2007国民春闘共闘情報
全労連HP

第 33 号  2007年05月28日

 

 第4回 07春闘進ちょく状況調査

要求提出72%。回答いまだ46%

妥結組合は24%。夏季一時金とセット解決へ




07春 闘 第4回 進 ち ょ く 状 況

2007年5月28日現在 ●国民春闘共闘委員会

単産名 調査組合数 スト権 春闘要求 回答引出し 平均賃上げ スト実施組合 妥結・妥結方向
確立数 提出数 組合数
全農協労連 304 調査中   184 61% 93 31% 29 4413 13 4% 28 9%
建交労 744 576 77% 576 77% 334 45% 334 2899 4 1% 252 34%
建設関連労連 49 5 10% 23 47% 11 22% 11 5918 0 0% 8 16%
JMIU 306 246 80% 246 80% 234 76% 232 5484 500 163% 167 55%
化学一般労連 111 38 34% 111 100% 103 93% 97 5755 2 2% 68 61%
繊維産労 1 1 100% 1 100% 1 100% 1 5732 0 0% 1 100%
合同繊維 8 4 50% 8 100% 7 88% 7 3090 0 0% 7 88%
自交総連 330 185 56% 245 74% 57 17%         29 9%
検数労連 2 2 100% 2 100% 2 100% 2 3069 2 100% 2 100%
通信労組 45 45 100% 45 100% 45 100% 45 500 45 100% 0 0%
全倉運 43 7 16% 38 88% 38 88% 38 5029 1 2% 24 56%
生協労連 170 20 12% 94 55% 88 52% 43 4268 1 1% 17 10%
全国一般 380 260 68% 260 68% 120 32% 90 4827 5 1% 30 8%
金融労連 81 26 32% 77 95% 27 33% 16 4995 0 0% 3 4%
全損保 13 13 100% 13 100% 11 85%     0 0% 9 69%
全証労協 22 12 55% 20 91% 16 73%     10 45% 1 5%
外銀連 11     11 100% 1 9% 1 7000     1 9%
全印総連 135 29 21% 94 70% 70 52% 70 4620 20 15% 63 47%
民放労連 139 45 32% 119 86% 107 77% 107 6772 22 16% 50 36%
出版労連 129 27 21% 112 87% 105 81% 89 6369 20 16% 84 65%
映演共闘(労連) 18 調査中   18 100% 17 94% 17 6100 0 0% 4 22%
日本医労連 437 187 43% 323 74% 218 50% 218 5737 103 24% 41 9%
福祉保育労 530 調査中   277 52% 94 18%     0 0% 26 5%
郵産労 1     1 100%             0 0%
特殊法人労連 10 7 70% 9 90% 8 80%         0 0%
報告計・27単産 4106 1781 55% 2965 72% 1869 46% 1506 4861 755 23% 972 23.7%
前年5/23 計・29単産 4132 1888 59% 3163 77% 1974 48% 1387 4905 592 18% 932 22.6%


注、@前年は、金融労連が当時の3単産から報告がありました。
   A報告計欄の平均賃上げ額は組合数の報告があった金額の平均(1組合あたり)です。




 
要求提出組合数は72%。前回比7P改善

 国民春闘回答集計センターは5月25日、全単組を対象とした春闘進ちょく状況の第4回調査を実施した。4月決着がならなかった単産は、連休明け後の回答促進・上積みのたたかいを取りくみ、遅れている単産では改めて要求提出を追求してきた。その結果、27単産から4106組合の報告があり、伸び悩んでいた要求提出がここに来て72%(前回5/8は65%)に改善した。しかしながら、全体としてはスト権確立55%、回答引出し46%など前年同期を2〜5ポイント低い水準で推移している。今回の特徴点は以下のとおり。

[調査組合数、要求提出数]

 調査組合数の報告計は27単産の4106組合で、ほとんどが中小労組である。昨年の最終集計(6月末)で全体計は4439組合(29単産)だったが、現時点で要求提出・回答引出し中の全国私教連(約300組合)は調査対象からはずしている。

 要求提出は、計2965組合で全体の72%(前回5/8時点で65%)。4月段階で要求提出が低かった単産が改めて指導したり、100%提出を追求した結果、全農協労連、化学一般労連、民放労連、映演労連、日本医労連、福祉保育労など12単産で各々2〜24ポイント改善させるなどの前進がはかられた。しかしながら、前年同期比から見るとなお5ポイント減となっている。これは、要求提出率を向上させた単産が6に対して、低下した単産が10も見られることによるものである。


回答引出しがいまだ46%に。妥結は24%

[回答引出し、妥結数]

 回答引出しは計1869組合で、いまだ46%(前年同期は48%)の水準にとどまっている。大きく遅れている要因は、@中小企業を中心に原油や素材の価格高騰が転嫁できないこと、A親企業・取引先などからのコスト切下げ要請などで、これらを背景とした「業績不振」「先行き不安」という現実や、B経営事情を悪用した回答延期、地域や業界の相場待ちなどが指摘されている。商業・サービス分野、自治体関連業務では昨年以上にきびしい実態が報告されている。こうしたなか、5月段階の取りくみで、建交労、建設関連労連、化学一般労連、全倉運、全損保、民放労連、映演労連の回答引出しがすすみ、日本医労連、福祉保育労、全農協労連、自交総連、全労連全国一般など組合数の多い単産でも着実に前進させてきた。

 うち妥結または妥結方向に達しているのは972組合で、いまだ24%(前年同期は23%)にすぎない。妥結しているのは「純ベア確保」「前年実績以上の回答」や「定期昇給分を確保」した組合が中心である。「妥結・妥結方向」は繊維産労と検数労連の100%、比較的高率で「全体としてほぼ集約方向」に向かっているのはJMIU55%、化学一般労連61%、合同繊維88%、全倉運56%、全損保69%、出版労連65%など。このほかの単産では、前述のようなきびしい回答内容のために未解決が多くなっている。


相変わらずの低額・不当回答。単純平均は4861円

 回答内容では「定昇あり・ベアゼロ」が相変わらず568組合と多く、「定昇カットなど」が56組合に増え、「定昇なし・ベアゼロ」も75組合ほど見られる。こうした低額・不当回答は計700組合(前年同期は775組合)に達している。なかでも、建設関連労連、金融労連、全損保では今のところ「ベアゼロ」などが100%。このほか、全倉運、生協労連、全証労協、民放労連、日本医労連などで各々63〜97%の高率となっている。

 平均賃上げ額については、金額または引き上げ率の報告があった1506組合の単純平均で4861円、1.95%になった。これは前年同期比で44円の減である。個別に見ると、対比可能な18単産中、プラスが12、マイナスが6で、増額させた単産のほうが多いものの、増額幅が少ない一方、減額させた単産は少ないものの減額幅が大きいことが影響している。平均額が高いのは、民放労連6772円(前年比では減額)、出版労連6369円、映演労連6100円でマスコミ関係が上位を占め、建設関連労連5918円、化学一般労連5755円、日本医労連5737円、繊維産労5732円、JMIU5484円など製造業と医療が続いている。


スト権の確立は55%と低調。実施は23%に改善

[スト権確立、実施数]

 スト権を確立したのは計1781組合で、調査計の実質で54%(昨年同期は59%)にとどまっている。この要因は、確立数が50%に満たない単産が9単産も見られるように、産業別の「労使関係」や「ストライキ闘争」への対応に歴史的な相違があることや、12単産が減少傾向を示しているように、労働組合運動の弱体化も指摘されている。高率で確立したのは繊維産労、検数労連、通信労組、全損保の単一組織でともに100%。JMIU80%、建交労77%、特殊法人労連70%など。また、化学一般労連、生協労連、全証労協では前年比で確立数を増やしている。

 うち、ストライキ実施組合数(指名スト含む)はのべ755組合、23%で、少ないながら昨年(592組合、18%)比で163組合増えた。集中回答翌日の「3・15全国統一行動」が262組合で、その後、「4・12全国統一行動」「4月末決着めざす統一行動」を中心に493組合増えた。JMIUが「3・8リレースト」「3・15統一スト」などでのべ500組合・163%、通信労組は全支部が「3・15統一スト」に結集して100%、検数労連も100%、このほかでは全証労協の45%が比較的高率でストライキを決行し奮闘している。


一時金闘争に移行。最賃・人勧闘争とも結合して

 以上の数値と各単産からの報告を総合すると、春闘の進ちょく状況は5月段階で「要求提出」「回答引き出し」とも改善され、各項目も若干の改善をはかりつつ推移している。しかしながら、前年同期との比較ではなお2〜5ポイント減であり、ひきつづく奮闘が求められる。
 この間、登録組合の回答水準では単純平均、加重平均とも引き上げ額・率が前年を上回り、パート賃上げ、企業内最賃でも善戦している。職場の制度的諸要求を獲得する組合も大幅に増えている。

 いま、各単産は夏季一時金の要求提出、回答引き出しに移行しており、春闘未解決組合では一時金要求の獲得とセットでのたたかいになってきた。国会では年金記録の管理不備による支給漏れが政治問題化し、年金救済法案が衆院厚生労働委員会で優先審議される見通しである。このため、労働法制関連3法案は後回しとなる。悪法では社会保険庁解体法案、教育関連3法案、公務員制度改革法案、イラク特措法延長法案など悪法阻止のたたかいも山場を迎えている。国民大運動と労働法制中央連絡会などは、毎週水曜日の国会行動を軸に取りくみを強化し、全教など教育団体は6月1日夜の中央集会をはじめ、連日の国会前座り込み・議員要請・委員会傍聴などで反対闘争を強化する。

 最賃・人勧闘争は、5・25第1次最賃デー・中央行動(1500人の参加。74人の国会前座り込み。地方行動は14都道府県)につづき、6月20日には第2次最賃デーが準備されている。悪法阻止をめぐる国会行動への積極参加を含め、中央や地方・地域の取りくみにも結集しながら精一杯奮闘しあいましょう。




 

 <お知らせ> 
●「働くルールの確立を求める100万署名」については、6月6日(水)に国会提出します。各組織におかれましては5日までに全労連または国民春闘共闘あてにご返送ください。


 

     5月28日現在の集約数は

    35万8670筆です。

 



 
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