2006国民春闘共闘情報
全労連HP

第 09 号  2006年01月19日

 

利益をすべての労働者に還元せよ!

政府と大企業、日本経団連に抗議・要請

 1・19丸の内デモ・日本経団連包囲行動


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 「大企業はボロ儲けを吐き出せ」「利益を労働者に還元せよ」「リストラ・首切りをやめろ」 ― 日本経団連の前に組合旗が立ち並び、シュプレヒコールが轟きました。全労連と国民春闘共闘、東京春闘共闘は19日、06春闘の闘争宣言行動として「1・19丸の内デモ・日本経団連包囲行動」を展開し、のべ1800人が参加しました。

 寒風吹き荒れる午前10時から、NTT・トヨタの大企業コース、総務省・財務省の霞ヶ関コースに分かれて要請行動。大企業コースには各々300人が参加。NTT持株会社には、賃下げ・50歳定年制と広域配転などのリストラを止めること、トヨタ東京本社には賃金抑制と労働者の非正規化の見直し・改善、労基法違反の一掃などを要請するとともに、両社に対し代表団が、莫大な溜め込み利益を労働者の賃金・労働条件の改善にまわし、日本を代表する大企業としての社会的責任と模範を示すことなどを要請しました。

 霞ヶ関コースには各々200人が参加。総務省には公務リストラ・人件費削減攻撃の中止、公務・公共サービスの充実や行革推進法案、市場化テスト法案の提出を止めること、財務省には定率減税の全面廃止と消費税増税計画の中止、国民負担増の06年度予算案を見直し、国民生活優先に組み替えることなどを要請しました。

 昼休みにはオフィスビルが立ち並ぶ丸の内中通りから大手町までデモ行進。途中、東京海上日動社の前で、外勤社員の制度廃止(全員解雇して代理店契約など)に反対する全損保のなかまが合流して800人に膨れあがり、解散地点の日本経団連前で抗議・要請行動を実施、「06国民春闘・闘争宣言」を読み上げました。主催者あいさつした全労連・坂内三夫事務局長は、つぎのように訴えました。




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「1・19日本経団連包囲行動」、全労連・坂内事務局長あいさつ

 「経営者よ 正しく強かれ」。これが、日本経団連の06春闘にあたってのスローガンであります。自らは、バブル期を上回る空前の利益をあげながら、労働者の雇用と生活をズタズタに破壊し、人命まで奪う鉄道事故、欠陥自動車、欠陥電器製品、耐震強度の偽装、そしてついに強制捜査が入ったライブドアによる株価の不正な引き上げ、これらのどこに正義があるのでしょうか。私はまず、日本経団連の猛烈な自己批判と国民に対する謝罪を強く要求するものであります。

 しかるに日本経団連は、「労働者の首切り、賃下げ、長時間労働を、企業がもっと自由に行えるように、規制改革、行政改革を徹底しろ」と、経労委報告で主張しています。そんな社会に日本の未来はありません。

 昨年の上場企業1617社の経常利益は、23兆3742億円にのぼりました。日本中のすべての労働者に1万5千以上の賃上げを実施しても、まだおつりがきます。今年3月期決算では、さらにこれを上回る利益が確実視されています。労働者と国民犠牲のうえに溜め込んだ、この膨大な利益、内部留保を社会的に還元することこそ「正しさ」であり、「強さ」ではないでしょうか。

 小さな政府論を唱え、二大政党に通信簿をつけ、公務員労働者の削減と賃下げを競い合わせ、社会保障の切捨てを競い合わせ、庶民大増税を競いあわせ、憲法改悪を競い合わせ、労働者から搾り取った利益を献金し、カネで政治を買収することは、決して正しさでも強さでもありません。

 皆さん。力をあわせて「もうひとつの日本」をつくろうではありませんか。ルールなき競争と格差社会、貧困と戦争への日本ではなく、安全・安心、平等、平和な日本、はたらく仲間が元気の出る社会。そういう日本に向かって、06春闘を労働者の統一と団結をかためてたたかいぬこうではありませんか。共にがんばりましょう。




 
 みんなでつくろう もうひとつの日本




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