2002年国民春闘共闘情報
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第25号  2002年4月10日



スト・職場集会、地域の宣伝行動、集会・デモなど

過去最高。のべ85万人の総行動へ

 4・12   単産・地方の行動計画出そろう

 国民春闘共闘委員会と全労連は9日、各単産と地方共闘が準備している「4・12統一スト・国民総行動」の行動計画をまとめ、記者発表しました。参加予定人数は、厳密に積み上げたところと、「目標」として追求しているところなどがありますが、概要は以下のとおりです。


ストは14単産。職場集会・地域諸行動を含め50万人以上

47都道府県で宣伝、集会・デモなどに35万人以上

 ◇ 単産では、日本医労連が1時間以上のストライキに4万人以上が参加するのをはじめ、14単産で約1150ヶ所、約6万5千人が「始業時」「午後から」「時間内くいこみ」のストライキ(指名ストを含む)に決起する。また、早朝・昼休み・終業時などの職場集会が23単産、約1650ヶ所、約25万5千人が参加予定となっており、ストライキ・職場集会、休暇闘争や宣伝行動などの参加者を合計すると全国で23単産、約50万3千人が行動に参加する予定となっている。

 地方・地域では、47都道府県全てで行動が計画されており、ほぼ全てで医療関係団体をはじめ、多くの団体との共同の取り組みが予定されている。駅頭や繁華街等での宣伝・署名行動は、全国で約3200ヶ所に1万人近くが参加して行われる予定となっており、地方・地域集会が約380ヶ所に12万人以上が参加し、さらに地方・地域デモが約250ヶ所で計画されている。

 これら地方・地域の行動には、全体で約35万3千人が参加する予定となっており、単産のストライキや職場集会等に参加した組合員が地方・地域の行動にも参加するのでダブってはいるが、「4.12総行動」へののべ参加者数は約85万人と全労連・春闘共闘の行動としては過去最高のものとなる予定である。




「医療改悪反対署名」が急増。春闘共闘・全労連で250万筆

連合や日本医師会など他団体含め2500万筆に

 ◇ 春闘共闘・全労連は、2002年春闘で「医療改悪反対、雇用・くらし・いのちを守る」取り組みとして、医療関係団体と共同して「2・14国民集会」を1万5千人の参加で成功させ、さらに「2.20地域総行動」で県内キャラバン行動や地域集会・デモ・諸行動を行い、多彩な県・住民・地域行動、大量宣伝・署名行動等を展開してきた。

 その結果、現在までに「医療改悪反対署名」が春闘共闘・全労連で約250万、中央社保協で約600万筆が集約されており、連合も同種署名で830万筆集めている。さらに日本医師会の同種署名が約500万、歯科医師会が約400万、全建総連が110万筆集めるなど、「医療改悪に反対する署名」はすでに合計で2,500万筆近くとなっており、文字通り国民的な世論となっている。

 また、この間の全労連や連合、医療関係団体等の地方議会への請願行動等で、地方議会の意見書採択は現在までに469自治体にのぼっている。




中退共制度の改悪(退職金減額)反対

 民主・社民両党が態度決定できず  

12日の採決見送りへ。議員要請の効果

 健保大改悪の前に衆議院厚生労働委員会で審議される「中退共制度改悪法案」は、10日午後の理事懇談会で予定されていた12日(金)の審議後・即採決を、採決については17日(水)に延期することで与野党が合意しました。延期になった背景は、国民春闘共闘が9日にとりくんだ議員要請行動が大きく影響したものです。

 同日の議員要請行動には、建交労、JMIU、全労連全国一般などの中小単産、退共労など特殊法人労連の各組合、国公労連の本部・単組と全商連など17単産・団体から30名が参加。緊急要請に応えて280団体の署名が集約されました。意思統一集会(衆議院第二議員会館内)で、日本共産党の井上美代参議院議員から情勢報告を受け、各分野の代表が意見交流しました。とくに、退職金が減額されることによる労働者の損失(30年積立で163万円減)、中小企業経営者が減額補てんすれば「退職金倒産」の危険性、運用利率を政令で決めてしまう問題点(国家的詐欺)などが明らかになりました。

 参加者は、3人1組で8班に別れ、45名の衆議院厚生労働委員に総当たりする要請行動を展開。日本共産党と社民党、無所属の川田悦子議員ら4名が紹介議員になることを約束してくれたのをはじめ、保守系議員からも「地元の商工会から意見が上がっています」「検討して返事します」などという対応がありました。

 民主党議員から「党としての態度は10日に決める」との話があり、事態を重視した参加団体が行動終了後、本件責任者の参議院・山本孝史議員を訪ね、改めて中小企業の実情を訴え、職安や中退共の窓口での苦労話を含め四野党結束しての反対を強く要請しました。



12日に傍聴と議員要請(予)など今後の運動強化を

 今後の行動強化では、
 1)12日午後、衆議院厚生労働委員会の傍聴と議員要請行動(予定)、
 2)17日、同委員会の傍聴と監視、
 3)参議院段階にむけての運動強化として、取り急ぎ団体署名の早期回収、参議院議員要請行動の配置
などを確認しました。






健保と中退共改悪で962万円余の負担増

社員2.5人分。または4000円の賃上げ原資

JMIUが試算「こりゃ大変だ」(100人規模の中小)

 JMIU中央本部は、健保大改悪による保険料負担と中退共制度の改悪による退職金減額の負担増について、企業規模100人の中小企業を想定して試算しました。

 それによると、JMIUの平均月収32万円、一時金110万円をモデルにすると、健康保険料自己負担は一時金からの8.2%一律徴収が大きく、年間では3万6040円、1カ月当たりにすると3000円の負担増になります。中退共の退職金は掛金1万円の場合、10年勤続で14万7000円、20年勤続で64万8000円、30年勤続では163万1000円が減額されます。

 これらの改悪は中小企業の経営も直撃します。組合員の平均的な自己負担分が3万6000円とすると、実際に企業が納める保険料はその倍の7万2000円アップ。100人規模の企業では年間720万円の負担増になります。加えて、1年間に、勤続10年、20年、30年の3人の労働者が退職したとすると、退職金の減額補てんで計242万6000円を負担することになり、健康保険料との合計は962万を超える負担増です。これだけあれば新たに社員2人と短時間パートを採用できます。あるいは一人当たり4000円の賃上げが可能となります。