2007国民春闘共闘情報
全労連HP

第 11 号  2007年01月22日

 

格差と貧困の是正、働くルールの確立

賃金・最賃を社会的にアピールしよう

 第1回単産・地方代表者会議で「春闘方針」を確立

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 国民春闘共闘委員会は1月18日午後、東京・全労連会館に24単産・団体4地方の代表ら68人が参加して第1回単産・地方代表者会議をひらき、「07国民春闘方針」を確立しました。
 重点課題のとりくみでは、(1) 格差と貧困の是正、働くルールの確立、雇用確保のとりくみ、(2) 賃金改善、全国一律最賃制の実現を「社会的にアピールする春闘」を展開、(3) 安全・安心な地域社会の実現を求める運動、(4) 社会保障の連続改悪、消費税率引き上げに反対し、国民負担の軽減を求める国民共同、(5) 憲法改悪を阻止し、平和を守るたたかいを旺盛に展開することを柱としています。


反転攻勢の春闘を、絶好のチャンス


 主催者あいさつした坂内三夫代表幹事(全労連議長)は、教育基本法改悪反対闘争、偽装請負の告発、ホワイトカラー・イグゼンプション導入法案の国会上程断念のたたかいを紹介し、その背景に財界・大企業批判の国民世論があることを指摘。「春闘と二つの政治戦を通じて、労働法制改悪の根を断ち切るために奮闘しなければなりません」と強調しました。統一闘争への結集などを改善、強化し、大きな社会運動を構築するなら、「賃金底上げや最賃制の改善、均等待遇の要求でも、闘えば前進する。反転攻勢の春闘を前進させる、絶好のチャンス」として、参加組合の奮闘を呼びかけました。(詳細は「確定版」)。

 小田川義和事務局長が「07国民春闘方針案」を提案。前記5項目の重点課題を前進させるに当り、この間の経過と情勢にかかわって、
(1) 教育基本法改悪反対闘争の前進と、安倍首相の改憲、悪政のごり押し姿勢、
(2) 労働法制改悪反対闘争をめぐって、ホワイトカラー・イグゼンプションの法案上程断念と日本経団連、経済財政諮問会議の執拗な策動、
(3) 賃金闘争における要求アンケートの集約状況と「誰でも要求」の切実さ、
(4) 統一地方選挙勝利と安全・安心な地域社会実現の関連性、
(5) 国民投票法案を政府・与党が5月3日までに成立させるとしている危険性について
具体的に説明し、それぞれの課題での運動強化を要請しました。

 賃金改善では「ベア要求を掲げた積極的な賃金引き上げのたたかいを呼びかける」として、「誰でも月額10,000円以上、時間給100円以上」の賃金改善(底上げ)要求を確認。最低賃金要求は、全国一律最賃制確立を含む実効ある最賃法の改正を求め、「月額15万円、日額7400円、時間額1000円以下の労働者をなくそう」の要求を確認し、その実現を社会的にアピールする取り組み=署名、統一行動日を設定した宣伝、労組・団体要請行動をすすめます。

 春闘期における統一行動では、このあと、1月29日の「07春闘・都議選勝利総決起集会」を成功させることをはじめ、2月9日にキャノンなどの大企業向け宣伝の「2・9大企業包囲東京行動」(各地方は前後1週間で具体化)、2月12日に愛知のトヨタ本社を包囲する「第28回トヨタ総行動」、2月21〜23日のゾーンで地域総行動を各々が設定、3月6日には「安心できる雇用と賃金を!3・6中央行動」を実施します。その上で、2月末日までの要求提出、3月14日を集中回答日とし、翌15日に「ストライキを含む全国統一行動」、4月下旬にはゾーンを設定して回答促進をはかります。






賃上げ・雇用確保を表明。悪法阻止へ決意

 賃上げと待遇改善、制度・政策課題の追求など討論 


 代表者会議が「闘争宣言行動」と同日開催のために短い討論時間のなか、建交労をはじめ化学一般労連、全教や神奈川の代表など10名が発言に立ち、方針案を補強しました。(各代表の発言内容は「確定版」とし、今号は概要を紹介します)

 賃上げや最低賃金をめぐって、建交労は「ダンプ労働者が16日に組合結成後初めて130台でストライキを決行した」ことを報告。年収240万円という低賃金の構造を紹介したうえで、中小企業・業者をめぐる構造、システムを考慮したたたかいを組織すると述べました。化学一般労連は、06春闘で各年齢の「賃金カーブ維持」の闘争結果について、約半数が確保またはプラス・アルファを勝ちとったが、半数が確保に及ばなかったことを紹介。「今年はしっかりと賃金構造を維持していきたい」「要求基準として1万円、パート等の時間給50円アップを勝ちとりたい」と決意を語りました。出版労連は、賃金要求として、定昇込み7000円、35歳までに30万円の賃金獲得をめざすことや、「非正規」などの均等待遇要求として、時給1300円要求(学卒初任給/月間労働時間)実現に奮闘すると述べました。日本医労連は、賃金要求が春闘共闘と一致し、「誰でも1万円以上、パート等の時間給100円以上」を掲げること、アンケートで「職場の不満」は「賃金」がトップだったこと、産別最賃を5県で申請したことを紹介。「@賃上げ、A増員、B医療改善の3点セットで回答を求め、不満ならストを打つ」と決意を表明しました。

 雇用確保をめぐって、全損保は、東京海上日動社が強行する「外勤社員制度の廃止」によって組合員の年収が500万円から、代理店契約の約350万円に、代理店従業員の約200万円に下げられる実態を改めて紹介し、裁判闘争(東京地裁判決は3月26日)への支援として、@団体署名、Aハガキによる手書きの要請文集中、B主要支店要請行動へ地方組織の協力を訴えました。特殊法人労連は、法務省の民事法務協会が登記事務を「市場化テスト」によって、一般競争入札に移行する実態と問題点を紹介。職員の雇用が継続されず、賃金は約18万円に引き下げられ、全国300箇所の窓口サービスが全国一律にならなくなると告発し、反対闘争への熱い決意を語りました。

 産業別課題・国民的課題をめぐって、建交労は、最低賃金制度に連動する生活保護基準の切り下げ策動を告発。全生連とともに裁判闘争に加わる決意を表明しました。化学一般労連は、「労働法制の全面改悪、ホワイトカラー・イグゼンプションの息の根を止めたい」とし、60歳以上の継続雇用の全支部での協定化、少子化対策にも取り組みます。また、2012年に税制適格年金が廃止される対応策の検討や政府要求づくりを求めました。日本医労連は、医師・看護師不足が地方の大問題になっていることについて、「医療改善要求に1882自治体中417の自治体が賛同している」と紹介。2月23日に緊急シンポを開催します。

 全教は、@教育基本法改悪反対闘争の共同の広がりに感謝しつつ、通常国会に関連法案が33本も出てくることを紹介。「教育権を定めた憲法を武器に意気高くたたかっていく」と決意表明しました。A「教員イグゼンプション」によって労基法37条の適用除外にされ、その代償として4%の手当が付いていること、文部科学省調査でも平均月80時間の残業をこなしている実態や、政府が夏休みを含む「1年間の変形労働時間制」の導入を策動していることを紹介しました。出版労連は、「教基法改悪反対」でスト権を立ててたたかってきたことを紹介し、「07春闘では『憲法改悪反対』のスト権を確立し、国民投票法案、共謀罪法案にも適用できるようにしたいと述べました。映演労連は、国民投票法案の危険な内容を告発。@賛成・反対を訴えるテレビの有料コマーシャルは金持ちしか利用できないこと、A改憲の承認要件が「投票総数の過半数」とされ、批判的な白票がカウントされないこと、B公務員の活動が制限されることなどを指摘しました。神奈川春闘共闘も、国民投票法案をめぐって「海外で戦争できる法律はいらない」という宣伝を強めたいと決意。横須賀市の住民投票条例制定の運動について、住民署名が4万人以上に達し、市当局が「まともに考えなくてはいけない」と漏らしていること、紹介議員が9人に広がったことなどを紹介しました。

 全労連の代表は、中央労働委員の公正任命について特別発言しました。第28期の労働者委員が連合独占になり公正任命を求める裁判で、東京地裁がILO勧告や各地裁判決の到達点、最高裁の労働審判員配分などを踏みにじって、再び不当判決を下したことを糾弾。控訴審で勝利するために、@3月19日の傍聴参加と、1月29日、2月7日、19日、3月5日の宣伝行動への参加、A団体署名は過去最高の7000以上、B4月19日の決起集会への大量参加を呼びかけました。




 

 <お知らせ> 本号は「速報版」です。近日中に、坂内代表幹事のあいさつ全文、各代表の討論内容、小田川事務局長のまとめなどを紹介する「確定版」をお送りします。

 

  





 


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