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【談話】07年人事院勧告にあたって

 本日、人事院は、国家公務員の賃金について、平均0.35%・1352円の引き上げ、一時金の0.05月改善などの勧告をおこなった。月例給については、2001年に、0.08%の引上げ勧告をおこなって以来のベア勧告であり、俸給表の改善見直しは8年ぶりとなる。生活改善要求の強さに照らせば不十分な低額勧告ではあるが、全労連は、中小企業の労働組合も奮闘し賃上げの流れが見えてきた07春闘の結果を一定反映したものと受けとめる。

 人事院勧告は、直接的に影響する労働者だけで700万人を超えるほど大きい。また、公務員労働者の労働基本権は、不当に制約され続けており、その代償としての人事院勧告の位置は変わっていない。勧告の完全実施は当然であり、政府には、政治的な思惑にもとづく不当な取り扱いを行わず、完全実施を早期に決定するよう求める。

 今次勧告の特徴は、俸給表改定を初任給周辺にとどめたこと、一時金について、成績率反映部分の引き上げという「成果主義型」の制度改定をおこなった点などの「配分」にある。
 民間企業の初任給に比しても低く、高卒初任給にいたっては全労連が主張する「時給1000円」水準さえクリアしていない。その現状からすれば、初任給改善勧告は当然である。
 一方、公務員の人事管理では、評価制度が確立しておらず、成果主義=ノルマ主義の弊害も明らかになっている。一時金とは言え、賃金制度での成績反映の強化への懸念は払拭できない。関係労働組合との協議も含め、慎重な運用を求めたい。

 勧告では、期待が寄せられていた所定内労働時間の短縮や、深刻な問題が指摘され続けている非常勤労働者の賃金等については、引き続く検討とされた。早期の対応を求める。
 また、先の通常国会で国家公務員法が改悪されたこともふまえ、公務員制度全般にかかわる人事院としての問題意識も表明され、公務員の労働基本権にも言及している。
昨今の不祥事の続発を踏まえても、公務員には、公正性の確保が強く求められており、「政官財ゆ着」を是正する公務員制度改革こそ求められている。
 全労連は、政府が、人事行政の専門機関である人事院の今回の「報告」にも留意し、公務員の「全体の奉仕者性」を担保する公務員制度確立のため、労働組合を含む関係者との冷静な議論を行うよう強く求める。そのためにも、改悪国家公務員法の実施と「公務員制度改革基本法案」策定作業の中止を要求する。

2007年8月8日
全国労働組合総連合
事務局長 小田川義和

 
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