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2008年5月9日

【意見】G8レイバーサミット2008に向けた全労連の意見

全国労働組合総連合       
事務局長 小 田 川 義 和

 5月11日から13日の間、新潟市で「G8労働大臣会合2008(レイバーサミット)」が開催される。その初日には、G8を構成する各国の労働団体などとの「対話」も予定されているが、不当な全労連排除を繰り返している日本政府の姿勢もあって、我々には招待状が届いていない。したがって、「レイバーサミット」での論議が予定されている「グローバル化及び高齢化のもとでの雇用・労働政策のあり方議論」とかかわって公表されている「三つの観点」に留意しつつ、本文書で全労連としての意見を表明する。

 第1に、グローバル化による国際競争の行き過ぎを是正し、労働者に安定した雇用と収入を保障する施策やディーセントワークの実現をG8各国が協調して実施することを強く求める。
 今、世界を席巻しているグローバル化は、格差を拡大し貧困をより深刻にするなど、労働者を幸せにしていない。
 日本においても、1990年代後半以降、格差を示す一つの指標であるジニ係数や、貧困率が急上昇している。その大きな要因は、労働分配率の低下にみられるような企業への富の偏在化であり、非正規労働者の急増にある。すなわち、グローバル化のもとで、所得低下と雇用の不安定化が進行しているのである。 そのことが社会の不安定要因となり、持続可能性を低下させる結果ともなっている。

 第2に、ヘッジファンドなどによる過剰流動資産による投機を規制する措置を即刻講ずることを求める。
 天文学的な数字に膨らんでいる金融資産による投機活動は、食糧危機や原材料高騰の元凶になっている。グローバル化は、労働者だけでなく市民の生存をも脅かし始めており、早急な対策が求められる。

 第3に、地球温暖化問題ともかかわって、環境負荷の高い働き方の是正が求められている。
 特に、日本においては、製造業での24時間操業をはじめとして、深夜労働が蔓延し、長時間労働が恒常化している。G8の場において、労働時間規制を強化し、不必要な深夜労働をなくすことなど、環境への影響を配慮した労働政策を強めるよう日本政府への要望が行われるよう求める。

 第4に、G8各国においては、年金支給開始年齢の引き下げが検討課題となり、労働者の反対を押し切って強行されているが、人間の尊厳すら損ないかねない社会保障改悪競争がおこなわないよう強く求める。
 社会保障を企業の国際競争力の阻害要因や財政危機の原因と考えるべきではない。加齢による労働能力の低下は、万人において避けられないものである。したがって、一定年齢以上の高齢期には、社会保障による生活保障を基本におくこととし、就労を強制するような施策は避けるべきである。

 第5に、「労働は商品ではない」とするILOフィラデルフィア宣言を改めて確認し、労働力のダンピング競争を規制する共同のとり組みを開始するよう強く求める。
 国際競争力の名による労働条件切り下げ、技術研修などの名目での安価な労働力として外国人労働者などの活用、発展途上国での児童労働など、国境を越えた企業の違法、不正行為が後を絶たない。このような行為は先進国、途上国にかかわらず世界の労働者に深刻な被害を引き起こしている。不公正な競争をおこなった企業への制裁強化に、協調して取り組むことを強く求める。

以 上

 
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