2002年国民春闘共闘情報
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第39号  2002年5月29日

「医療改悪・有事法制許すな」の大合唱

  連合・全労連・全労協・全建総連などが国会前で座り込み  

衆議院から参議院会館まで二重の人垣

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 29日の国会前は、早朝から連合・全労連・全労協・全建総連の組合旗や民主団体の旗が立ち並び、多数の参加者と警備員が行き交い、騒然とした状況になりました。医療改悪をねらう厚生労働委員会、有事法制を審議する有事法制特別委員会、個人情報保護法の内閣委員会など衆議院の各委員会がいっせいに審議を再開したことから、期せずして全労働団体の座り込み行動が集中したものです。衆議院側から全建総連100人、連合900人、全労連など630人、全労協100人、計1730人が2列になって国会前を座り尽くしました。ある参加者は「日本の良心が結集した」と評価。
 全労連・春闘共闘や中央社保協、有事法制連絡センターなどが主催する第9次国会前座り込み行動は、12時が近づくにつれて膨れあがり、参議院会館前は2列、3列に。「悪法阻止」「小泉内閣退陣」のあいさつがつづきました。
 政府与党は、会期を延長してでも郵政公社化法案を含むこれらの重要法案を成立させようと、水面下の策動を強めています。野党四党は考え方の違いを乗り越えて、「今国会での成立阻止」「小泉内閣退陣」で一致して院内共闘を強めています。




<昼の集会>12:30〜13:15

●主催者あいさつ 全労連・坂内三夫事務局長

すべての組合員に伝え、総決起、廃案へ

会期延長はルール破り。断じて認めない

 国民のいのちや安全、人権を侵害する悪法は許さない。小泉内閣は退陣せよ…。熱い思いで沢山のなかまが結集している。終盤国会は、有事法制、医療改悪、個人情報、郵政公社化法案をめぐって緊迫した事態をむかえている。こうした状況をすべての組合員に伝えて総決起してほしい。廃案をめざしてたたかい抜こう。

 悪法をごり押しする小泉内閣の支持率低下は尋常ではない。急落であり、内閣そのものが迷走している。重要法案が一つも通らないと、小泉内閣は退陣を迫られ、解散・総選挙にいくしかない。それでは自民・公明が困るので、小泉首相は悪法を修正してでも通そうとしている。有事法制は公聴会日程が白紙に戻され審議が再開された。医療改悪は6月2日に参考人質疑、4日に委員会採決を狙っている。個人情報は国民を保護するのでなく、ムネオ保護の内容である。郵政法案は自民党内をとりまとめて通そうとしている。

 春のたたかいで、私たちは「雇用・くらし・いのちと平和を守る」国民総ぐるみの春闘を展開してきた。その到達点として、国会の会期延長は断じて認められない。相撲の土俵を広げるようなものだ。通常国会の会期150日間のルールを守るべきである。重要法案の廃案をめざして、ともにがんばりましょう。



●国会報告 日本共産党・穀田恵二国対委員長

「小泉内閣の即時退陣」へ四野党が共同

国会はいまヤマ場を迎えている。そして次々と新しい事態が生まれている。防衛庁のリストは、個人の思想信条まで書き込まれている。情報開示のすべての案件、すべての人を対象としている。平時でさえ犯してはならない人権を蹂躙して、戦争になったらどうなるのか。有事法制でこうしたリストづくりにお墨付きを与えたら何をしでかすか分からない。この問題と責任追及を最優先したい。国民の7〜8割が「どんな法律か分からない」という。政府には説明責任がある。それを抜きにして公聴会を強行しようとしたところに問題があった。それを白紙撤回させたことは運動の反映であり、私たちは確信をもとう。

 同時にこれからの審議で法案の問題点を徹底解明していく。「武力攻撃」とは、「恐れ」とは、「予測」とは…。また「国民の権利や自由」がどのように制限されるのか、「地方自治体の協力」など。はっきりしてきたことは、アメリカの海外での武力行使に自衛隊が参加し、国民を総動員する法律になろうとしていることである。

 連合の集会では、自由党もあいさつした。野党の共同もすすんでいる。27日には四党が共同して銀座宣伝を行った。「国会の会期延長は許さない」と一致して廃案をめざしている。いのちを削る健保法改悪反対でも四野党の共同ができあがっているし、「小泉内閣の即時退陣」を求めていることが画期的だ。悪法の廃案をめざして共にがんばる決意です。



●決意表明 全教・松村忠臣委員長

有事法制・医療改悪は子どもたちを脅かす

 教職員は有事法制も医療改悪も、子どもの未来、いのちと安全を脅かすものとして容認できない。
 アフガンでは罪のない子どもたちが命を落とし、障害者になっている。教職員の名において許すことはできない。この国でそういう悲劇があってはならない。子供たちが被害者にも加害者にもなってはならない。
 石川島播磨重工では、船の修理工を戦場に派遣するために、すでに数十人も登録されているという。これも労働者の名において許せない。全教は、有事法制3法案阻止、医療改悪阻止に全力をあげている。連休明けから500人の国会議員に要請してきた。もっと大きな世論をつくるために、いっそう奮闘していきたい。



●決意表明 国公労連・堀口士郎委員長

政府の使命は国民の安全・暮らしを守ること

 全国の国公労働者もみなさんと共に悪法阻止、小泉内閣退陣にむけて全力をあげたい。共産党の議員が自民党のある議員に「有事法制が通ったら大変なことになる」と言ったら、自民党の議員は「今でもアメリカの言いなりだ」と返答したという。安保条約で、横田、横須賀のような巨大な米軍基地が首都圏に配置されている。この東京の上空は、米軍横田基地の空域になっていて、自衛隊でも通過するのに許可がいる。国公組合員の管制官は、この空域に入らないよう民間機を誘導している。思いやり予算も毎年巨額をつぎ込んでいる。

 政府の使命は、国民の安全とくらし、いのちを守ることにあるのに、小泉内閣の政治は、これをないがしろにして、アメリカに追随している。こうした国づくりは断じて許してはならない。国公労働者は、国民の生活と権利を守ることを任務としているが、小泉内閣は「公務員改革」など、政権与党の言いなりになる公務員をつくろうとしている。戦争になれば、私たちは国民に対して指揮命令をさせられることになる。皆さんの命と暮らしを削る公務員には断じてならない。小泉内閣にはお引取りいただく以外ない。皆さんとともにがんばりたい。



●決意表明 中央社保協・堀幾雄事務局長

3割負担増は一層の経済不況を引き起こす

 有事法制・医療改悪が一体となってすすんでいるが、国民の子どもからお年寄りまで「医療改悪反対」の署名が2700万筆も集まっている。医療改悪法案は、今日も衆議院の厚生労働委員会で審議している。問題なのは、国民負担増が押し付けられるだけで、何の利益もないということだ。サラリーマンの負担増についても、政府は「何ら影響はない」などと答弁している。5年前、2割負担になったときのことを思うと、3割負担になったら今以上の大不況になることは間違いない。反対運動をさらに広げて、最後まで全力をあげてがんばりましょう。



●決意表明 航空労組連・諏訪幸雄事務局長

戦争で平和は生まれない。運動強めたい

 本日は連合、全労連、全労協もいっしょに座り込むことを聞いて、急きょ参加した。
 5・24大集会では大きな柱になったと言われているが、私たちの力はあまりない。僕らが呼びかけると、みんな集まってくれる。全労連の人たちがたくさん来てくれた。成功のために全労連の奮闘に感謝したい。周辺事態法の時は5万人も参加してくれた。航空労働者は周辺事態で真っ先に協力させられるが、有事では協力を強制させられる。アメリカはこの間、24回も外国を空爆している。戦争では平和は生まれない。9月11日のニューヨークの事件はごめんだ。航空は平和でないと発展しない。今後も運動を強めていきたい。共にがんばりましょう。



●決意表明 国民大運動・新婦人東京・上伸子さん

集会前に大宣伝、200人で499筆集約

 5・24大集会の当日、集会前に新宿駅西口で大宣伝をおこない、200人が参加して、499筆の署名を集めて集会に参加した。いま、練馬、大田でもこうした運動が進んでいる。私たちが世論を盛り上げれば、国会の会期延長を阻止できる。9月11日のニューヨークの事件につづき、いま、インド、パキスタンの緊張も伝えられている。平和を求める女性の運動を広げるためにがんばりたい。



●決意表明 京都総評・岩橋祐治事務局長

全労働者の力合わせ「廃案」にしよう

 連合、全労連、全労協――日本の全労働者の力を合わせれば、有事法制、医療改悪を廃案にできる。京都でもがんばりたい。
 先日、京都では有事法制反対連絡センターを設けて、連日、宣伝や署名などに奮闘している。府民集会にもたくさんの皆さんが参加してくれて、戦争反対の声の大きさを実感できた。6月13日には宗教者の皆さんといっしょに、さらに大きな集会を計画している。これは負けられない闘いだ。首都圏の皆さんの奮闘に期待しながら京都でもがんばる。



  5・29座込み行動―出発集会(10時〜)  

● 【主催者あいさつ】全労連副議長 鈴木彰

● 【決意表明】全教中執 鈴木加津美

● 【国会報告・連帯あいさつ】日本共産党 児玉健次衆議院議員

● 【主催者あいさつ】国民春闘共闘代表幹事・全労連議長 小林洋二

● 【決意表明】福祉保育労中央執行委員長 茂木初子



  まとめの集会と、各委員会の審議状況  


6月5日・7日の地方公聴会が確定 開催地は未定

 まとめの集会は、全労連副議長の田中洋子さんの挨拶、日本共産党の小池晃参議院議員の国会報告、民医連・大阪保団連・埼労連・神奈川労連の決意表明のあと、国会に向けたシュプレヒコールで終了しました。本日の集会は、朝の集会100人、昼500人、埼玉行動に133名、終了集会150名でした。傍聴には厚生労働委員会に74名が入り交代で傍聴し、有事特別委員会も傍聴席を50名以上で満杯にしました。
 本日の厚生労働委員会終了後の理事会は、「4日に参考人質疑を行いたいとする与党の申入れを野党は拒否をし、改めて30日の昼に理事会を開くことを確認しました。
 また、有事法制特別委員会は、今週の委員会開催は無く、6月の日程で、3日に一般質疑、5日・7日の地方公聴会、採決の条件になる11日の中央公聴会を与党は打診をしていますが、中央公聴会は問題外と野党は反論し、地方公聴会のみ決定されました。
 会期延長を許さず、悪法を阻止する全国からの運動で、大きく国会を包囲しましょう。



<6月段階の日程について>

 6月段階の日程については、次のニュースで紹介しますので、よろしくお願いします。