2002年国民春闘共闘情報
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第29号  2002年4月24日
訂正版

 第2回進ちょく状況調査  

回答引出し数は4割弱、妥結1割

各組合が4月末決着めざし奮闘中

 国民春闘回答集計センターは19日、全単組を対象とした春闘進ちょく状況の第2回調査を実施しました。この間、「4・12統一スト・国民総行動」の第2次全国統一行動をたたかい、各単産の集計作業がすすんだ段階で18単産から報告があり、ストライキ実施組合が増えているものの、回答引出しが37%、妥結・妥結方向がいまだ10%にとどまるなどの実態が明らかになりました。調査結果の概要は以下のとおりです。




02春 闘 進 ち ょ く 状 況

(第2回集計)    2002年4月22日 国民春闘共闘委員会

  調査 スト権 春闘要求 回答引出し スト実施組合 妥結・妥結方向
単産名 組合数 確立数 提出数
全農協労連 80 27 34% 69 86% 29 36% 4 5% 13 16%
建交労 876 671 77% 671 77% 213 24% 45 5% 87 10%
建設関連労連 59 8 14% 20 34% 4 7%     2 3%
JMIU 330 232 70% 245 74% 173 52% 200 61% 43 13%
化学一般労連 136 25 18% 115 85% 84 62% 4 3% 45 33%
自交総連 453 306 68% 317 70% 38 8% 8 2% 20 4%
検数労連 2 2 100% 2 100% 2 100% 0 0% 2 100%
通信労組 13 13 100% 13 100% 13 100% 13 200% 0 0%
全倉運 51 16 31% 44 86% 28 55% 0 0% 5 10%
生協労連 188 25 13% 70 37% 70 37% 9 5% 5 3%
全国一般 460 460 100% 320 70% 250 54% 80 17% 25 5%
全信労 67 15 22% 44 66% 10 15%     2 3%
全印総連 165 48 29% 106 64% 59 36% 46 28% 2 1%
民放労連 143 80 56% 111 78% 79 55% 60 42% 11 8%
出版労連 138 104 75% 127 92% 113 82% 99 72% 69 50%
広告労協 52     42 81% 27 52%     13 25%
映演共闘 34 15 44% 21 62% 4 12% 8 24% 1 3%
日本医労連 459 200 44% 304 66% 181 39% 167 36% 9 2%
報告計 3706 2247 61% 2641 71% 1377 37% 756 21% 354 10%
前年同期 3768 1946 64% 2977 79% 1539 41% 599 20% 488 13%
 (注)、「スト権」「スト実施組合」の分母は調査組合数からスト権確立数の未調査を引いたものです。





要求提出組合数は71%に

[調査組合数、要求提出数]

 調査組合数は報告計で3706組合(18単産)で、ほとんどが中小労組です。組合数が多いところは建交労の876組合、全労連全国一般460組合、日本医労連459組合、自交総連453組合、JMIU330組合など。なお、昨年の最終集計(6月末)で全体計は4100組合(26単産)でしたが、現時点では、金融・私学関係の回答引出しが5月段階になることから、全信労以外は調査対象からはずしています。
 要求提出は、計2641組合で全体の71%になりました。前年同期比で8ポイント減ながら、第1回調査(3月22日)から7ポイント改善されました。検数労連と通信労組が100%で、全農協労連が86%、出版労連92%、全倉運86%、化学一般労連が85%、広告労協81%などが高率です。


回答引出し37%、妥結はいまだ10%

[回答引出し、妥結数]

 回答引出しは計1377組合で、「4・12」のたたかいを経てもなお37%の低水準です(前年同期比で4ポイント減)。遅れている要因は、「賃上げできる経営実態にない」という現実や、それを悪用した思想攻撃での回答引き延ばし、電機や自動車大手の回答を睨んだ定昇カット・賃下げ提案という先制攻撃があります。回答内容は「ベアゼロ(定昇のみ)」がほとんどで、通信労組のNTTグループは全社、全農協労連、全倉運、生協労連、民放労連、日本医労連などでは8割以上のようです。建設関連労連からは「5年連続受注減で賃金凍結・カット提案も」、全労連全国一般からは「賃下げ・『合理化』を提案しながら○○日までに回答せよ」など逆回答指定日付きのものが見られたと報告されています。こうしたなかで、検数労連と通信労組の100%をはじめ、出版労連82%、化学一般労連62%、全倉運55%、民放労連55%、全労連全国一般54%などが高率です。
 うち妥結または妥結方向に達しているのは354組合で、いまだ10%にしかすぎません。妥結しているのは「前年実績以上の回答」や「一定額の定昇を確保」した組合が中心です。「全体としてほぼ集約方向」に向かっているのは出版労連の50%だけで、比較的高率なのは化学一般労連33%と広告労協の25%です。このほかの単産では、前述のようなきびしい回答内容のために未解決が多く、全体でも前年同期比で3ポイント減になっています。民放労連や日本医労連などからは「第2次回答の遅れ」で妥結できない実態が指摘されています。


スト権確立61%、実施は21%に

[スト権確立・実施数]

 スト権を確立したのは2247組合で、調査計の61%になりました。前年同期比で301組合増えています。検数労連と通信労組、全労連全国一般が100%、建交労77%、出版労連75%、JMIU70%などが高率です。
 うち、ストライキ実施組合数(指名スト含む)は756組合で全体の21%でした。前年同期比157組合増えているのが特徴です。3・14第1次全国統一行動が358組合でしたから、その後、第2次の「4・12統一スト・国民総行動」のたたかいを中心に398組合増えたことになります。これまでのところ通信労組が全組合2回のストで200%、出版労連72%、JMIU61%、民放労連42%、日本医労連36%などが高率で奮闘しています。単産によっては、公共性が高い業種や取引関係などからストが打ちづらい下請中小の特性、さらに、今年はストを打っても上積みの見込みがないことなどが報告されています。


4月末決着をめざす。医療改悪・有事法制と結合して

 以上の数値と各単産からの報告を総合すると、春闘の進ちょく状況は史上最低であった昨年に比べ、さらに一回り遅れ気味で、いっそう長期化が予想されます。例年以上に粘り強くたたかうとともに、集中的な区切りのたたかいも重要です。当面する23―25日の第3次統一行動で「4月末決着をめざす」産業別統一闘争や特別対策を軸に、地方・地域も支援・連帯の輪を広げることが必要です。医療大改悪阻止、有事法制反対のたたかいと結合しながら精一杯奮闘しあいましょう。