2003年国民春闘共闘情報
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第42号・回答第5号  2003年4月30日

産業別・単産別総括表   個別回答一覧へ

 

加重平均6,576円、定昇分をキープ

「4月決着」で回答引出し、上積み迫る

 4月中・下旬の回答の特徴について 

2003年4月30日 2003年国民春闘回答集計センター

 1.春闘回答集計センターは4月28日、2003年国民春闘共闘委員会(全労連、純中立労組懇など)各単産と地方共闘より「4月決着をめざす」中旬〜下旬の回答を中心とする第5回目の報告を受けた。この間に回答報告があったのは33単産・部会中の25単産と5地方共闘である。

 2.回答+妥結状況は各々集計表のとおりで、その特徴はつぎのような諸点である。

 
(1) 登録組合数 925組合      
(2) 回答組合数 376組合 引出し率 40.6%  
  うち2次回答以上 114組合 上積み率 30.3%  
  うち前年実績以上 133組合 回答数の 35.4%  
  妥結組合数 160組合 解 決 率 17.3%  
(3) 単純平均 376組合 5,524円 同率 1.78%
  前年同期 416組合 5,776円 同率 1.88%
  前年同期比   −  252円   −0.10P
  加重平均 9.1万人 6,576円 同率 1.90%
  前年同期 11.1万人 7,027円 同率 2.00%
  前年同期比   −  451円   −0.10P


 4) 4月中旬から下旬の傾向について
 4月10日の前回集計時以降、16−18日に各単産・地方共闘が「4月決着をめざす第5次全国統一行動」を配置し、回答引出し、上積みを求めて産業別闘争をとりくみ、検数労連が第一次回答を引出した。また、全農協労連、建設関連労連、全労連全国一般、全信労、民放労連、広告労協、日本医労連などの各組合が新規回答を引出した。総じて中小労組の新規回答には「ベアゼロ(定昇のみ)」や超低額がめだち、一部には定昇カット、賃下げ回答もみられる。また、この間のたたかいによって、主力組合を中心に上積みがはかられ、計114組合が第2次〜第5次の上積みをかちとり、160組合が妥結した。産別として賃金要求が解決の方向に向かっているのは出版労連、地方マスコミ(新聞)で、このほか、JMIU、化学一般労連、同・紙パ、建交労・運輸、同・鉄道、全印総連、広告労協などでも妥結する組合が増えてきた。
 しかしながら、回答引出し率は40.6%でいまだ過半数に達せず、妥結組合も2割に届かないというきびしい状況で推移している。こうして、単純平均は5524円、1.78%、一人当たりの加重平均は6576円、1.90%となり、前週に比べ若干の減少傾向を示したが、加重平均(1.90%)は定期昇給分をキープしている。

 5)前年同期水準との比較では単純平均で−252円、加重平均で−451円各々下回っている。単産別に見ると、比較可能な25単産中22単産がマイナスというきびしい状況がつづいている。こうしたなかで、賃上げ額・率ともにプラスになっているのは全労連繊維、建交労・鉄道の2単産、金額がプラスは化学一般労連、日本医労連、引上げ率がプラスは化学一般労連・紙パ、全信労、民放労連である。

 6)これまでの最高額は出版労連の組合の14,787円。前年実績額との比較では、テレビ山口労組(民放労連)の10,600円は前年比+6954円である。回答次数では小坂研究所支部(JMIU)と福島民友労組(地方マスコミ)が第5次の上積み回答を引出している。「1万円以上」の回答は計21組合となった。


 3.他団体の賃上げ集計結果について
1) 4月24日現在、連合の第4回集計の回答+妥結状況は以下のとおり。

  妥結組合数 加重平均 単純平均
集計方式 組合数 人数(万) 金 額 率(%) 昨 年 率(%) 金 額 率(%) 昨 年 率(%)
平均賃上げ 532 120.7 5,094 1.64 5,377 1.72 4,257 1.50 4,362 1.52
35歳P 34 8.1         48938 1.76 4,719 1.72
30歳P 19 4.8         6,964 2.50 6,852 2.32

 2) 4月23日現在、日本経団連調べの回答+妥結状況は以下のとおり。

  回答+妥結 加重平均 単純平均
集計方式 社 数 人 数(万) 金 額 率(%) 昨 年 率(%) 金 額 率(%) 昨 年 率(%)
大手企業 146 - 5,300 1.63 5,095 1.56 4,961 1.59 5,029 1.62
中小企業 66 - 3,670 1.42 3,873 1.49 3,372 1.33 3,517 1.37



メーデーを成功させ、5月〜夏季闘争へ

 4.今後のたたかい強化について
 国民春闘共闘は24日、第6回常任幹事会をひらき、03春闘の到達点を確認するとともに、第74回メーデーを成功させ、賃金闘争を粘り強く追求し、解雇自由化法案阻止、医療・年金改悪反対、公務員制度改革、有事法制・個人情報保護法など悪法阻止のたたかいを大きく盛り上げていくことを中心とする「5月段階〜夏季闘争」の強化を確認した。
 賃金闘争は、4月の最終段階を迎え、各単産・単組のなかには、春闘要求を解決してメーデーに望もうと、ギリギリまで団体交渉を設定している組合もある。しかしながら、現時点では約8割の組合がメーデーを超えて5月にたたかいを持ち越さざるを得ない状況である。金融・保険や私学の春闘も連休明けから本格化する。JMIU、建交労・運輸、民放労連などは夏季一時金闘争に移行し、未解決を包んだたたかいを準備中である。
 当面、5月1日の第74回中央メーデー(亀戸中央公園)と3日の「憲法集会」(日比谷公会堂)、7日昼休みの悪法阻止の国会請願デモ(日比谷公園霞門出発=国民大運動、全労連等が主催)など中央段階のとりくみとともに、地方でも同様の行動を大きく成功させましょう。

(以 上)



 

 <次回集計・調査のお願い> 

   GWと中間的総括のため変則的になります。

   1.パート賃上げ・企業内最賃&時短等制度的諸要求獲得状況調査(全単組対象)

    ・報告集中=4月28日〜30日(水)中   ・発表=連休明けの予定

   2.第6回賃上げ回答集計(登録組合) 

    ・報告集中=5月14日〜15日(木)午前中 ・発表=16日(金)の予定


 
 春闘で 職場と暮らしの 元気回復