「つぶそう!小泉医療改悪」
2・14国民大集会に1万5000人が結集

 「つぶそう小泉医療改悪」をテーマにした「2・14国民大集会」が2月14日午後、埼玉県のさいたまス―パーアリーナで開かれました。医療団体連絡会議、中央社保協、国民春闘共闘委員会の三団体が主催し、首都圏を中心に全国から1万5000人が参加。「医療改悪法案を廃案に追い込み、国民のいのちと医療の公共性を守り抜くために、共同連帯のきずなを広げよう」と訴えるアピールを採択しました。

 小泉内閣と与党は「医療制度改革」として、(1)サラリーマン本人負担を2割から3割へ引き上げる、(2)高齢者の窓口負担引き上げと保険料値上げ、(3)差額ベッドなど保険外負担の拡大−などをねらっています。3割負担は来年4月から実施することで合意。法案は近く国会に提出されます。

 あいさつで小林洋二・国民春闘共闘代表幹(全労連議長)は、小泉首相が厚生労働大臣時の97年に行った医療制度改悪が不況を深刻にしたと述べ、「小泉首相はわずか5年で再び改悪を強行しようとしている」と指摘しました。労働界や医療団体などが今回の改革に一斉に反対していることも紹介し、「力を合わせれば改悪を阻止できる」とし、ストライキを含む4月の国民統一行動への結集を訴えました。

 日本共産党の志位和夫委員長が情勢報告、小泉首相が改革を「三方一両損」と呼んでいることに反論して、「負担はすべて国民に押しつける国民一方損だ」と批判しました。

 中央社保協の鮫島千秋代表は、学習・宣伝、署名行動の強化などの行動を提起。とりわけ、改悪反対の署名が社保協だけで330万人分、医師会と歯科医師会を合わせて1300万人分に達したとし、「このまま進めば過去最高の1800万人分(前回の改悪時)を超え、2000万人分も」と報告、参加者のいっそうの奮闘を呼びかけました。

 徳島から40人以上で参加した医労連の男性は「毎週火曜に徳島駅前で宣伝・署名に取り組んでいるが、断る人はいない」と。地元でもこの日、大規模な集会が開かれたほか、2月7日100近い民間病院を訪れ、院長に協力を要請。「立場は違うが改悪は問題」「がんばって」などと言われたと語りました。「新聞折り込みでパンフと署名を全戸配布(66万7000戸)した。6200通が返送され署名も2万1000人分に」(京都府保険医協会)「小泉改革は真冬の北海道より冷たい」(北海道民医連)などの発言も。埼玉の所沢民商は、97年の改悪などで受診抑制が進み、悪くなってから病院に来るケースが目立つとし「民商の共済を調べると、初診から6ヵ月以内に53.5%が亡くなっている」と語りました。 <国民春闘共闘ニュースNO.12より>

医療をまもろう2.14国民大集会アピール

いま、労働者・国民の生活は戦後最悪の失業者や自殺者を生み出し、個人消費の長期低迷、中小企業の倒産など深刻な危機に見舞われています。その最大の要因は、NTTや電気・自動車に見られるリストラ・首切り競争と、毎年の賃金抑制、そして医療・社会保障の大改悪攻撃にあることは明白です。

1月21日から第154通常国会が開会しました。小泉内閣発足後初めての本予算審議となりますが、その2002年度予算案は、国民に負担を押し付ける「構造改革」の具体化であり、有事法制の策定まで行なおうとしています。

医療保険制度の大改悪については、老人医療の対象を70歳から75歳に先送りし、月額上限制と定額制の廃止、償還払い制の導入、さらに、「必要なときに」となっていた健康保険本人3割負担を来年4月から実施すると言い、すべての国民に大幅な負担増をおしつけるものです。

 また、人口の増加など当然必要な医療費予算の伸びを2800億円もカットし、診療報酬を2.7%切り下げ、自由診療を大幅に解禁し、6ヶ月以上の入院費を保険から除外するなど公的保険制度を崩す方向にまい進しています。この負担増が実施されれば、患者・国民の受診抑制を生み出し、早期発見・早期治療の遅れにつながることはあきらかであり、医療費増加にもつながる悪循環となり、「金の切れ目がいのちの切れ目」が現実のものとなります。すでに、国民健康保険においては、高すぎる保険料が払えず、滞納となる世帯が380万を超え、ペナルティとして実施された、17万世帯に及ぶ資格証明書の大量発行によって、保険証が使えず、手遅れで死亡する事件まで発生しています。

私たちは、国民のいのちと健康をまもるため、広範な患者・国民、労働者、関係諸団体と共に、この医療大改悪を阻止するためにたたかいます。いま、運動は大きく広がっています。中央社保協の署名集約は330万を超え、日本医師会や日本歯科医師会の署名も含めると1200万を突破しています。各県・地域で大規模な集会が行なわれています。

 こうしたたたかいと国民の世論の高まりが、昨年の医療改革試案を法案提出前に一歩譲歩させることにつながりました。

今春のたたかいでは、この運動をさらに広げ、小泉内閣の「構造改革」が国民犠牲の「痛み」であることを世論にし、医療改悪法案を廃案に追い込み、国民のいのちと医療の公共性を守り抜くために、共同連帯のきずなをひろげ、全力を上げたたかいぬきましょう!

2002年2月14日

つぶそう! 小泉医療改悪

安全・安心の医療を守ろう2.14国民大集会


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