2007国民春闘共闘情報
全労連HP

第 15 号  2007年02月28日

 

要求提出すすむ。交渉本格化へ

誰でも月額1万円、時給100円アップを

早くも回答  生協で時給30円アップ、金融は初任給引き上げ

 月末をむかえ、春闘共闘に参加する各組合の要求提出が進んでいます。28日までに要求提出したのはJMIU、建交労(先行グループ)、検数労連、通信労組、生協労連、全労連全国一般、全印総連、民放労連、日本医労連、福祉保育労などの16単産です。3月1日、2日に集中する単産もあり、中旬までにはすべての単産が提出する予定です(調査組合は官民28単産)。
 07春闘では、「格差の是正」を求める世論の高揚や、パートの人手不足、正規の後継者育成も反映して、誰でも1万円の賃上げをはじめ時給の大幅アップ、初任給の引き上げ、雇用保障や時短要求などの前進が期待されます。


切実な賃上げ要求。年齢別最低保障が増える

 賃上げ要求の特徴は、「誰でも1万円以上」を全農協労連、検数労連、金融労連、映演労連、日本医労連、自治労連、全教などが掲げ、「誰でも○○円以上」は化学一般労連、合同繊維、自交総連、出版労連などが掲げており、こうした「誰でも要求」を官民18単産が掲げていることです。従来の平均または一律要求は、切実なアンケート結果などから22単産が掲げており、全農協労連が平均20,000円、建交労が34,000円、JMIUが一律30,000円プラス格差是正、通信労組が35,000円、全労連全国一般が25,000円以上などです。

 パートなどの時間額は16単産が要求しています。「誰でも100円」は通信労組、全労連全国一般、金融労連、映演労連、日本医労連、自治労連、特殊法人労連など、「誰でも50円」は化学一般労連、合同繊維、生協労連、全印総連などで、150円(全農協労連)、140円(建交労)も見られます。到達時給は「1,000円」がほとんどです。  企業内最低賃金要求は23単産が要求しています。「時間額1,000円、日額7,400円、月額15万円」が多く、産別の特殊性や独自の調査結果にもとづき「時間額1,200円」(建設関連労連、民放労連、日本医労連)「同1,300円」(出版労連)も見られます。

 年齢別最低保障賃金を要求する単産は、11単産に増えてきました。うち、賃金カーブ維持を強調する化学一般労連では、「21歳179,000円、25歳211,000円、30歳249,000円、35歳292,000円、40歳319,000円、45歳339,000円」を要求しています。生計費原則を重視したJMIUは「25歳223,000円、35歳319,000円、45歳370,000円」、社会的な年間収入を重視している全印総連は「25歳までに350万円、40歳までに470万円」を要求しました。


 JMIU  統一要求日に215支部分会がいっせいに提出

 JMIUでは、2月21日の統一要求日に全国で215支部分会が春闘要求を提出しました(一部未集約)。賃上げ要求額の平均は支部平均27,816円(9.30%)、組合員平均28,432円(9.30%)です。「統一要求書」は173支部分会が提出しました。いま、「戦後最長の景気拡大」と言われ、中小企業でも業績を回復させているところが少なくないにもかかわらず、労働者の生活は置き去りにされてきました。07年春闘での賃上げ要求には「今年こそ、生活改善につながる大幅賃上げを」という職場の切実な思いが込められています。
 JMIUと中立組合などが共同する「金属労働者のつどい」(春闘総決起集会)は、2月25日に東海(名古屋)、3月3日に西日本(神戸)、4日に東日本(日比谷野音)で開催されます。7日の回答指定日にむけて交渉を重ね、翌8日にはリレーストなどを決行します。

みやぎ生協で時給30円アップ。大企業は初任給大幅アップ

キヤノン1万円、城南信金1万3200円、アーバン銀3万1000円

 各単産の回答指定日は14日が多く、建交労(先行グループ)とJMIUは7日が指定日です。
 みやぎ生協労組では、はやくもパートの初任時給30円アップ(700円→730円)、正規は定昇(3,697円)実施の第1次回答を引き出しました。建交労(運輸先行グループ)の大都市集団交渉も、近く企業内最賃などの制度的要求にたいする回答を引き出します。

 また、今年は優秀な労働力を確保するために初任給の引き上げが先行しそうです。マスコミ報道によれば、昨年春にはトヨタ自動車が6年ぶり、イオンが12年ぶりに引き上げたのにつづき、今年は旭化成、日本精工、三井住友銀行など約1割の大企業が予定していると言われています。キヤノンでは大卒初任給を1万円アップし21万5000円にします。金融では、首都圏の城南信用金庫が7年ぶりに改定。大卒初任給を1万3200円アップし22万円に引き上げるのをはじめ、5304円のベースアップで定昇込み1万3464円の賃上げに踏み切ります。近畿圏の関西アーバン銀行は14年ぶりの改定で、大卒総合職を3万1000円アップし20万5000円に引き上げます。ほかの信金信組、地方銀行、大手都市銀行も引き上げを検討中で、「大卒初任給20万円の攻防」と言われています。




  





 
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