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安直な生活扶助基準の引き下げを行うべきではない

 生活扶助基準に関する検討会(座長・樋口美雄慶応大商学部教授)は、本日、「生活扶助基準」の引き下げを容認するおそれのある内容の報告書をまとめた。本報告は、制度の見直しによって影響を被る受給世帯や、比較対象とされている一般低所得世帯の生活実態についてのヒヤリングもせず、消費実態調査の「数字」だけをもとに、わずかな学識者のみにより、短期間にたった5回の議論でまとめられた。しかもその少数の学識者からも各論点についての異論や、「私たちは国民の代表ではない」など、検討会参加にあたってのとまどいの声があげられている。にもかかわらず、事務局主導で報告書がまとめられたことは、拙速かつきわめて非民主的であり、到底納得できない。

 舛添厚生労働相は記者会見で「若干、引き下げる方向の数字が出ると思う」と述べたことは極めて重大な問題である。そもそもこの検討会は、生活扶助基準の水準、体系、地域差などの妥当性の評価・検証が目的であり、生活保護費の削減を盛り込んだ昨年の「骨太方針」を具体化するためのお墨付きを与えることではない。

 この報告の大きな柱になっているのは、収入が下から10%の「低所得者層」と生活保護基準との比較論であるが、前提として「低所得者層」の実態がどうであるのか、憲法が定めた「健康で文化的な生活」が保障されているのかどうかの論証は乏しく、大いに問題である。データの扱い方についても、信頼に足りうるものかどうか、詳細な検討が必要であるし、そもそも急激な物価高騰にみまわれている現在、デフレ基調を引きずった全国消費実態調査をもとに比較を検討したこと自体がもはや無意味といえる。

 一昨日、可決された改正最低賃金法には、「生活保護との整合性に配慮する」ことが明記された。その法案成立直後に、最低生計費の指標となる生活保護の水準を切り下げるのでは、最低賃金を安全網として十全に機能させるという法改正の趣旨をないがしろにすることにほかならない。

 厚生労働省は国民生活の実態を鑑み、扶助基準の引き下げにつながる検討会報告書の具体化の検討を安直に行うべきではない。その点を強く主張する。

2007年11月30日

全国労働組合総連合
事務局長  小田川 義和

 
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