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金銭解決制度は見送りに
解雇「原則自由」を盛り込む


13日、労働政策審議会

 13日午後開かれた、労働政策審議会で「労働基準法の一部を改正する法律案要綱」が審議された。その中で、労働契約の終了に関して昨年12月の「建議」に盛り込まれていた「金銭解決ルール」については削除されているが、「解雇が客観的かつ合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められまい場合は無効」としているが、「労働者を解雇することができること」と原則自由を明記している。

□■マスコミ報道□■
【共同通信】
◎金銭解決、今国会は見送り 解雇ルールの法制化諮問 労基法改正で厚労省
 「解雇ルール」の法制化など労働基準法の改正で、厚生労働省は十三日、無効な解雇の場合の解決手段として検討してきた金銭解決を、改正法案に盛り込まず先送りする方針を決めた。
 労使の強い反対があったためで、厚労省は今国会での審議は断念し、新たに検討会を設置するなどして、金銭解決の制度づくりを目指すことになった。
 十三日の審議会で厚労省は、解雇ルールのほか、裁量労働制の拡大やパートの雇用契約期間の上限を一年から三年に延長することを諮問。解雇ルールでは、最高裁判例に基づいた「客観的合理的な理由を欠き社会通念上相当と認められない解雇は無効」との判例法理を改正案に明記した。
 昨年末にまとまった審議会の報告書は、多発する解雇をめぐる紛争の早期解決を目的に?正当な理由のない解雇は無効?解雇無効と判断された場合、労働者と使用者双方から裁判所への金銭解決を申し立てることができる―などを盛り込んだ。
 しかし、今月十日の審議会で厚労省は、金銭の請求時期を解雇の無効が判決で確定した以降に限定し、金銭解決を求めた場合でも、労働者からの損害賠償請求は妨げないとの考えを示した。さらに使用者が請求できる条件として「労働者の言動」が原因となり職場復帰が困難になったケースなどに限っていた。
 労働側は、使用者側からの金銭解決の請求により、不当解雇が促進される可能性を指摘。使用者側は、請求のための条件が限定されている、などとしてそれぞれ反対。法案提出までに収拾できないと判断して先送りを決めた。(了)

【連合通信ニュース速報】
金銭解決」は今回見送りへ/労基法改悪で厚生労働省
 厚生労働省の労働政策審議会・労働条件分科会が2月13日開かれ労働基準法「改正」案の法案要綱が示された。その中で、労働側の反対の強かった金銭解決にかかわる条文は盛り込まれず、今回の労基法見直しでは見送られることが確定した。金銭解決は、解雇が無効となった場合に、労使双方に対して裁判所への金銭解決請求を認める内容だった。労働側委員らは「解雇が無効なのに、カネさえ払えば首切りできるという制度を認めるのはおかしい」と批判、制度づくりに反対してきた。同省は、労働側意見を含め総合判断して今回の見送りを決めたと説明しているが、法務省などから異論が示されるなど、そもそも法案化には無理があったとの声もある。
 今後、同分科会では、使用者は原則「労働者を解雇することができる」となっている条文などの問題点を追及する方針。次回の分科会は2月18日の予定。


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