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全労連第23回定期大会 2008年7月23日〜7月25日
 
【第1号議案/付属議案】

09年秋季年末闘争方針(案)

1 09年秋闘をめぐる特徴的な情勢

(1) 政治の転換をめざす総選挙を取り組む09年秋闘

 総選挙が、8月18日公示、30日投票で実施される。この総選挙は、自公連立政権に終止符を打ち、大企業中心、アメリカ追従の政治から転換し、労働者派遣法抜本改正をはじめ、雇用・暮らしの安全・安心を支える諸制度の整備、改善要求実現の展望をきりひらく政治に変えるたたかいの場である。
 また総選挙直後から、2010年夏に実施される参議院選挙に向けた政治の動きが加速することが確実な状況にもある。
 これらのことは、労働者・国民の要求と運動が政治を動かす条件がかつてなく高まっていることも意味している。そのことを確認し、貧困と格差の解消、平和の実現を求める取り組みを強め、政治の変革を求める世論を職場・地域からつくりだすことが求められる情勢にある。

(2) 総選挙から連続する2010年予算編成に向けた取り組み

 1) 政府は、6月23日の経済財政諮問会議で「骨太方針2009」を決定し、7月1日にはこれをふまえた2010年概算要求基準を決定している。
 「骨太方針2009」の内容は、「経済の危機」と「社会の危機」への一体的対応や、財政健全化と安心社会実現という「二兎を追う」姿勢を示してはいるが、基本的には「小さな政府」作りを中心におく構造改革路線を踏襲し、財界の求める経済危機への対応を優先する内容である。

 2) 政府の、2010年度予算編成方針では、新たな公務員削減計画をはじめとする「行政改革」を強調し、2011年としていた「財政健全化目標」達成を2020年に先送りして、2015年までの医療(マンパワー)、介護(従事者の確保と定着)、少子化対策(保育の多様化など)の具体化を強調した。その上で、概算要求基準では、社会保障費について「2200億円抑制」を凍結し、前年度予算総額に自然増1.9兆円を上乗せし、その範囲内での節約分は社会保障に充当するとした。

 3) 民主党は政権公約で、経済財政諮問会議の廃止を掲げ、概算要求基準の見直しにも言及しており、総選挙結果では、予算編成を通じた政策変化が具体化されていくことが想定される状況にある。
 以上のような情勢からしても、総選挙から09年秋闘、年末までのたたかいでは、労働者・国民の切実な要求実現を求める政治闘争を強化し、国民生活重視の政府予算編成を求めるたたかいを例年以上に強めることが重要になっている。
 また、財界がその実現を強く求め、総選挙での争点となることが必至の道州制問題や、通常国会への法案提出が予定されている公務員労働者の労働基本権問題など、秋の段階の取り組みが重要な課題も少なくない。

(3) 「安定した良質な雇用」の実現を求めるたたかいは労働者の要求前進の中心的課題

 1) 7月にイタリアで開催されたサミットでも、金融システム安定化の努力とともに積極的な雇用維持、創出への努力を確認した。そのことにも示されるように、「雇用なき(経済)回復」への懸念が世界的にも高まり、労働組合の取り組みへの期待が寄せられている。
 日本国内でも、4月の追加経済対策が自動車、電機などの製造業大企業を支援する内容が中心で、雇用創出や中小零細企業の経営安定策にはほど遠いものであったことから、09年秋には「景気の2番底」が生ずることへの懸念さえ広がっている。日本銀行の地域経済報告(7月)でも、景気の下げ止まりには言及しつつ、雇用情勢の悪化を指摘した。
 厚生労働省が7月に公表した「労働経済白書・平成21年版」は、2007年後半からの景気後退期の生産調整が、正規労働者の残業規制と非正規労働者の雇止め・解雇を中心に行われたことを指摘し、経済を底支えする雇用の安定を課題にあげている。

 2) 秋闘期の諸課題でのたたかいを前進させ、2010年春闘につながる展望を切り開くためにも、09年秋から「安定した良質な雇用」の実現を求める雇用闘争を強化することが重要である。
 09年夏季一時金の回答・妥結状況からしても、収益悪化や雇用状況を口実に、年末一時金抑制の攻撃を財界が強めてくることが想定される。また、国内消費の回復が遅れているもとで内需型産業の経営危機も進行しており、リストラ「合理化」の嵐が強まることも懸念される。
 それだけに、雇用破壊を許さないたたかいの強化とともに、セーフティネットの強化を求め、賃金改善による内需拡大を迫る取り組みの継続強化も必要となっている。
 さらに、地場賃金に準拠した公務員賃金を強制する動きが強まるもとでの公務員賃金確定闘争の強化も秋闘の重要課題である。

(4) 労働者派遣法抜本改正の実現などのたたかいを集中させる09年秋闘

 1) 6月下旬に民主党、社民党、国民新党で合意された労働者派遣法改正案をさらに前進させて[k1]抜本改善を実現し、労働者の使い捨てを許している労働法制から労働者保護の制度への転換の契機とさせることが求められている。
 また、秋には、派遣労働者や期間工を使い捨てにした大企業製造業の雇用責任を追及する裁判も各地で本格化し、偽装請負や期間制限違反などの申告に対する労働局の対応や、労働局指導への企業の対応を迫る取り組みも一定の段階を迎える。制度の抜本改善を実現していくためにも、現行制度を活用して理不尽な派遣切りなどをやめさせるたたかいは引き続き重要である。

 2) さらに、障害者自立支援法改正や後期高齢者医療制度廃止など、通常国会で廃案となった制度改正課題や、雇用保険法の改善を迫り、「緊急人材育成・就職支援基金」などこの間の経済対策で措置された諸制度の活用を迫る[k2]取り組みも重要な段階を迎える。
 加えて、厚生労働省は、09年2月から有期労働契約研究会を開催し、現状の問題点把握と施策検討をおこない、7月からは労働政策審議会障害者雇用分科会を開始して未批准となっている障害者権利条約とかかわる労働、雇用政策のあり方検討を開始した。このような制度検討への対応を強め、労働者保護強化[w3][w4]をめざすことも重要な課題となる。

(5) 「核兵器廃絶」「温室効果ガス排出削減」にむけた動きを加速させる国際社会

 7月のサミットで、G8は「不拡散に関する声明」を出し、「NPTに基づいて核兵器のない世界に向けた諸条件をつくることを約束する」と明記し、2010年3月に核不拡散措置を協議する「世界核安全保障サミット」をアメリカで開催するとした。
 また、「平均気温の上昇を産業革命前との比較で2度以内」とする重要性に言及し、温室効果ガスの排出量を「2050年までに90年比またはより最近の年と比べ80%削減」との先進国の長期目標を確認した。
 2010年5月のNPT再検討会議、09年12月のCOP15に向け、核廃絶と「温室効果ガス」削減が人類的課題であるとの立場に立った国際社会の動きが強まっており、これらと歩調を合わせた国内での取り組みの強化も求められる。

2 09年秋闘の重点課題と取り組み

 大会方針でも提起しているように、09年度は日本社会のあり方や労働者の雇用、くらしの将来を左右する重要なたたかいが連続する状況にある。
 雇用確保や賃金改善など労働者の要求をもとにした国民的な共同を追求し、要求実現を攻勢的に迫るたたかいを秋闘期から強め、2010年春闘に引き継ぐ態勢確立を追求する。
 09年春闘期の運動の到達点、教訓を引き継ぎ、雇用闘争を重視し、全労連の存在と影響力を高め、要求実現の展望を自らのたたかいで切り開く。
 11月8日に予定する「国民大集会」(東京・代々木公園)を09年秋闘最大の取り組みに位置づけ、切実な要求とその実現にむけた運動を集中させ、国民共同の大きなうねりを作り出す。

(1) 解雇、失業に反対し、雇用の安定を求める取り組み

 1) 労働者派遣法抜本改正を求める取り組みを強める。
 総選挙後の実質審議が行われる国会で、これまでの共同の積み上げの到達点などもふまえた労働者派遣法改正の実現をめざす。
 労働者派遣法改正に反対する業界団体などの動きも強まっていることもふまえ、大会直後から、5月21日の「幹事会アピール」での4項目((1)製造業派遣の禁止、(2)登録型派遣の禁止、(3)違法派遣等の場合の派遣先企業の直接雇用の義務付け、(4)派遣先企業の労働者との均等待遇原則の明記)での国会請願署名に取り組む。取り組み期間は10月末日までとし、組織内の早期集約及び友誼団体などへの協力要請の取り組みを強める。
 総選挙直後の早い時期に、抜本改正を求める集会、国会議員要請行動を配置する。各県段階での地元選出国会議員等への要請行動を集中的に実施する。
 国会開会後の早い時期に、諸団体にも呼びかけた集会等の開催をめざす。
 派遣先企業の雇用責任を追及してたたかわれている裁判闘争への支援を強める。適当な時期にこの課題での「裁判闘争交流集会」(仮称)を開催する。
 10月1日に労働法制中央連絡会総会を開催し、以上の取り組みも含めたたたかいの意思統一をおこなう。

 2) 首切り「合理化」に反対し、公的分野などでの雇用創出や大企業の雇用責任追及の取り組みを強める。
 単産の協力も得つつ、地域組織での労働相談、オルグ体制の維持、強化をはかる。
 10月中旬に、ハローワーク前宣伝・アンケート行動を全国的に取り組み、雇用創出を求める世論喚起をはかることで準備を進める。この結果などをもとに、自治体、政府要請行動などを取り組む。
 11月8日の「国民大集会」の主要課題に雇用問題を位置付け、連動させた政府交渉などを取り組むこととし、各単産、地方組織での要求と行動の積み上げをはかる。雇用要求取りまとめのためのプロジェクトを単産、地方組織の協力を得て設ける。

 3) 生活・労働相談の取り組みを継続強化し、関係団体とのネットワークづくりを進める。
 9月下旬に、「派遣村」、街頭相談、生活・労働相談などの経験交流の集会を開催し、取り組みの交流をはかり、発展方向を論議する。
 「相談ネットワーク」(仮称)づくりもめざした諸団体との協議、共同を進める。

 4) 労働時間短縮を求め、働くもののいのちと健康を守る取り組みを強める。
 地球温暖化問題にかかわる労働者の取り組みを強める立場から、「24時間型社会」を告発し無駄な夜間労働の規制を求める取り組みを進める。9月下旬に「夜勤労働規制強化を求めるシンポジウム(仮称)」を開催することで準備を進める。
 9月11日の「いのちと健康を守る全国センター」10周年記念シンポジウム(東京)、12月4日の同センター第12回総会の成功に尽力する。

(2) 地域最低賃金の引き上げ、公務員賃金確定、年末一時金闘争の強化

 1) 目安改定も受けた地域最低賃金引き上げを求める取り組みを強める。全県での異議申し立てを追求する。
 「時給1000円」、「全国一律最低賃金制」の早期実現をめざし、中小企業団体などへの申し入れ、懇談や共同の集会開催、地方議会要請行動などの具体化をめざす。

 2) 10年春闘にも影響する重要な課題として、年末一時金獲得、公務員賃金確定など、賃金改善での要求前進をめざす。回答引き出し、追い上げの全国統一行動を11月18日(水)に配置する。
 この日に中央行動を配置し、要求実現を求める決起集会などを取り組む。

(3) 公契約運動を本格的に展開

 公契約の現状についての実態調査を単産、地方組織の協力を得て進める。
 「公契約運動交流集会」(仮称)を10月下旬に開催することで準備を進める。
 公契約条例制定に向け、自治体要請、地方議会請願を09年12月議会から開始する。
 単産、地方組織の協力を得て「公契約運動推進対策会議」(仮称)を設ける。
 関係団体にも呼びかけた「公契約懇談会」を11月段階に取り組むことで準備を進める。
 国、地方自治体で働く非正規労働者の賃金、労働条件について、この間の取り組みをふまえた実態分析をおこない、2010年春闘期の取り組みにつなげる。

(4) 労働基本権確立、労働者の権利を守る取り組み

 1) 公務員の労働基本権確立に向け、公務員制度改革闘争本部での政府追及を強める。
 政府の労働基本権検討委員会の動向も見つつ、9月下旬頃に「公務員の労働協約締結権構想」(仮称)の意見交換会を開催する。
 12月4日(金)に、政治活動の自由回復を求める「言論弾圧3事件の勝利をめざす集会」関係者と共同して開催する。
 日本年金機構への移行にともなう雇用問題の回避を求め、関係単産と協力した取り組みをすすめる。

 2) 国鉄闘争の早期解決、NTT闘争などすべての争議解決をめざして取り組む。
 9月12日に開催が予定されている「2009年国鉄フェスタ」(札幌)の成功をめざす。
 11月17日に秋の争議総行動を展開する。
 11月26日に、労働委員、労働審判委員の「合同研修会」を開催する。

(5) 社会保障の拡充、消費税増税反対など取り組み

 1) 2010年予算の国民本位の編成や、医療、福祉、保育、教育などの充実を求めて地域からの取り組みを強める。
 大会直後から、消費税増税によらない社会保障、教育予算の充実を求める政府あて個人署名を9月から開始し、11月8日の国民大集会を節目に、11月末まで取り組む。
 介護保険制度の抜本改善と介護労働者の処遇改善にむけて、「新認定制度の見直し」や「介護職員処遇改善交付金」の改善に向けた運動を強める。10月18日の介護にはたらく仲間の全国交流集会の成功をめざす。11月11日の介護の日を中心に、宣伝行動や「介護相談110番」などに全国規模で取り組む。
 保育制度改悪反対、医療・介護体制の充実、教育費無料化、最低保障年金実現などの取り組みを関係団体と共同して進める。

 2) 12月7日からデンマーク・コペンハーゲンで開催されるCOP15を節目に、温室効果ガスの削減を求める取り組みを強める。同会議への要請団に単産、地方組織からの参加を呼びかける。すでに作成配布しているDVDやパンフレットなどを活用した学習会やこの課題での集会開催を職場・地域で具体化するよう呼びかけを強める。

 3) 食健連、社保協など加盟共闘の取り組みの成功をめざす。
 全国食健連は、「食料自給率向上」政策の確立を求める国民署名運動と並行して10月から12月上旬に取り組む秋のグリーンウエーブの成功に尽力する。12月9日の中央集結行動に結集する。

(6) 憲法改悪の策動を跳ねかえし、平和を守るたたかい

 1) 取り組みを進めている「憲法改悪反対署名」「核兵器のない世界を」新国際署名の目標達成(それぞれ500万筆)に向けた取り組みを進める。
 12月までの毎月6日から9日を両署名の集中取り組みゾーンに設定し、街頭、個別訪問署名などの行動を集中させる。行動に向け、必要な宣伝資材などを全労連として提供する。また、この行動ゾーンを中心に、職場、地域での憲法等の学習会などを具体化し、組合員全員参加の署名行動への発展をめざす。
 新国際署名推進の意思統一、経験交流を図るための「交流会議」を10月15日に開催する。

 2) 米軍基地の再編強化とのたたかいが重要な時期を迎えることから、9月24日〜27日に沖縄で開催される安保破棄中央実行委全国代表者会議(基地闘争交流集会)、12月11日〜13日に神奈川で開催される平和大会への参加を強める。

(7)  政治の民主的転換をめざす取り組み

 政治の転換をめざし総選挙闘争を重視して取り組む。
 革新統一でたたかわれる主要な首長選挙などでの労働組合としての取り組みを強める。
 10月24日、25日に奈良市で開催される全国革新懇総会・交流集会の成功に尽力する。

(8)  世界の労働組合との連携、共同の取り組み

 ILO条約勧告適用専門家委員会の審議にも対応した情報提供を9月初旬におこなう。
 総選挙などの関係で日程が遅れていたCITU、中華総工会との定期交流を09年秋に実施する。
 アメリカの友好組合であるUE大会に代表を派遣する。あわせて、2010年NPT再検討会議への代表団派遣の準備を進める。

(9) 09年秋闘と並行した10年春闘準備

 春闘要求アンケートを10月から開始し、第1次集約を11月末、第2次集約を12月20日の日程で取り組む。未組織・非正規労働者の要求組織の方策について検討する。
 10月2日に賃金交流集会を東京都内で開催し、10年春闘にむけた課題、取り組みの論議を開始する。
 10月23日の国民春闘共闘委員会総会なども経て、11月21日に10年春闘討論集会を東京都内で開催する。
 10年春闘の統一要求、方針などを決定する第44回評議委員会を2010年1月13日、14日に東京都内で開催する。

3 11月21日の「結成20周年」を大きな節目においた組織拡大運動

 全労連全体では08年7月から09年6月の1年間で、8万3,666人の組合員拡大を達成し、純増・拡大の可能性が見えてきた。ローカルユニオンの組合員数が1万人を超えたこともあわせ、組織拡大の取り組みでも歴史的な変化にふさわしい状況が生まれている。
 このような取り組みの変化、到達点を全組織の教訓として09年秋の拡大運動を全組織、全組合員参加で取り組み、11月21日の「結成20周年」を過去最高の峰で迎えるという目標達成をめざす。

 1) 拡大月間を10月から12月の3か月間設定し、未加入者の解消、未組織労働者への働きかけ、労働相談などの取り組みを集中して強める。
 9月15日、16日に、拡大月間の取り組みの意思統一をはかるための組織担当者会議を開催する。
 10月1日から10日の間を組織拡大集中宣伝、意思統一旬間に設定し、単産、地方組織での拡大決起集会や、ターミナル宣伝行動などの具体化を呼びかける。
 11月30日、12月1日に労働相談ホットラインを開設する。その前の11月23日の週に第2次集中宣伝行動ゾーンを設ける。
 これらの取り組みとも並行しながら、「5000人未満県組織」への対策を単産、地方組織の協力を得ながら、個別的に具体化を進める。

 2) 各部会での取り組みを強め、階層別、職別の取り組み強化をはかる。
 民間部会の総会を9月17日に開催する。
 公務部会の総会を9月30日に開催する
 青年部の定期大会を9月12日、13日に開催する。
 女性部の定期大会を9月12日、13日に開催する。働く女性の中央集会を10月3日、4日に兵庫県神戸市で開催する。
 非正規センターの総会を11月7日に開催する。パート・臨時労組連絡会の第9回総会を10月25日に開催する。前日の24日に「非正規労働者と社会保障」をテーマに総会記念学習シンポジウムを開催する。

 3) 非正規雇用労働者全国センターとして取り組んできた「青年の労働と健康実態調査」結果を公表し、青年労働者の労働安全衛生、健康にかかわる全労連の要求政策づくりを進める。また、非正規センターでのサポータ制度の確立に取り組む。 

 4) 組織拡大推進費も活用した教育活動の強化をはかる。
 8月10日、11日に、2回目となる幹部セミナーを岐阜市で開催する。
 10月10日から12日に第1回初級講座を大津市で開催する。

 5) 「全労連共済」の発足に向けた準備を加速する。
 組織的な引き継ぎ等に万全を期すとともに、新規共済の開発論議を進める。
 10年1月13日、14日に開催する第44回評議員会の決定を受けて、全労連共済を2月1日から実質化させる。

 以 上

公契約運動の具体化に向けて(案)

1 はじめに

 全労連は、09年秋から、“機が熟してきた”公契約運動を本格的に前進させる。
 「公契約対策委員会」を設置し、3年程度を目途に公契約条例制定の拡大と公契約法実現をもとめる取り組み計画を策定し、具体的な運動を進める。

2 公契約運動をめぐる情勢と運動の柱

(1) 「公契約」のもとで進む労働者状態の悪化
 1) 国や自治体の発注する公共工事・委託事業に従事する労働者の産業分野は多岐にわたる。建設、ビル・メンテナンス、印刷、出版、清掃、給食調理、福祉、介護、保育、学童保育、図書館司書、一般事務など、あわせると1000万人以上と言われる。
 これら「公契約」のもとで働く労働者に、雇用不安と賃金低下が広がっている。労働者・国民に対し、「健康で文化的な最低限の生活を保障」すべき立場にある政府・自治体が、税金を使って行う公共工事・公共サービス事業を通じて「働く貧困層」(ワーキングプア)を生み出すという矛盾が顕在化している。

 2) この背景には、大企業奉仕の公共投資の結果である財政赤字の「ツケ」を公務員の定員削減や、政府・自治体の緊縮型財政運営、庶民への負担の押し付けで乗り切ろうとする行政改革がある。同時に、公共サービスを新たな儲けの場にしようとする財界の動きもみすごせない。
 公共サービスや公共工事の予算を削減する目的で随意契約から競争入札へと切り替えられ、「指定管理者制度」「市場化テスト」PFIをも導入した民営化・民間委託の拡大が進められている。

 3) 国や自治体が委託業者との間で結ぶ「公契約」では、民間業者間の契約以上に低い価格が押し付けるようになっている。「安ければ良し」の底なしのダンピング入札がまかり通る中で、受注企業が利益を得るため、労働者の賃金や労働条件が引き下げられている。
 市役所の広報紙の印刷費は数年前の見積価格の3分の1程度に抑えられ、庁舎清掃の労働者が最低賃金以下で働かされている。重層下請け構造の建設業では、労務単価見積もりの算定基準となる「二省協定単価」がありながらこれが無視され、ピンハネ構造の末端で下請け労働者が極端な低賃金で働かされている。

 4) 雇用問題も深刻になっている。国や自治体から安い委託料で業務を請け負った業者は、人件費を引き下げて収益をあげなければならず、また、次年度も仕事がとれる確約がないため、有期契約の非正規労働者を雇用している。入札で委託業者が替わるたびに、これまで働いていた熟練労働者が解雇される。熟練労働者の雇用が、新しく落札した業者に引き継がれる場合でも、委託料金は従前より減額されているため、賃金・労働条件の不利益変更を強いられている。

(2) 「公契約運動」の二つの柱
 1) 公契約分野における安定雇用と適正な賃金・労働条件を確立する取り組みを、地域の賃金水準の底上げをはかる制度改正運動と並行させて進めてきた。
 その重要な取り組みが、「自治体キャラバン」である。事前アンケートで自治体非正規職員の人数や賃金、担当者の「公契約」課題への問題意識と対応をつかみ、国や各自治体と対比をした上で、事後、あらためて国・自治体との要請(交渉)を行う。そこで、非正規職員の待遇改善や「公契約」における適正賃金・労働条件確定にむけた問題意識の醸成と、対応改善を要請している。
 この取り組みの到達点も教訓に、競争入札や、指定管理者制度、市場化テストなどの民営化路線のもとで起きている、公共サービスの質の低下と労働者の雇用不安・賃金低下という実態を調査、「可視化」し、公共サービスの受け手であり、納税者でもある市民にも知らせる取り組みを進める。行政当局に制度改善を求め、現行法規のもとでなしうる最大限の対応を追及する。公契約条例・法の制定によって雇用不安を引き起こす低入札の解消が可能なことを紹介し、制度実現の世論を広げる。
 このような公務の非常勤職員や公務関連職場の労働者の労働条件の底上げ要求実現などの取り組み一体で、公契約運動の前進をめざすことを柱の一つにすえる。

 2) 先行して取り組まれてきた「公契約懇談会」運動、建設産業や自治体で働く仲間の産別としての取り組みは、行政当局や地方議会に大きな影響を与えている。また、低入札の弊害は、「官製ワーキングプア」の増大、公共サービスの質の低下や供給の不安定化などは、もはや社会的に放置できない状況となっており、マスコミの関心も高まっている。
 地方自治体首長や、議員の間にも、公契約問題への関心や問題意識が広がりはじめている。
 こうした中で、地方自治体を中心に先進事例が生み出されている。
 (1) 委託先で働く労働者の賃金を適正な水準で守らせるために、積算の根拠を確立させ、それを委託先に保障させ、それが実際に運用されているかを把握し、指導しようとする試みも、部分的ではあるが、具体化されつつある。土木・建設分野では、設計労務単価をもとにした指導文書やその発展型である「函館方式」が注目され、問題意識をもっている自治体当局では模範とされている。
 (2) 役務提供型の場合は、賃金の設定の社会的標準自体が、未確立であり、多くの自治体は明確な積算根拠をもたず、見積もり実績どおりという実態である。こうした中で、熊本市のように職員の給料表をベースに積算する方法、静岡市のように民間求人募集賃金の類似職業求人賃金の「上限額」を使用する方法などが、注目されつつある。
 (3) 入札制度による雇用と労働条件の切り下げ問題を解消する手立てとしては、大阪府豊中市の総合評価方式や日野市総合評価方式が注目されている。豊中市では、評価項目の中に「既雇用者の継続雇用促進の意思」や「新規雇用予定者に対する雇用条件(賃金など)」「育児・介護の休暇・休業制度」「女性管理職の割合」などが設定されており、それぞれに加点をする方法である。
 (4) 日野市では、労務単価を「2省協定の80%以上が確認できる」こと、「地域貢献」として市内請け企業に対する「下請け金額が50%以上」等にすることを求めている。さらに注目するのは、「履行確認」として、労務単価の80%が確認できないとき、市内下請け金額が50%未満だったときには、それぞれ、5点減点することなどを明確にしたことである。先の「函館方式」でも2省協定の設計労務単価は、「留意」だったり、「参考」程度でしかなかったものが、不十分な労務単価とはいえ、「2省協定の80%以上」の「確認」を求めた点で、画期的なものとなっている。
 (5) 東京都国分寺市では、「調達に関する基本指針」の理念を確定し、「推進計画」を作成しつつある。「社会的に適正な雇用水準を向上させる」として、調達に含まれる人件費や労務水準の把握ができる仕組みを取り入れようとしている。
 (6) 兵庫県尼崎市では、公契約条例制定の意見書採択を契機として、議会内に委員会がつくられ、議員主導の提案で、地方公務員の高卒初任給を下回らないことと、均等待遇の実現という基準で、公正賃金を確立しようとする公契約条例案が08年12月議会に上程された。行政と保守系議員らの反対で、5月議会において否決されたが、そのプロセスで市当局の見解を覆す政府見解がだされ、「契約相手に対し最低賃金以上の賃金を求める公契約条例は最賃法違反ではない」旨、明確にされた。その後、千葉県野田市では9月議会に市長提案で公契約条例が提案されるなどの動きも浮上している。
 これらの先行事例を広め、ILO94号条約の趣旨をふまえた公契約制度の実現を自治体に求め、公契約条例制定の動きを加速させ、国に公契約法を制定させる制度実現の運動も柱の一つにすえる。

3 09秋年末闘争における公契約運動の取り組み案

 (1)公契約運動交流集会(中央)
 10月下旬に、公契約シンポジウムを開催し、この課題における運動の到達、先駆的対応の実例、運動方針について、意思統一をはかる。
 (2)業界団体・中小企業団体訪問運動(中央・地方)
 官公需に係る業者団体を訪問し問題意識を共有する。公契約課題を懇談する場への参加をよびかける。
 (3)「公契約運動推進懇談会(仮称)」の結成(地方)
 可能な地方で「公契約問題運動推進懇談会」を追求する。構成は、公務労組、官公需関連職場をもつ民間労組、業者団体、市民団体などを想定し、各地における公共サービスの実態について、市民・労働者・発注者の目線で精査し、問題点を明らかにし、公契約運動に資する方向での対策を打ち出す。成果は、自治体キャラバンその他で活かす。
 (4) 地域総行動での自治体要請
 地域組織での自治体キャラバンによる、アンケート調査と要請行動の中で、公契約課題での対応の前進を求める。
 (5) 「公契約問題事例」集の作成
 「公契約問題事例」を全労連として作成する。現場の労働者に何がおきているか、それによって行政目的がいかに損なわれているか認識してもらう。その上で、対応策としての「先駆的事例」を紹介する。
  中央では、総務省をはじめとする省庁要請行動を具体化する。
 (6) 地方議会への意見書採択運動
 地域経済活性化の視点から、「官公需関連の地場業者の適正利潤の確保」と「労働者の安定雇用と適正賃金・労働条件確立」を目的とした「公契約条例制定」の自治体決議の採択を求める。
 政府に対し、「公契約法制定」の意見書採択を求める。
 12月議会からスタートできるよう準備を進める。
 (7) 地方議会議員への懇談と勉強会の結成
 ・地方議会議員に公契約課題での要請を行なう。問題意識をもつ議員をグループとした「公契約条例制定研究会」を結成するよう働きかける。

 以 上