憲法を守る署名が100万人を超えた。一人ひとりの力を集めれば大きな力になる」と訴えました。年金者組合の篠塚多助委員長は後期高齢者医療制度について、「高齢者が生きることに最後通告をつきつけるもの。廃止するまでたたかい抜く決意だ」と語りました。
 集会後、参加者は「最低賃金を1000円以上に引き上げろ」「公務員賃金を改善せよ」「後期高齢者医療制度は撤回しろ」などとシュプレヒコールをあげながら国会にむけてデモ行進しました。



早朝の渋谷、池袋、新橋、九段下で駅頭宣伝

 この日の早朝は霧雨模様。国民春闘共闘に参加する各単産と全労連の役職員は、渋谷、池袋、新橋で、東京春闘共闘は九段下で、駅頭宣伝を取りくみ、「なくせ貧困!最賃・人勧底上げ、『働くルール』確立、諸要求の前進」を訴えました。この行動には、池袋駅東口に41人、新橋駅SL口に31人、渋谷駅ハチ公前に53人、九段下に東京春闘共闘の35人が参加し、計4箇所でティッシュと最賃ビラ約2500枚を配布しました。

[渋谷駅] 渋谷駅ハチ公前には、全教、全労連、春闘共闘をはじめ、全農協労連、建設関連労連、通信労組、生協労連、公務労組連、民放労連、全国私教連、全印総連と渋谷区労連から53人が参加。宣伝カーの上から5名の弁士が次々マイクを握りました。
 全印総連・日下書記) 北海道の多くの若者が本州に出稼ぎに行かなければならない現状や、派遣労働者など病気やけがをしたら即座に無収入、生活が成り立たなくなるなど不安を抱えていることを紹介し、働いている人なら誰でも法律で保障されている最低賃金の引き上げと、全国一律最低賃金制度の確立を訴えました。
 生協労連・桑田委員長)7月1日、改正最低賃金法が施行されるが、生活保護基準より低いと大問題になっている。整合性を求め、フツーに働いたらフツーに生活できる、どんな仕事、どこで働こうと最低時間給は1000円以上にと訴えました。
 全農協労連・宮浜書記長)大企業は史上空前の儲け。一方で、コンビニでおにぎり1個買うのをためらうような人もいる。今、農家の手取りは時間給256円。食料、くらし、いのちが深刻な危機に陥っている。国内で作れるものは国内で。生活できる、農業続けられる最低保障が必要。労働者1000円は、農家の切実な願いでもある。
 全労連・井筒常任幹事)経済大国日本で、働いても働いても暮らしていけないワーキングプアが広がっていることに、「信じられない」「なぜ?」とオーストリアやドイツのメディアが取材に来ている。最賃1000円以上に、そして「派遣法の抜本改正」をめざしともにたたかいましょう。
 全教・米浦委員長)憲法にはいいことがいっぱい。高校、大学卒業しても半数以上は非正規雇用。働くルールの確立、ワーキングプアをなくし誰もがまともな生活ができるよう、9条はもちろんのこと憲法を守り生かしていこう。

[池袋駅] 朝8時、霧雨の池袋駅東口前宣伝行動には、自治労連の役職員をはじめJMIU、建交労、自交総連、日本医労連、全労連などから41人が参加しました。
 宣伝カーの上から自交総連の菊池書記次長、全労連の柴田副議長、伊藤幹事、JMIUの三木書記長、自治労連の大黒委員長が次々マイクを握りました。
 柴田全労連副議長は、9年連続で労働者の年収が下がっており、ワーキングプアが増えていること、日雇い派遣など日払いや週払いで勤めている労働者など月収10〜15万円で、今日の仕事があるかどうかも前夜にならないと分らない状態で働いているという実態を指摘しました。最低賃金を引き上げる運動に取り組む中で、最低賃金法を改正させ、「生活保護に係る施策に配慮するものとする」という規定を盛り込ませ、最低賃金は生活保護を下まってならないとした。今の最低賃金では月収9〜11万円にしかならない。最低賃金時給1000円以上、中小企業振興策といっしょに実現し、生活できる賃金がどうしても必要だと述べて、自衛隊の派兵恒久法づくりが狙われていることに触れ、憲法9条、25条を守り生かす声を広げようと訴えました。
 自治労連の大黒委員長は、ストップ改憲、憲法守ろうと全国キャラバンで自治体関係のみなさんと懇談してきたことを報告。後期高齢者医療制度廃止法案が国会にかかっており、中止・撤回を求めました。社会保障では、消費税引き上げを意図的に狙っているとして、消費税引き上げ後の総額188兆円、法人税減税の総額159兆円に見られるように、消費税引き上げへの政府・財界の狙いを明らかにしました。安心して暮らせるように社会保障の充実を訴えました。
 各弁士が、増え続けるパート・派遣など非正規労働者の実態、ワーキングプアの背景にある低賃金、先進国では1000円以上に最低賃金額を引き上げていることなどに触れながら、「労働組合に加入しよう」、「時間給を1000円以上に引き上げるために、ご協力を」と呼びかけました。

[新橋駅] 新橋駅SL前で早朝宣伝が行われ、国公労連、全労連の役職員をはじめ全労連全国一般、金融労連などから31人が参加しました。
 全労連の宮垣事務局次長は「昨年、最低賃金が14円引き上げたが、それでも全国平均で687円。平均賃金の36.5%と国際的にも低い水準だ。改正された最低賃金法のもと、時給額1000円以上の引き上げを目指す」と述べました。
 金融労連・村上中央執行委員は「金融業界でも3人に1人が非正規労働者だ。働くルールの破壊で若者が人間らしく生活できない状況にある」と述べ、国公労連の浅尾書記次長は「自治体キャラバンの調査によって、非正規職員の比率が5割を超える自治体があることが明らかになった。違法・脱法的な労働形態も広がっている」と現状を訴えました。全労連全国一般東京地本の寺下副委員長は「米兵の多くは経済的な問題を抱えた若者だ。アメリカの後追いをしている日本も同様の問題を抱えている。あらためて貧困と格差を是正する必要がある」と述べました。



 厚労省・人事院前に1000人

「最賃・人勧」一体のたたかいが本格スタート

 午前中降っていた雨はあがったものの、5月末とは思えない肌寒さに加え冷たい風が吹くなか、昼休みの厚生労働省・人事院前の要求行動が始まりました。
 厚労省、人事院の前に2台の宣伝カーを停め、全労連の井筒常任幹事の司会で始まった行動では、全労連の小田川事務局長が主催者あいさつし、「労働者派遣法改正や後期高齢者医療制度廃止法案の提出など法改正の流れがひろがっている。改正最低賃金法が7月から施行されるなか、最低賃金の大幅引き上げへ官民一体で奮闘しよう」と呼びかけました。
 全労連全国一般東京地本、京都総評、パート臨時連絡会の代表が決意表明した後、マイクが人事院前に渡され、公務労組連絡会の木原幹事が進行を受け持ちました。
 人事院前では、国公労連全建労の篠原関東地本書記長が、「地方整備局など国の地方機関の見直しがねらわれるなか、地方議会の請願・陳情にとりくんできた。公務サービスを拡充し、ワーキングプアをなくすためがんばる」とのべ、自治労連秋田県本部羽後町職労の土田書記次長は、「地域最賃が618円で全国最低の秋田で、6時間18分のロングラン宣伝をやりとげた。自殺率が全国1位という秋田の実態に、心を痛めている。憲法を暮らしにいかすためさらに奮闘したい」と決意表明しました。
 最後に、公務労組連絡会の大黒議長が閉会あいさつし、「この1か月間、各地で憲法キャラバンがとりくまれてきたが、各自治体では共通して政府の三位一体改革への怒りの声があがった。こうした状況にも確信を持って、最賃引き上げ、公務員賃金改善へねばり強くがんばろう」と参加者に訴え、厚労省・人事院へのシュプレヒコールで行動を閉じました。



  




 
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