2008国民春闘共闘情報
全労連HP

第30号・回答第5号  2008年4月30日

 

加重平均6,763円、2.05%に

「4月末決着」で回答引出し、上積み中

 4月中旬〜下旬の回答の特徴について 

2008年4月30日 国民春闘回答集計センター

産業別・単産別総括表  個別回答一覧  パート等の賃上げ状況 

 1.春闘回答集計センターは4月25日、国民春闘共闘委員会(全労連、純中立労組懇など)各単産と地方共闘より「4・23全国統一行動」など4月中旬〜下旬の回答を中心とする第5回目の報告を受けた。この間に回答報告があったのは29単産部会中の26単産と8地方である。

 2.回答+妥結状況は各々集計表のとおりで、その特徴はつぎのような諸点である。

 
(1)登録組合数811組合   
(2)回答組合数328組合引出し率40.4% 
 うち2次回答以上118組合上積み率36.0% 
 うち前年実績以上176組合回答数の53.7% 
 妥結組合数167組合妥結率20.6% 
(3)単純平均328組合5,896円同率1.94%
 前年同期327組合5,814円同率1.97%
 前年同期比 +  82円 − 0.03P
 加重平均8.4万人6,770円同率2.05%
 前年同期8.8万人6,779円同率2.04%
 前年同期比 −    9円 +0.01P


過半数以上(176組合)が前年実績超える

 4) 4月中旬〜下旬の傾向について
 4月18日の前回集計時以降、23日には各単産・地方共闘が「4・23第2次全国統一行動」を取りくみ、月末の今週もメーデーを前に「4月末決着を迫る統一行動」をたたかっている。こうした行動を節目に、回答引出し、上積みを求める産業別いっせい交渉や、先行する単産では未解決組合支援行動などを展開してきた。これらのたたかいを背景に、金融労連と映演労連が初回答を引き出し、建設関連労連、全証労協でも回答が出始めた。また、建交労・運輸、全労連全国一般、民放労連、日本医労連などが新規回答と上積み回答をあわせて引き出している。総じて中小労組の新規回答には「ベアゼロ(定昇のみ)」や「前年実績プラス若干のアルファ」が多く、一部には超低額が見られる。一方、この間のたたかいによって、先行組合、主力組合など118組合が第2次〜第6次の上積みをかちとり、176組合が前年実績以上(同額30組合含む)とし、これらを中心に167組合が妥結した。

 5)4月末決着による回答・妥結状況はまだ反映されていないものの、単純平均が5896円、1.94%、一人当たりの加重平均は6770円、2.05%となり、単純平均で82円増ながら、加重平均では逆に9円の減となった。これは300〜999人の中堅規模での伸び悩みが原因である。こうしたなかで、比較可能な22単産部会中、賃上げ額がプラスになっているのはJMIU、化学一般労連・紙パ、合同繊維、建交労・製造、全国一般・製造などの製造業と、建交労・運輸、検数労連、全労連全国一般、金融労連、出版労連、映演労連などの11単産である。一方、マイナスになっている単産は各産業に点在しており、好不調が混在している。

 6)これまでの最高額は出版労連の組合が1万4692円でトップ。回答次数は化学一般労連・紙パの組合が第6次、JMIUの4支部と日本医労連の1組合が第5次の上積み回答を引き出している。「1万円以上」の回答はJMIUとマスコミ関係を中心に計25組合になった。



 3.時給27円アップ。パート等の賃上げ、企業内最賃の回答・協定状況について
 同日集計のパート等の賃上げは、13単産の294組合がかちとった。うち時間額アップは191組合になり、全体平均は27.3円で前年同期(142組合平均21.8円)に比べて5.5円の引き上げになっている。個別には相変わらず10円、15円、20円の報告が多いものの、今回は建交労の組合が50円、全労連全国一般の組合が100円などの報告が寄せられ、全体平均を引き上げた。なお、日額引上げは55組合の平均で133.8円、月額引き上げは44組合の平均で1732円となっている。
 企業内最賃の回答・協定は11単産の152組合で、前年同期(149組合)に比べて若干増加した。月額回答91組合の水準は、建交労・18歳最賃が21組合平均で17万4143円、JMIUが11組合平均で14万2171円、化学一般労連が5組合平均で14万4620円、全労連全国一般が2組合平均で15万7100円、全印総連が7組合平均で15万9857円、日本医労連・誰でも最賃が25組合平均で15万8916円、同看護師最賃が20組合平均で20万0712円である。91組合の全体平均は16万8839円となり、506円の引き上げになった。なお、時間額の回答・協定は117組合で平均956円に、日額の回答・協定は39組合で平均7341円になっている。

 4.他団体の賃上げ集計結果について
1) 4月22日現在、連合の第5回回答+妥結集計は以下のとおり。

  妥結組合数 加重平均 単純平均
集計方式 組合数 人数(万) 金 額 率(%) 昨 年 率(%) 金 額 率(%) 昨 年 率(%)
平均賃上げ 3269 222.3 5,687 1.93 5,571 1.90 4,579 1.79 4,538 1.79
35歳P 91 6.6         5,996 2.20 5,248 1.97
30歳P 62 2.8         6,739 2.78 5,959 2.52

2) 4月23日現在、日本経団連調べの第2回回答+妥結集計は以下のとおり。

  回答+妥結 加重平均 単純平均
集計方式 社 数 人 数(万) 金 額 率(%) 昨 年 率(%) 金 額 率(%) 昨 年 率(%)
大手企業 79 - 6,165 1.89 6,050 1.84 5,516 1.79 5,276 1.71
中小企業 149 - 4,412 1.68 4,314 1.66 4,082 1.59 4,220 1.64



粘り強く5月闘争へ。パート賃上げ・最賃要求の前進を

 5.現段階の進ちょく状況は本登録組合をみても、回答引き出しが40%、妥結が16%の水準である。いままさに「4月末決着」をめざして奮闘中だが、5月にずれ込む組合が相当数予想される。第79回メーデーを成功させ、5月に本格化する建設、金融や私学などの春闘をたたかいぬくためにも、全体で「5月闘争」を展開する必要がある。その際、パート賃上げ、企業内最賃の回答引出し、協定化をひきつづき追求することが重要である。

 また、国会では、自民・公明両党が燃料税の暫定税率を復活させる税制関連法案を30日にも衆議院で再可決し、成立させる。野党が対決姿勢を強めて望むことが必至となり、悪評高い後期高齢者医療制度の撤廃問題を含め連休明けの政局は流動化が予測される。

 こうしたことから、GW中に開催される5月3日の「憲法集会」(日比谷公会堂)、4日〜5日の「9条世界会議」(幕張メッセ)、6日スタートの「平和行進」(夢の島公園〜)などを成功させることを含め、5月闘争の強化を呼びかけるものである。

(以 上)


 


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