2002年国民春闘共闘情報
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第42号  2002年6月13日

リスト報告を隠ぺい・改ざん。審議ストップ

  全労連・春闘共闘・社保協・有事センターなどが国会前座り込み  

「悪法阻止・会期延長許すな」と600人

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 国会情勢が山場中のヤマ場にさしかかった13日の衆議院第二議員会館前、早朝から梅雨の小雨に打たれながら、全労連・春闘共闘、中央社保協、有事法制反対連絡センターに結集する各団体・労組の旗やのぼりが立ち並び、明け番の自交総連、休暇部隊のJMIU、全国動員の医労連、自治労連など180人が座り込みに突入しました。19日の会期末まであと6日。折から政府・与党が防衛庁の「情報開示請求者リスト作成の報告書」の全文を隠ぺいした上、概要報告書まで改ざんするなど国会と国民を欺く暴挙に、野党四党が全面審議拒否でたたかうなかでの院外闘争となりました。昼の集会時には参加者が600人に膨れ上がり、対面を行進する「有事法制を廃案に…女性集会」参加の600人のデモ隊とエールを交換するなど、意気あがる座り込みがつづけられました。
 小泉内閣は14日にも厚生労働委員会を与党のみで開催し、採決強行する姿勢を崩しておらず、会期延長も視野に重要法案の成立を狙っています。参加者は議員要請を繰り返しながら、14日の国会行動、16日の「STOP!有事法制、全国大集会」(代々木公園)の成功や、ひきつづき職場・地域で宣伝・署名・反対集会などにがんばる決意を固め合いました。




<朝の集会>10:00〜10:30

●主催者あいさつ 全労連・田中洋子副議長

医療改悪法案が先行して危ない

悪法廃案へ全力をあげて奮闘しよう

 雨の中、小泉内閣の悪政許すなの座り込みご苦労様です。今国会はあと6日です。防衛庁のリスト作成問題で野党が結束して全ての審議をストップさせている。金権腐敗でも非核3原則見直しでも、リスト問題でも小泉内閣と政府与党のデタラメぶりは明らかである。
 1年前までは80〜90%の支持率が、いま30%台まで落ち込んでいる。小泉政権はそれでも重要法案を通そうと、会期延長を狙っている。医療改悪法案が先行して狙われているが、いま私たちの運動が押しまくっている。2500を超える署名、52%の反対世論になっている。廃案にするまでたたかい抜こう。
 有事法制は野党の中にも望む声があり、上程されたら直ぐにも通ると心配されたが、学習や宣伝・署名など職場・地域の運動の高まりの中で国民の関心が高まり、四野党が共に反対するところまで来た。アメリカの戦争に協力する財源があるなら、不況下で苦しんでいる国民生活に回すべきす。悪法の廃案へ全力をあげて奮闘しましょう。



●国会報告 日本共産党・藤木洋子衆議院議員

世論を逆転させた私たちの運動。さらに廃案へ

 国会は医療改悪法をめぐって緊迫してきた。与党は明日にも採決を強行しようとしている。有事法制は本会議で主旨説明されてから、私たちの反対運動が始まった。当初は「備え有れば、憂いなし」等の必要だという世論が多かったが、今は逆転する所まで運動を進めてきた。与党3党は5月26〜27日に地方公聴会、28日に中央公聴会で議決することを主張したが、四野党の代表が有楽町で共同の街宣をやるなど、大きく運動を進めてきた。その中で小泉政権には政権能力が無い、退陣してもらおうとも一致した。企業団体献金の禁止でも一致している。与党は地方公聴会を取り下げた。地方自治体からも反対意見が噴出してきた。
 武力攻撃について発生、恐れ、予測を含めて「有事」というが、小泉首相と防衛庁と見解が違うなど、多くの問題点が出てきた。1つは武力攻撃は日本への攻撃だけでなく、インド洋上の自衛艦も「わが国」となり、攻撃を受ければ有事になる。2つは有事には国民に協力を要請して、それに従わなければ罰則がつくことになる。3つは、全ての権限を首相に集中させていることである。
 防衛庁は情報開示者のリストを作ったが、この調査報告書まで隠ぺい・改ざんしようとした。会期まであとわずか、会期延長に反対して悪法を廃案に追い込もうではありませんか。



◎決意表明 自治労連・三宅一光書記長

廃案以外ない。12-13日に上京団で議員要請中

 私たちの仲間が署名をやった時、ビラを受け取った人から「読んだらこんな悪法が有るのかと驚いた」と言う電話が入った。自治体労働者は、住民のいのちと安全を守るために働いている。医療改悪や有事法制を許すわけにはいかない。全国自治会など地方自治6団体と懇談したが、地方自治体が有事法制でいろんな事を押し付けられるのに何の説明もないという。しかも日本を戦争に引きずり込むことに反対を表明している。我々も廃案にする以外ないと決意を固めている。昨日も今日も全国から代表が上京して議員要請行動を展開している。全国の市町村で反対運動をさらに強めていきたい。共にがんばりましょう。



◎決意表明 東京労連・佐原忠連議長

運動前進を確信に、16日の大集会を成功させよう

 国会最終盤を迎え、政府・自民党も大混乱している。ダッチロール状態だ。これは我々が職場・地域でたたかってきた運動の成果であり、確信を持って本日と16日の大集会を成功させましょう。医療改悪はじめ悪法を廃案に追い込むまでがんばりましょう。



◎決意表明 中央社保協・堀幾雄事務局長

反対署名は国民過半数に。さらに声を強めよう

 本日は雨の中、医労連、年金者組合も統一行動を取り組んでいる。97年前回の医療改悪の時も、我々の闘いによって修正に修正を加えて、時の橋本首相も妥協して野党を取り込んだ。今回は坂口大臣が3割負担は何の負担増にもならないと言う。また、2500万を超える署名にも批判している。小泉首相は国民の声を聞かない独裁者だ。医療改悪反対は国民過半数に達してきた。病院関係者もたたかいに立ち上がっている。本日夜の集会を機に、医療改悪反対の声をさらに強めましょう。



<昼の集会>12:15〜13:00

●主催者あいさつ 保団連・室生会長

賛成論者も「政府は損していない」と批判

 今国会は、皆さんの運動で、医療、有事、その他悪法がどうなるかという瀬戸際まで追い詰めてきている。医療は一昨日、参考人が意見陳述した。6人だれ1人として全面賛成はいなかった。3人は賛成論だったが、高齢者負担や3割負担は大変だからと修正を求めた。3方1両損というが、政府は損をしていないと批判した参考人も。衆院のたたかいも今日、明日が山場だ。たたかっている野党の方にも力になる。しかし、小泉首相は何をやるかわからない。医療、有事を廃案にするために最後までがんばりましょう。



●国会報告 日本共産党・佐々木憲昭衆院議員

「報告書」の隠ぺい・改ざんのデタラメ許せない

 国会はすべての委員会が止まっている。重大な議論になっている有事法制の主導をしている防衛庁のリスト問題の報告について、政府与党がやってはいけないことをやった。これをめぐって審議がストップしている。厚労委では明日にも理事を呼んで審議して採択したいと言ってきた。野党はまだ審議は不十分と反論している。リスト問題でルール破りをしていることで、厚労委の審議にも入れない。ここで与党が強行すれば小泉内閣をつぶす決意で臨んでいく。地方公聴会は、以前からの合意だから進めているが、本日夕、理事懇が開かれるが、日程上の協議には応じない。中央公聴会をやった上で、次の日程を協議すべきである。その前提を壊してきているのが与党だ。我々の行動が政府の出方を左右する。
 リストの資料問題では、与党3党の国対委員長らが集まって、「こんな物を出すな」とクレームを付けたのは山崎幹事長だ。政府が作れといって作らせ、見せたら首相がよしと言うのに与党がダメと言って、38ページの報告全文を国民の前から隠してしまった。内容まで改ざんしてしまった。こんなデタラメを許すわけにはいかない。委員会の問題ではない。反省して出直せと言うのが四野党一致した結論である。最終盤で延長と言っているが、そんな資格すらない。最後まで共にがんばりましょう。



◎決意表明 ありがとうございました。

 医労連・田中委員長、障全協山梨・神藤さん、国公労連・遠山副委員長
 全日本民医連・鳥居さん、香川高教組・阿部さん、埼玉土建・大橋さん
 神戸・戸塚民商・佐々木さん、京都・社保協の代表



●国会議員より激励あいさつをいただきました。

 林とし子参院議員、宮本岳志参院議員、西山登紀子参院議員