2002年国民春闘共闘情報
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第23号  2002年4月04日

リストラ・医療大改悪阻止へ新展望

 第5回春闘常幹  春闘の到達点交流し後半戦へ

 国民春闘共闘委員会は4月3日、全労連会館で第5回常任幹事会をひらき、02春闘の到達点を交流するとともに「4・12国民統一スト・総行動」の強化などについて討議、確認しました。
 会議では、坂内事務局長が「3月中、下旬の回答状況」について解説。ベアゼロ・賃下げ攻撃のもとで、登録組合でも回答引き出し率が30%に達していないことや、賃上げ集計の単純平均・一人当たりの加重平均とも前年同期比でマイナスとなっている現状などを紹介しました。ほとんどの中小労組のたたかいが4月段階へ継続していることから、「4・12国民統一スト・総行動」の成功にむけて、各単産・地方組織の取りくみ強化を要請しました。リストラ問題では、JMIU池貝鉄工支部の希望者全員の雇用・退職金支払などの闘争勝利を紹介。医療改悪問題では、日本医師会大会(4月1日)の役員選挙で「健保本人3割負担・診療報酬引き下げ反対」を掲げる対立候補が191対137票で惜敗したものの、再選された坪井会長が就任あいさつで「3割負担は断固容認できない」と述べ、小泉医療改悪にマッタがかかったことなどが紹介されました。



ベアゼロ・回答延期許すな  各単産  「4・12」の成功へ決意

 交流・討論では、各産業・単産代表が春闘の到達点と「4・12」の準備状況について報告しました。
 日本医労連は「回答引き出しは138組合で前年比50組合減。85%がベアゼロ。団交をやっても『診療報酬の改悪が予定され回答できない』という経営者も。今後、定昇・一時金攻撃が出てきたら特別体制で対応する。4・12は第1次(3・14)の6万3000人を上回るよう準備中」です。
 生協労連は、「正規が57組合平均で4839円、1.63%で、前年比+138円、+0.07Pポイントながら、パートは平均5.31円、0.50%で、前年比−1.48円、−0.38Pときびしい。正規は『定昇プラス・α』でたたかいが収まってしまわないよう、4月末決着をめざして地方ごとに統一行動を配置。生協の産直にも不正表示があって内部から改善を徹底するとともに、業界と政官財の癒着を正していきたい」。4・12は行動参加者が1万人を超えるよう奮闘中です。
 建交労は、「有額回答が150組合で、前年比50組合減。運輸では2000〜3000円台に集中している。一部には『合理化』の逆提案や賃下げ攻撃も。大手・ヤマト運輸では4781円の回答の翌日に賃金体系の改悪を提案してきた。家族・年齢・勤続などの諸手当をなくすというもの。こうしたなか、企業内最賃と事前協議・同意約款の協定が増えている。4・12は交運共闘規模で国会前座り込みのほか、関生支部が11日から共同の48時間スト、鉄道は上野で拠点ストなど多彩な闘争計画が準備されている」と紹介しました。行動参加者は中間集約で1万人を超えています。
 出版労連は、「119組合中92組合が回答を引き出す。『ベアゼロ・定昇のみ』が多い。大手は定昇が1万円以上あるが、中小はたいへんだ。しかし、定昇攻撃はほとんどない。前年比で微減になっているが、1/3は妥結した。4月5日に山場の第3波ストを構え収拾に向かう。4・12はマスコミ部隊と共同のとりくみを準備中。千代田総行動に指名ストで参加、メディア規制問題で議員要請行動などを計画している」ことを紹介しました。
 全農協労連、全信労、民放労連、全損保、公務労組連絡会、国公労連、東京春闘共闘などの代表も、春闘の到達点と「4・12」の準備状況について、各々積極的な取り組み状況を報告しました。
 各単産から会議当日までに報告のあった「4・12国民統一スト・総行動」の参加予定人数(目標を含む中間集約)は、ストライキ、職場集会、地域諸行動などを含め次のようになっています。
 全農協労連3000人、建交労1万1000人、JMIU1万3000人、自交総連1万人、検数労連2000人、通信労組1200人、生協労連1万人、民放労連8000人、日本医労連8万人、郵産労1000人などとなっています。公務の国公労連、自治労連、全教では職場集会や地域諸行動を中心に各々数万人〜10万人単位の参加をかちとるよう取りくみを強めています。また、47都道府県の集計では、地方・地域の宣伝や集会など独自行動を含む全体の参加目標が30万人を超え35万人に迫っています。


局面打開へ、4月下旬に第3次統一行動ゾーンを確認

 これを受けて坂内事務局長は、「4・12」にむけて各単産・地方の引き続く奮闘と、
1)「食の安全問題」で春闘中に労組としての動きをつくっていく、
2)「信金・信組の問題」で、船橋信金などたたかう労働組合を激励する行動を起こす、
3)春闘の4月末決着をめざし、「定昇カット」問題や回答引き延ばしなどの対策を含め、4月23日、24日、25日に第3次統一行動ゾーンを配置する
――ことを提起して、まとめとしました。



 当面する重点課題を具体化 

●STOP!有事法制 4・19大集会

●中退共制度改悪反対 4・9議員要請行動

●中労委・労働者委員の公正任命を。団体署名急ごう

  会議では当面する重点課題の共同行動具体化と第73回中央メーデーの成功にむけて、国分事務局次長が説明、提案しました。
 国会情勢と有事法制阻止のたたかいについては、政府・自民党が「医療制度の大改悪」を含め今国会の会期を大幅に延長しても有事関連法案の成立をもくろんでいます。このため、職場・地域で学習会を無数にひらくこと、各労組で闘争体制を確立すること、反対署名を集め国会請願行動を強めることなどが重要。当面、陸・海・空・港湾労組20団体と日本山妙法寺、キリスト者平和ネットが呼びかける実行委員会主催の『STOP!有事法制4・19大集会』(18時30分〜日比谷野音。集会後、国会と銀座デモ)への参加が強調されました。
 中退共制度改悪反対のとりくみは、衆議院・厚生労働委員会で4月12日の審議1回で可決されようとしています。政府補填の運用利回りを現行3%から1%に引き下げるのが柱で、独立行政法人化とも連動した改悪。30年勤続・掛金1万円の労働者は163万円も減額され419万円に。労使協定によって減額分を経営者が負担すれば「退職金倒産」になりかねないとの忠告(「朝日」3/31付)も。9日午後1時30分から、衆議院第2議員会館に集合しての議員要請行動に多数の参加を。
 中労委・労働者委員の公正任命を求めるとりくみは、民間担当にMIC議長で出版労連委員長の今井一雄さん、国営担当に前国公労連委員長で顧問の藤田忠弘さんを候補者に、万全の構えで臨んでいます。世論喚起のための大量宣伝、厚生労働省交渉、国会議員要請などを展開中ですが、1万団体目標の団体署名が現在のところ遅れ気味で、当面する春闘期間中の取りくみ強化を要請しました。



●4・18&4・25 中央メーデーの成功へ宣伝・オルグ

  第73回中央メーデーの成功にむけて、都側の不当な「抽選」強行にたいし、18日「会場使用取消し」を求めて東京地裁に提訴する運びです。あわせて、亀戸中央公園での開催を大きな規模で成功させることが、今後の運動発展や来年以降の会場問題などに重要な意味をもつものです。このため、
1)4月18日(月)8時〜9時、都庁前宣伝行動、
         同9時15分〜17時頃まで都内オルグ(参加者数は要請中)、
        同18時30分〜要員責任者会議(於・東京地評会議室)を実施します。
2)4月25日(月)17時30分から18時30分。都内一斉メーデー宣伝行動。
中央・東京の単産は東京駅八重洲北口、新宿駅西口、池袋駅東口(各50人規模)で実施します。各々積極参加を要請しました。
 常任幹事会は、これらの提案を承認するとともに、次回会議を4月25日午後として終了後には役員を先頭に主要駅頭での一斉メーデー宣伝(前記)に取りくむこととしました。