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【緊急決議】労働者派遣法「改正」法案のさらなる骨抜きに抗議し、抜本改正を求める

 民主党と自民・公明の3党は、労働者派遣法「改正」法案の大幅修正で合意し、今国会に修正法案を緊急提出する手続きを開始したと報じられている。修正の内容は、(1)登録型派遣と製造業務派遣の「原則禁止」規定の削除、(2)日雇派遣の原則禁止の緩和(i:日々または2ヶ月以内の派遣禁止から日々または1ヶ月以内の派遣禁止への変更、ii:禁止の例外に「雇用機会の確保が特に困難な場合」等を追加)、(3)違法派遣の場合の「労働契約申込みみなし規定」は法施行から3年経過後に延期などであり、大幅な後退、法案のさらなる骨抜きである。
 現行の政府「改正」法案ですら、「原則禁止」と言いながら大穴があいていることなど、さまざまな問題点が指摘されてきたが、今回の3党合意は、登録型派遣や製造業派遣の「原則禁止」という法「改正」の看板そのものを投げ捨てるものである。リーマン・ショックに端を発した派遣切りの嵐や「派遣村」の教訓を踏みにじり、「労働者はモノではない。使い捨て止めよ」「貧困と格差を解消し、ワーキング・プアなくせ」という、政権交代に託した労働者・国民の強い願いに逆行する暴挙である。こうした重大な変更が、国民には何も説明されず、一部国会議員の短期間の密室協議で決めらたことは、手続き面からも強く批判されなければならない。
 修正理由については、「震災後の厳しい雇用情勢のなかで規制強化は雇用をかえって悪化させる」とか、「継続審議のままで何も変わらないよりは、一歩でも前に進めるべき」「早く派遣法をあげ、有期労働法制やパート労働法の改正に進むべき」などということが言われている。しかし、私たちはこれらの言い訳には同意できない。
 大震災と原発事故の被災地をみても、雇用が大きく壊れ、うまれつつある新たな雇用も多くが低賃金の短期・非正規雇用であり、「これでは暮らせない」という声が強くあがっている。全国的にも、震災の影響を最も受けたのは派遣など非正規労働者だった。派遣をはじめ多くの非正規労働者が今回も「雇用の調整弁」とされ、職を奪われたり、大幅な減収に直面した。
 被災者への生活支援、失業・失職時の生活保障が不備な状況のもとで、現状がいつまでも放置されれば、低賃金・不安定雇用にも飛びつかなければならない人々が大量にうまれ、それが日本の雇用を一段と悪化させるという悪循環にもなりかねない実態がひろがっている。
 「生活の安定なくして、復興も日本経済の再生もなし」「震災だからこそ、安定した良質な雇用の創造を」、これがいま学ばなければならない大震災からの教訓である。
 私たちは、労働者派遣法「改正」法案のいっそう骨抜きを策す今回の動きに満身の怒りをもって抗議する。そして、3党合意を即時撤回し、被災者や派遣など非正規労働者が置かれている厳しい実態論議をつくし、労働者派遣法の早期抜本改正をおこなうよう強く求める。

 2011年11月19日

全労連・全国集会2011参加者一同

 
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