全労連第20回大会 特別決議
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 特別決議



すべての争議の早期解決をめざす決議(案)


 経済のグローバル化のもと国際的な業界再編・企業統合の動きと持株会社の拡大により、この間、企業再編の動きが強まり、不採算部門の切り捨て・大量解雇が強行されている。また、小泉内閣の「不良債権早期」処理により、地銀や信金信組の破綻・統合がすすみ、中小企業への貸し剥がし・貸し渋りが強められて、中小企業の倒産が激増している。
2002年度の全労連関連争議は、6月現在18単産269争議、42地方401争議にのぼっている。
 私たちは厳しい情勢のもとでもこの間、いくつかの勝利を勝ち取ってきた。男女差別芝信用金庫争議の東京高裁勝利判決、住友ミセス差別事件の勝利判決、20数年間にもおよぶ全税関差別事件の勝利、トンネル塵肺闘争では、2001年2月の東京地裁の和解を契機に19地裁で和解を勝ち取る画期的な前進があった。また、NCR、日本IBMでの勝利、JMIU池貝支部の民事再生法による倒産・全員解雇のたたかいでは、背景資本に債権の一部を放棄させて労働債権と一部の雇用を確保し、全印総連のほるぷ争議も親会社である日本出版販売に責任をとらせて和解勝利解決した。一方で、明治乳業事件の中労委敗訴、仲立証券争議など金融争議の長期化、国鉄闘争など、困難な争議もまたあとを絶たない。
 国鉄分割民営化に伴う国鉄労働者への攻撃は、NTTなど現在の大企業リストラの原点といえる。1047名の解雇撤回をめざす国鉄闘争は16年目に入っている。この闘いは「国家的不当労働行為」との闘いであり、政府・JRの責任でILO勧告でも指摘されている早期解決をはかるため今後とも闘争強化を図る。
 日本最大企業で戦後初の純粋持ち株会社であるNTTの11万人「合理化」は、さまざまな違法・脱法行為により事実上の50歳定年制、賃金・労働条件の一方的不利益変更を労働者に迫るものであり、絶対に認められない。全労連は対策本部を設置し、通信労組の闘いを全面的に支援してきた。 
 現在、食品三争議(明治乳業・雪印・ネスレ)のたたかいに関係地方組織を含めて支援の態勢を強めており、食の安全問題とあわせ国民的運動に発展させ早期全面解決を図ろうとしている。
 不当労働行為との闘いでは、労働委員会と労働者委員の果たす役割が極めて重要になっている。中央労働委員会・地方労働委員会の労働者委員の公正任命を求める運動を強めるとともに、労働委員会の民主的改革をめざし、奮闘する。
 現在、小泉首相を本部長とする司法制度改革推進本部では50年ぶりの司法改革が着手されている。国民が裁判に関与する制度としての「裁判員制度」の実現、労働裁判を労働者の権利が守られる裁判にするために「労働参審制」の実現などを求めた運動を強化しなければならない。特に裁判に敗訴した者が、相手方の弁護士費用まで負担させられる「弁護士費用の敗訴者負担制度」は国民の裁判をする権利を阻害するものであり絶対に阻止しなくてはならない。
 争議は、労働者・国民の労働権、生存権を踏みにじり、基本的人権と人間の尊厳を破壊しようとする者との直接対決の場でもある。すべての争議の早期勝利解決を図るため広範な国民要求との接点を重視し、すべての全労連加盟組織の集中した力で早期全面解決に向けいっそう奮闘する。
右 決議する。

2002年7月25日
全国労働組合総連合
第20回定期大会




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