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【談話】第176回臨時国会の閉会にあたって

 本日、第176臨時国会が閉幕した。参議院で、政権与党が過半数の議席を確保できない状況下の国会で、補正予算は成立したものの、労働者派遣法改正法案をはじめ多くの法案が、審議も行われないままに継続審議となった。
 成立した法律でも、関係者などが廃止を強く求めていたにもかかわらず、施設利用料について1割負担を残したままで低所得者の減額措置を取る「障害者自立支援法」の延命法案が、わずかな審議時間で強行成立させられた。
 このような国会審議の結果は、深刻な雇用状況やデフレ経済の早期改善を求め、国民生活の安定に寄与する施策の実施を求める国民の期待に応えるものとはなっていない。

 また、小沢元民主党幹事長が政治資金規正法違反で強制起訴されるという新たな事態のもとで、「金と政治」をめぐる疑惑解明への国会の自助努力も求められたが、小沢氏の証人喚問も実現せず、その点でも国民の期待に背くものとなった。
 さらに、国会開会中、警視庁の内部資料の流出や海上保安庁職員によるビデオ映像のインターネットへの投稿が相次ぎ、政府の情報管理の在り方が問題となったが、その点での国会審議は非難の応酬や「国家機密法」論議へのすり替えに終始し、問題解明や悪影響拡大への対応論議はほとんど行われなかった。

 一方で政府は、国内の産業経済への影響をまともに検討しないままにTPP(環太平洋戦略的経済連携協定)への参加に道を開く「情報収集の協議開始」を決定し、民主党は企業献金再開や「武器輸出三原則」の見直し、法人税の実質減税要望を決定するなど、2009年総選挙時の公約を投げ捨て、大企業本位の政治への回帰を一気に進めた。この点は、国民への背信行為と言わざるを得ない。

 国会最終盤の参議院で、官房長官及び国土交通大臣への問責決議が可決され、1月に召集される第177通常国会冒頭から国会審議が混乱することも予測される。
 先の第174通常国会の終盤以降、国会ではまともな審議が行われず、先にも触れた労働者派遣法改正法案など労働者、国民のくらしに影響する法案がたな晒し状態にある。その一方で、無権利状態におかれている国家公務員の給与削減法案の策定を与野党が競い合い、権限・根拠も不明確な事業仕分けで政策的一貫性もなく雇用対策などが切り捨てられるという法治国家らしからぬ状況が一段と進んだ。
 このような状況が長期化することは、議会制民主主義の「自殺行為」にもつながりかねないことを危惧する。言論の府にふさわしく国民世論に応える真剣な審議で、立法機関の責任を十全に果たす国会正常化を強く求める。

2010年12月3日

全国労働組合総連合
事務局長  小田川 義和

 
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