2008国民春闘共闘情報
全労連HP

第 28 号  2008年04月24日

 

なくせ貧困!最賃底上げ・派遣法改正を!

4・23中央行動・最賃デーにのべ1300人

 各地で第2次全国統一行動を展開(1)

 国民春闘共闘委員会は4月23日、決着をめざす第2次集中回答日を向かえ、各単産・単組が前日からの団体交渉を強め一部がストライキや職場集会でたたかうとともに、各地方では「時間額1000円以上」「後期高齢者医療制度の中止・撤回」などを求める諸行動を展開した。(地方の取り組みは次号)

 この日、官民18単産が4・23統一行動を取りくみ、自交総連福岡の西鉄タクシー労組、全印総連東京の三晃印刷労組(習志野市)、医労連の健保病院労組鳴門支部などではストライキが決行され、全農協労連、全労連全国一般、福祉保育労、全教などの単組で職場集会が取り組まれた。また、同日は「第1次最賃デー」と位置付け、中央段階では全労連、非正規センター、東京春闘共闘、公務労組連絡会とも共同した終日行動を取りくんだ。



時給1000円以上、労働者保護の派遣法を

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 10時からはじまった厚生労働省要請行動には、中央単産、東京の各単産や単組の組合員ら500人が参加。「貧困撲滅」のために、時給1000円以上の最低賃金引き上げと労働者派遣法の抜本改正をアピールした。
 東京春闘共闘の堤敬代表委員が主催者あいさつし、08春闘について「連合の主要民間単産は昨年並みの回答で収拾した。われわれは春闘の流れ解散を許さず、4月末決着に向けてたたかおう」と呼びかけた。とりわけ、今年は貧困撲滅の課題で最賃闘争が重要だと指摘。「改正法に盛り込まれた生活保護との整合性確保を骨抜きにさせず、従来にない引上げを勝ち取るために奮闘しよう」と訴えた。
 全労連の宮垣忠事務局次長が情勢報告。「昨年、地域別最賃が平均14円引き上げられたが、水準は時給687円。これではワーキングプアから抜け出せない。全国一律1000円以上とすることが緊急に求められる」と強調した。労働者派遣法については「登録型派遣が問題視され、いまや不法・無法の巣窟となっている。抜本改正が必要」と述べた。
 参加団体からは「政府・財界も内需拡大の必要性を言うなかでの春闘。しかし大企業労使は社会的役割を放棄した。中小の春闘はやっと中盤であり、ベア獲得へ交渉を継続する。最賃は国民生活を保障できる制度とすべき」(全国一般東京)、「職場の派遣・請負労働者を組合に迎え、今春に正社員化を実現させた。派遣では健康保険証もなく労働者保護の法律が必要だ」(JMIU東京・鈴木シャッター支部)などの決意表明が続いた。



タクシー減車しろ、国鉄争議解決の場つくれ

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 国土交通省前では、「減車」と書いた紙を掲げる自交総連の組合員100人が座り込み、「規制緩和の責任をとれ」と訴えるところへ、厚生労働省前要請の参加者が合流して、怒りの要請行動が繰り広げられた。
 主催者あいさつした国民春闘共闘の小田川義和事務局長は、暫定税率を復活させる政府の動きを批判し、「道路特定財源を一般財源化して社会保障にまわせ」と訴えた。
 交通運輸・建設関係労組の代表がつぎつぎ発言に立ち、国土交通省の行政責任を追求した。
 自交総連東京の代表は、賃金・労働条件改善のためにと運賃が値上げされたが、規制緩和による過当競争で営収が伸びず、交通事故が相次いでいると指摘。「安心・安全の輸送が脅かされているており、多すぎるタクシーを減らせ」と訴えた。全動労争議団の代表は、国鉄の分割・民営化による1047人の解雇撤回を求め、「判決では国鉄の不当労働行為は争いようのない事実。国交省は解決交渉の場をつくれ」と要請した。建設現場のアスベストで肺がんになった東京土建の組合員は、5月に提訴すると表明。「国が早く禁止していれば、被害を拡大させずにすんだ」と行政責任を訴えた。



最賃も派遣法も、環境改善活かす運動強化を

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 午後1時15分、国会裏の星陵会館で「なくせ貧困!4・23第1次最賃総行動 決起集会」を開催。中央行動参加者ら300人が結集し、集会後、「働くルール署名の紹介議員に」と400名を超える衆議員議員に届ける議員要請行動を実施した。
 国民春闘共闘の老田弘道代表幹事が主催者あいさつ。法改正によって生活保護との整合性が明記されるなど「最低賃金の改善をめざす環境が整ってきている」と指摘。あわせて、「派遣労働の法改正も是非とも必要だ」と強調し、法改正や国会論議などを労働者・国民に訴えながら08国民春闘でのひきつづく奮闘を呼びかけた。

 日本共産党の笠井亮衆議院議員が国会情勢報告し、「みなさんの最賃引上げ、派遣法の抜本改正、アスベスト問題の解決をせまる行動はタイムリーで重要な課題だ」と、行動参加者の労をねぎらった。国会情勢では、30日に強行される道路特定財源の再議決、後期高齢者医療制度での自民党議員の反乱、派遣法改正をめぐる4野党の共同、時給1000円以上をめざすことの必要性を福田首相に訴えた志位和夫党委員長・衆議院議員の質問内容などを紹介しながら、ともにたたかう決意を表明した。

 全労連の井筒百子政策局長が情勢報告。法改正で「生活保護との整合性」が謳われたが、厚生労働省が「勤労必要経費」を認めようとしないなどの不十分さを指摘、「セーフティネットの役割を果たすには大幅な引き上げが必要で、時給1000円以上、全国一律を再浮上させる」必要性を訴えた。派遣法改正については、日本共産党案、民主党案や厚労省内のあり方研究会の動向などを紹介しながら、「行動すれば手ごたえがある。労働者の運動が政府と財界を包囲している」とのべ、財界の巻き返しをはねのけ、抜本改正を実現させようと訴えた。

 決意表明には、医労連、福祉保育労、出版労連、生協労連、年金者組合の東京組織(地連・地本)代表が次々マイクを握り、職場の実態、運動の到達点を紹介して、ともにたたかう決意を表明した。
 東京医労連の代表は、介護労働者の実態調査で半数が辞めたいと思ったことがあると紹介し、最賃の大幅な引き上げを訴えた。福祉保育労の代表は、人材確保の面から経営者や利用者とも共同を広げているとのべた。出版労連の代表は、派遣労働者の雇い止めとたたかう一橋出版・マイスタッフ争議を紹介し、派遣労働者を保護する法改正の必要性を訴えた。生協労連の代表は、全国で28名プラス中央1名が最低賃金審議委員に立候補し次々不公正任命で選任されない状況や、東京労働局の対応などを紹介しながら、大幅引き上げをめざすたたかいへの決意を表明した。
 なお、議員要請の結果、24日12時までに民主党2名、日本共産党1名の衆議院議員から「紹介議員受諾」の返信があり、これまでの累計は39名になった。



労組の垣根超え後期高齢者医療制度の撤廃を

国会前行動で、笹森前連合会長が連帯あいさつ

 国会では、焦点の燃料など暫定税率撤廃と道路特定財源のあり方、国民的な怒りが広がっている後期高齢者医療制度などをめぐる審議が山場を迎え、11時30分から年金者組合が国会前座り込み行動、12時15分から中央社保協・国民大運動実行委・安保破棄などの定例国会行動が行われ500人が結集した。同時刻に労働者福祉協議会、連合関係単産の退職者の会の呼び掛けによる座り込みが並行して取り組まれ、代表して笹森清前連合会長(中央労福協会長)が中央社保協などの集会で連帯あいさつした。参加者から、歓迎の大きな拍手がおくられた。



< 笹森清前連合会長の連帯あいさつ(要旨) >

 全労連や年金者組合のみなさんの前で、前連合会長の私がごあいさつを申し上げるのは、戦後の労働運動で初めてのことです。
 安心して老後を迎えたいというのが国民の声。思いやりのない、情けない日本の政治をなんとかしなければならない。いまの自公政治に異議を唱えたいとの高齢者の思いが日本中に渦巻いている。長寿は人間の昔からの夢だったはずです。ところが後期高齢者医療制度は、長生きするな、早く死ねというもの。なんで75歳で線引きするのか。年齢差別をするな。こんな制度は許しておけない。いま75歳以上の方々は、戦争をくぐりぬけ、戦後、汗水流して家族のために働いてきた人たちだ。年をとれば病気になるのは当たり前なのに、医療費がかかるからといって、年金から保険料を問答無用に天引きする。冗談じゃない。
 イデオロギーだの政党だの、いろんな違いを全部取り払って、大きな団結の力でぶつかっていくしかない。今後やるべきことは、(1) 絶対にこの法律を撤廃させること、(2) 高齢者の保険料が軽減されるという政府の説明のまやかしを明らかにすることだ。労働運動の垣根を越え、これまでのタブーをおかしてでも、撤廃まで一緒にたたかいましょう。



  




 
 なくせ貧困、ストップ改憲! つくろう平和で公正な社会

 




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