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全労連第22回定期大会〜全労連議長あいさつ
全労連第22回定期大会(1日目)

全労連第22回定期大会・国際連帯のつどい(2006年7月26日、東京)

海外代表の発言

フランス・労働総同盟 (CGT)
ジャン・ミッシェル=ジュビエ アジア・太平洋担当政治顧問

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 全愛な友人のみなさん、同志のみなさん、

 始めにみなさんからのご招待に感謝し、また、フランス労働総同盟(CGT)からの兄弟的なご挨拶をお伝えします。私たちの両組織のあいだには長年の友好関係がありますが、私たちは、全世界の民主的で自主独立の全ての労働組合組織との関係と同様に、みなさんとの関係をさらに発展させたく思っています。

 いま、世界は暴力によって平和が繰り返し脅かされ、労働者の勝ち取ってきた権利や保障が自由主義的なグローバル化によって破壊されようとしています。このような世界において、私たちは、国際レベルで労働組合の団結を強化する必要があります。活動を始めて1世紀あまり、この間、労働組合運動は、少なくとも先進諸国においては、各国の枠組みのなかで社会的な権利の構築に貢献してきました。国という枠組みは、依然として労働組合運動の行動にとって適切な枠組みであることに変りはありません。そのことは、最近、フランスで私たちが政府の提出した青年の「新規採用契約」の撤回を勝ち取ったことでも明らかです。しかし、もはや各国レベルの社会的関係だけでは、グローバル化が人類に突きつけている経済、社会、環境などの問題のすべてに対処することができなくなっています。

 ILOは「グローバル化の社会的側面に関する世界委員会」を設置しましたが、この委員会の分析はCGTの見解と一致するものです。委員会は次のように述べています。
「グローバル化は巨大な潜在的可能性を秘めているが、大多数の男女にとっての、グローバル化は、彼らの単純で正当な願いである人間らしい労働(ディーセント・ワーク)という要求にすらこたえられていないのである」。

 事実、各国国内および諸国間では不平等が拡大し続けています。この不平等が各国間、特に北の諸国と、南の諸国とのあいだの発展の格差を広げています。また、グローバル化は豊かな国においては、雇用の不安定化、社会的排除の拡大、集団的権利や社会的権利の全体的な引き下げ、公共サービスの民営化などをもたらしています。

 グローバル化の加速化と拡大は、国際、地域、各国の各レベルの労働組合運動にとって、一つの挑戦です。私たちが孤立していたり、各国の枠内にのみこだわっていては、労働組合運動がこの挑戦にこたえられないことは明らかです。

 世界貿易機構(WTO)ができて10年になります。しかし国際的あるいは各国の労働組合運動は、労働者の基本的権利、特にそのなかでも最も重要な権利である結社と団体交渉の自由の尊重を、WTOの貿易交渉のなかに含めさせることに未だ成功していません。WTOでも、IMFでも、世界銀行でも、ようやく積極的な変化が見られてはいますが、現実の具体的な雇用は全く議論されていないのです。

 労働組合運動のこの失敗を重視したCGTは、国際自由労連と国際労連からの、新国際組織結成のプロセスを開始しようというよびかけに、積極的に応えることを決めました。そして2004年4月末に、多くはどの国際組織にも加盟していない、自主独立で民主的な十程度の団体で構成されるコンタクトグループ(連絡委員会)に加盟しました。

 2006年4月末のCGT大会は、こうして始まったプロセスを承認するとともに、新国際組織結成にたいする支持を表明しました。この新国際組織は、排除なく誰にでも開かれ、諸国人民のあいだの連帯と相互理解を発展させ、基本的社会権と社会進歩、民主主義、平和のための共同行動に参加し、また人々を動員する手段を世界の労働者に与え、現在のグローバル化に代わる対案を提起することに貢献することを目標としています。

 この新国際組織に加盟するかどうかの最終決定は、来る9月27日に、二つの大会のあいだの最高指導機関が下すことになっています。われわれは、11月の結成大会は最初の段階にすぎず、これまで身についた組織運営の方法が一夜にして変わることはないのは良く承知しています。しかし、新組織は世界規模での労働組合運動の効果的な統一の希望を担うものです。わたしたちはこの新国際組織を、民主的、複数主義、自主独立の、戦闘的で透明性のある、いかなる排除もない組織にしたいと考えています。一言で言えば、新国際組織は共同、連帯を実現するための近代的なツールであり、行動をおこし、国境を越えた労働者の要求をまとめあげ、交渉するための手段なのです。

 平和の問題に触れずに発言を終わることはできません。中東で勃発している戦争にたいして、「CGTは爆撃とロケット発射を即時停止、イスラエル軍の撤退、拘束された人々全員の解放、関連する全ての国連決議、特に1967年から占領されているパレスチナ領土からのイスラエル軍の撤退要求決議の実施」を要求しています。

 この問題で国際社会と欧州連合が沈黙し、行動をおこしていないことで、世界の労働組合組織が圧力をかけ、国連が平和を保障するという本来の役割を完全に果たせるようにする必要性がますます大きくなっています。最後になりますが、私はちょうど1年位前に、広島・長崎に行き、両市の被曝60周年の行事に参加しました。この機会に私は、みなさんの核兵器廃絶のたたかいへの支持を再度、表明します。みなさんのたたかいは私たちのたたかいでもあります。

 ありがとうございました。良い大会を!

 

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