2002年国民春闘共闘情報
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第28号・回答第5号 2002年04月19日

加重平均が7,146円に。上昇中

統一ストで「ベアゼロ」撥ね退け上積み

 4月中旬の回答の特徴について 

2002年4月19日●2002年国民春闘回答集計センター

産業別・単産別総括表

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1万円以上の回答

1.春闘回答集計センターは4月18日、2002年国民春闘共闘委員会(全労連、純中立労組懇など)各単産と地方共闘より「4・12統一スト・国民総行動」を前後の回答を中心とする第5回目の報告を受けた。この間に回答報告があったのは33単産・部会中の25単産と8地方共闘である。

2.回答+妥結状況は各々集計表のとおりで、その特徴はつぎのような諸点である。

 
(1) 登録組合数 950組合      
(2) 回答組合数 381組合 引出し率 40.1%  
  うち2次回答以上 97組合 上積み率 25.5%  
  うち前年実績以上 63組合 回答数の 16.5%  
  妥結組合数 113組合 解決率 11.9%  
(3) 単純平均 381組合 5,822円 同率 1.87%
  前年同期 468組合 6,727円 同率 2.18%
  前年同期比   −  905円   −0.31P
  加重平均 10.6万人 7,146円 同率 2.02%
  前年同期 12.7万人 7,751円 同率 2.28%
  前年同期比   −  605円   −0.26P

(4)4月中旬の傾向について
 前週は、12日に今春闘最大規模の「4・12統一スト・国民総行動」が取りくまれ、「医療改悪反対。雇用・暮らし・いのち・平和を守ろう」と、全国でのべ83万人が参加する大行動となった。これに向けて各単産・単組が集団交渉や集中団交をとりくみ、検数労連と映演共闘が初回答を引き出した。また、建設関連労連、JMIU、化学一般労連・紙パ、生協労連、全印総連、日本医労連と、地方登録の各組合などが新規回答を引出した。
 しかしながら、回答引出し率は40.1%でいまだ過半数に達せず、「ベアゼロ」と「回答延期」が多く、一部には「賃下げ」提案など、かつてないきびしい状況で推移している。この1週間は回答引き出しがすすんだものの、各々から超低額の新規回答とあわせて上積み回答が同時に報告され、第2次〜第5次回答が97組合になり、113組合が妥結した。
 こうしたことから、単純平均は5,822円、1.87%となり、前回集計(4月11日)時点より112円ダウンしたが、一人当たりの加重平均は141円プラスで増加傾向を示した。加重平均の増加は、統一ストを背景とした中堅・大手組合の上積み回答によるところが大きい。

(5)前年同期水準との比較では単純平均で−905円、加重平均で−605円各々下回っている。単産別に見ると、比較可能な25単産中、賃上げ額がプラスになっているのは全農協労連、建設関連労連、通信労組(+-0)、生協労連の4単産である。全労連繊維と全倉運が若干のマイナスで踏ん張っている。

(6)規模別集計では、1,000人以上が最高値の8,211円で、29人以下が最低値で5,034円となっている。1000人以上の大手では7000〜8000円の定期昇給を死守し、第2次回答を引出していることが影響し、前年同期比でも唯一プラス611円になっている。引き上げ率も300人以上が2.06%、1000人以上が2.00%であるのにたいして、30〜99人では1.71%で中小零細企業のきびしさが表れている。ここにきて単純・加重とも規模別格差が明確になってきた。

(7)これまでの最高額は広告労協の組合の17,800円。前年実績額との比較で、岩崎書店労組(出版労連)の12,500は前年比+9250円、みやぎ生協労組(生協労連)の4825円は前年がマイナスだったこともあって+6731円である。回答次数では大泉製作支部(JMIU)と医学書院労組(出版労連)、朝日新聞労組(地方マスコミ)の3組合が第5次の上積み回答を引き出している。「1万円以上」の回答は計32組合となった。1万円以上の回答



3.他団体の賃上げ集計結果について
1) 4月17日現在、連合の第4回集計の回答+妥結状況は以下のとおり。

  妥結組合数 加重平均 単純平均
集計方式 組合数 人数(万) 金 額 率(%) 昨 年 率(%) 金 額 率(%) 昨 年 率(%)
平均賃上げ 523 126.2 5,398 1.73 6,070 1.97 4,661 1.61 5,274 1.85
35歳P 42 10.5         5,762 2.03 5,898 2.08
30歳P 40 11.8         6,803 2.50 6,814 2.51


2) 4月17日現在、日経連労政部調べの回答+妥結状況は以下のとおり。

  回答+妥結 加重平均 単純平均
集計方式 社 数 人 数(万) 金 額 率(%) 昨 年 率(%) 金 額 率(%) 昨 年 率(%)
大手企業 149 - 5,279 1.59 6,259 1.89 5,565 1.6 6,277 1.95


23〜25日。第3次統一行動で「4月末決着」へ

4.今後の闘争強化と中央メーデーについて
 国民春闘共闘・全労連の各単産・地方共闘は、集中回答日翌日の「3・14」につづき、今回の「4・12」と二次にわたる全国統一行動をたたかってきた。その間にも3月下旬、4月上旬と各単産が統一行動を集中させ、回答引き出しに奮闘してきた。
 しかしながら、本集計結果にみられるように、国民春闘共闘ではなお6割が未回答、8割以上が超低額のために闘争を継続している。これを打ち破るために、4月下旬の23日から25日の間を第3次全国統一行動ゾーンとして、各単産の集中したたたかいで4月末決着をはかろうとしているところである。


「中央メーデーを妨害」。会場問題で都を提訴

 中央メーデー実行委員会は18日、東京地裁に東京都の行政処分取消しを求めて提訴した。主な内容は、ローカル労組で連合メーデーにも参加する「東京地公労」への代々木公園使用許可決定処分の取消しなどである。
 提訴に先立ち同日早朝、国民春闘共闘、東京春闘共闘の単産役職員や周辺労組から70人が新宿の都庁前に結集して、出勤してくる都職員に当局の不当性を追求し「本日提訴」を紹介するビラ(2種約8000枚)を配布し、中央メーデーへの参加を呼びかける宣伝行動を実施した。
 宣伝終了後は、12班に分かれ、オルグ要請行動を終日展開。計65労組・団体を訪問して、第72回中央メーデー(亀戸中央公園)への大量参加を要請した。

(以 上)


 

<お知らせ>並行して「第2回春闘進ちょく状況調査」を実施中で、23日発表予定です。