年金はどうなる?いくらもらえる?
みんなの年金 大研究ひろば 
 若ものもお年寄りも
 いっしょに考えよう!
「品位ある生活保障」義務づけ  6割が「満足」
欧州の年金制度  「不安7割」の日本と大違い
 欧州では、退職後の生活に不安を持っていると答えた人はわずか20%。60%を超す人々が年金制度に満足を表明しています。「年金制度を信頼していない」との回答が70%にも達する日本とは対照的です。
 二〇〇三年三月の欧州連合(EU)首脳会議に提出された「適切で持続可能な年金に関する欧州委員会・欧州理事会合同報告」に収録されている当時の加盟国十五カ国での世論調査結果です。
  EU共通の課題
 EUでは、二〇〇〇年三月にリスボンで開催された首脳会議での「リスボン合意」に基づいて、それまで加盟国独自に決めることになっていた年金制度をEU共通の課題とする取り組みが進められています。

 その中心は、二〇〇〇年に24・2%だった六十五歳以上の人口比が二〇五〇年には49%に達すると見込まれるなか、年金に対する国民の信頼をどう維持するか、という課題です。そのなかで、いくつかの国では年金の負担率と支給率などをめぐって政府と労働組合の間で対立も起きています。

 しかし、その改革の基本線は、二〇〇一年十二月のEU首脳会議で決定された十一の共通目標にあります。この共通目標は、年金の妥当性、財政的持続性、近代化の三つの柱の下に整理されており、その第一として、「高齢者が貧困の危険に陥ることなく、公共、社会、文化的な生活に参加することが可能な、品位のある生活水準を享受するよう保障する」ことを各国政府の義務としています。
 最低保障の存在
 各国政府はその取り組みを欧州委員会に報告することが義務付けられています。前出の〇三年三月の合同報告は、十一の共通目標に基づいて欧州全体の状況を総括し、今後の課題を提示したものです。
 同報告は共通目標の第一の年金生活者の生活水準保障について、最低保障年金の存在を欧州の社会福祉制度の重要な特徴だと指摘しています。その多くは保険料支払い期間や家屋などの財産の有無に関係なく支給されるものです。また、デンマークやオランダには勤労年齢の住民の所得水準に比例した支給制度があるなど、各国で十一共通目標に沿った制度の整備、改革が進んでいることを明らかにしています。 夏目雅至記者【2004年6月2日(水)「しんぶん赤旗」 】


衆院本会議(5月11日)での採決強行は白紙撤回を!
保険料上限なく、給付50%下回ることをヒタ隠し
首相、厚労相は「議論した」というが… 国民にウソをついたまま
公明新聞 消えた「百年安心」
年金改悪 二つの偽り認めて言い訳

 【2004年5月22日(土)「しんぶん赤旗」 】 公明党の機関紙・公明新聞二十日付が「年金改革案の疑問にお答えします」と題した一ページ特集を組んでいます。
 「保険料は上限をもうけ固定」「給付は現役世代の50%維持」という年金改悪法案の“二枚看板”がいずれも偽りであることが明らかになったことから、たまらず言い訳をはじめた格好です。
 公明党は昨年の総選挙以来、「年金百年安心プラン」と大宣伝してきました。ところが、特集からは「年金百年安心」のスローガンが消え、「二つの看板」が偽りだったことを、みずから認めたものとなっています。
●保険料
 特集は問答形式で、保険料では「国民年金保険料は…2017年度以降は1万6900円で固定のはず。だが、実際は27年度に2万5680円になると厚生労働省が試算したそうだが、本当か?」と「質問」。「答え」ではいろいろと言い訳しつつ、「2万円台になるということです」と告白しています。
●給付は
 給付水準で設けた「質問」が、「厚生年金の給付水準は50・2%と言っていたが、それは65歳の年金受給開始時のみで、その後は徐々に下がり40%程度になるのか?」。「答え」では「75歳時点では45・1%、85歳時点では40・5%程度になる見込みです」と50%を割ることを認めています。
 公明新聞ではこれまで、これらの数字は一言も触れずにきました。それどころか、最近まで「私たちは年金100年安心プランとして、保険料には上限を設け…、給付水準は現役世代の平均手取り収入の50・2%より下げないという政府案を提案しています」(冬柴鉄三幹事長、八日付)と説明してきたのです。
 いまになって一ページも使った特集をして説明するのなら、なぜいままで口をつぐんできたのでしょうか。

 実際は賃金も物価も変動します。例えば、先ほどと同じ経済前提(賃金上昇率が年2.1%、物価上昇率が年1.0%)で試算した場合、2017年度の保険料は1万6900円ではなく、2万円台になるということです。そうなりますと、毎年の保険料引き上げも280円(2004年度価格)でなく、もう少し高くなります。
 2009年度以降の賃金上昇率を2.1%、物価上昇率を1%として試算すれば、2024年に65歳に到達する人の場合(現在45歳)、モデル世帯で年金受給開始時点(65歳)の年の給付水準は50.2%、75歳時点では45.1%、85歳時点では40.5%程度になる見込みです。
年金改悪法案反対要請行動での志位委員長のあいさつ (大要)
  11日の国民大運動実行委員会などの国会要請行動で、日本共産党の志位和夫委員長がおこなったあいさつ(大要)は次のとおりです【2004年5月12日(水)「しんぶん赤旗」 】。 みなさん、ごくろうさまです。いま衆議院の本会議で、年金大改悪の法案の採決が強行されました。私は、まずみなさんとともに怒りをこめて抗議の声をあげたいと思います。(拍手)

 みなさん、年金改悪法案の正体は、みじかい衆議院の審議をつうじても明りょうになりました。政府が当初説明していた内容よりも、もっとひどいものであったということがはっきりしてきたというのが、いまの到達点であります。
 政府は、国民のみなさんに負担増を押しつけ、給付を減らす大改悪の法案を強行するさいに、その害悪を少しでも小さく見せかけようと、「二つのごまかし」をやってきました。しかし、衆議院での審議の最後の段階で、政府自身が出してきた試算で、その「ごまかし」が明らかになったのです。
 保険料の連続値上げ
  ――国民年金では月13,300円から20,860円に

 まず第一に、年金の保険料の連続値上げの問題です。国民年金は十三年連続の値上げ、厚生年金は十四年連続の値上げということが、今度の法案に明記されております。この説明をするときに政府はこういいました。「国民年金は、いま月額一万三千三百円ですが、これを毎年上げさせていただいて、十三年後に一万六千九百円にして、そこで固定する」

 しかし実は、これは賃金が、この十三年間でまったく上がらなかった場合のことなのです。そんなことは考えられないことです。それでは賃金が上がる場合はどうなるか。その試算を厚生労働省は、最近になって出してきました。それによりますと、一万三千三百円から、十三年間の連続値上げでどこまでいくかというと、二万八百六十円まで値上げがされる。これが十三年後であります。
 しかもそこで「固定」じゃありません。その先も賃金が上がればどんどん上がっていく。これが値上げの正体なのです。「一万六千九百円におさえて固定する」というのはごまかしの説明だったということはいまや明らかとなりました。(「そうだ」の声、拍手)
 いま、高すぎて保険料が払えない。そこで国民年金をみても未納や未加入や免除の方が、あわせて一千万人ですよ。年金制度の空洞化がおこっている。そのときに、こんな途方もない値上げを国民に押しつけたら、年金制度の「安心」どころか、土台から制度を掘り崩すことになることは明りょうです。断じて許せないではありませんか。(「そうだ」の声、拍手)
 「給付水準で現役世代の50%は保障する」はごまかし
 第二に、それでは給付はどうなるのか。政府は、給付の削減について、こういっていました。「モデル世帯」―夫が会社員で四十年間厚生年金に加入、妻が専業主婦―こういう「モデル世帯」の場合、「年金給付の水準は、現役世代の収入の59%から50%まで下がるけれども、50%は保障します」、「50%はお約束します」。さんざんいいました。「モデル世帯」というのは全体からみればごく一部でしかありません。政府が「50%は保障」といっているのは、「ごく一握り」の人だといって、私たちは批判しました。
 しかし問題はそれだけではありませんでした。これも、最近、厚生労働省が出してきた試算をみますと、「50%は保障する」といっても、たとえば二〇二三年以降に年金を受け取る現在四十六歳以下の場合、たった一年のことなんです。その次の年は40%台に割り込む。毎年毎年減らされて、最後は40%にまで落ち込むんです。つまりこの場合は、「50%を保障する」というのは、「ごく一握り」の人の「たった一年」のことだったのです。(驚きの声)
 こんなごまかしで、国民を欺いて、法案の強行をやったというのは許せないことではありませんか。(「そうだ」の声、拍手)
 これが今度の法案の正体です。給付の削減の問題について言いますと、とくに九百万人の国民年金だけの受給者の方は、大変なことになる。私も党首討論で取り上げましたが、平均月額で四万六千円の年金がさらに削られてしまうことになったら、生きていけないことになる。憲法で保障した生存権を破壊することになる。
 みなさん、この法案は絶対に許すわけにはいかない。政府が当初説明してきた内容よりも、もっとひどいものだった。「二つのごまかし」がはっきりしました。「保険料は上げるが(国民年金の場合)一万六千九百円でおさえて固定する」というごまかし。それから、「(給付水準は)50%を保障する」というごまかしです。こういうごまかしが、衆院の審議の最後の段階で明らかになったのです。しかしドタバタのなかで審議が十分されないなかできょう採決になった。
 しかし参議院のたたかいがあります。参議院の論戦のなかで徹底的に問題点を究明し、廃案をかちとるために、みなさんと力を合わせて頑張りぬきたい。このことをお約束するものです。(拍手)
 「三党合意」――衆院通過に手をかした民主党の責任は重大
 みなさん、どうしてこんなひどい法案が通ったのか。「三党合意」です。自民、公明、民主が結んだ「合意」で、きょうの本会議が強行されたわけであります。民主党は「政府案に反対した」という言い訳をしているけれども、しかし採決の日程を合意したのです。「きょう採決する」という合意が「三党合意」なんです。民主党がどんな言い訳をしようと、政府案強行に手を貸した、この責任は免れないのではないでしょうか。(拍手)
 そして、「三党合意」の中身で何が書いてあるか。要はこういうことを書いてあります。「社会保障制度全般について、税、保険料等の負担と給付の在り方を含めて、一体的な見直し」をやると書いてある。だいたいこういう文句があるときは消費税増税を言っているのと同じなんですね。与党側は二〇〇七年度から消費税増税をすすめることが方針です。民主党も二〇〇七年度から増税をいっている。消費税の増税に道を開く合意が「三党合意」の正体であります。
 みなさん、こういう「合意」を与党と結んで、これだけの重大法案を国民のみなさんの前でまともに審議することもなく通した民主党の責任―これはきわめて重いものがあるのではないでしょうか。(拍手)
 参院でのたたかいで廃案に――「最低保障年金制度」の旗かかげて
 日本共産党は、国民のみなさんすべてに月額五万円を給付する「最低保障年金制度」をつくろう。その土台のうえに安心できる、しっかりした年金制度を築こうという提案をしております。財源について言うと、無駄遣いを削る、大企業に応分の負担を求める。そういう財源対策をしっかり示しております。
 みなさんとご一緒に、「最低保障年金制度」を実現する旗印を大きく掲げながら、参議院のたたかいでこの大改悪の法案を廃案に追い込むために、引き続き力をつくして頑張りぬきたいと思いますので、どうかみなさんのご支援をよろしくお願いいたします。(大きな拍手)

年金改悪法案 政府案では制度が崩壊
参考人質疑で 公文年金実務センター代表が指摘

 【2004年4月23日(金)「しんぶん赤旗」 】 二十二日の衆院厚生労働委員会は年金改悪法案の参考人質疑を行いました。年金実務センターの公文昭夫代表は、政府案に盛り込まれた保険料連続引き上げについて「年金制度の空洞化を加速させ、制度崩壊を促進する」とのべました。
 高山憲之・一橋大経済研究所教授は「政府案では、企業は厳しいリストラを強行せざるをえなくなり、若者が労働力市場から締め出される。手取り所得は伸び悩み、消費支出も低迷し経済成長が阻害される」とのべました。
 日本共産党の山口富男議員が「年金財源に消費税を入れるのは問題ではないか」と質問したのにたいし、公文氏は「消費税は社会保障の応能負担の原則に反する不公平な制度であり、社会保障に使うべきではない」と答えました。
 一方、日本経団連の矢野弘典専務理事は、「企業の社会保障負担は限界」とのべ「幅広く薄く負担する消費税をとり入れることが必要」と主張。
 山口氏が、年金の支え手を増やすために、正規職員を増やす政策への転換が必要だとただしたのにたいし、連合の笹森清会長は「同感だ。正規職員を増やすワークシェアリング(仕事の分かち合い)、均等待遇が必要だ」とのべました。
 採決日程をめぐり緊迫
 大型連休前に年金改悪法案の衆院通過を狙う与党側は二十二日、衆院厚生労働委員会の理事会で「二十三日にも委員会で採決したい」と提案しました。
 これに野党側は強く反対し、徹底審議を求めるとともに、日歯(日本歯科医師会)の贈収賄事件などで参考人招致を要求。協議の結果、与党側は二十三日の採決日程の提案を取り下げ、同日は法案審議を続けることになりました。

シリーズ 年金改革を考える 日本共産党の政策に寄せて
【2004年4月7日〜 「しんぶん赤旗」より 】

2兆7千億円あれば
基礎年金の国庫負担を3分の1から
2分の1に引き上げることができる!
 政府・財界は、「基礎年金の国庫負担を3分の1から2分の1に引き上げる」という与野党一致の確認を、1994年いらい10年が過ぎるというのに、いまだに実施を見合わせています。もし04年4月からこれを実施するとすれば、それに必要な財源は2兆7千億円。いまのわが国の財政には、これだけの財源を年金に振り向ける条件はない、財源をつくるなら消費税を大幅に引き上げなければならないなどなど、さまざまな理屈がこねられていますが、実際はそんなに深刻な話ではありません。
消費税など引き上げなくとも、いますぐでも財源はある
 完全失業者400万人に月平均30万円の仕事を保障すれば2兆円近い財源が生まれる
 リストラや若者の就職難が放置されているもとで、大企業の収益は大幅に上がっているのに全国に大量の失業者が溢れ、パート・・臨時・派遣などの不安定雇用が蔓延しています。この内、400万人の完全失業者に月平均30万円の仕事を保障するだけで、年金財政の安定した支え手となり、2兆円近い財源が生まれます。
 大銀行・大企業のリストラ(産業再生!?)のための財政投入、不要不急の公共事業費が浪費されており、アメリカに追随するイラクへの自衛隊派兵にも膨大な税金が使われています。これらを削減し、税金の使い道を、国民生活優先に改革すれば、年金改善の財源はつくれます。例えば、道路特定財源の一般財源化を実行すれば、国税分だけで4兆円の財源がつくれます。 
 むだな公共事業費や軍事費を削り国の財政の使い方を改革すれば十分に財源はつくれる
 174兆円もの年金積立金を口先だけでなく計画的に取り崩せば給付改善・負担軽減も可能
 国民の長年にわたる汗の結晶である年金積立金を、利権や株式に流用し食いつぶすなどもってのほかです。これを国民参加による民主的な管理のもとにおき、計画的にとりくずせば、年金給付を改善し、保険料負担を軽減することも可能です。
 最低25年の資格加入期間を
 10年程度に短縮すれば
不公平は緩和できる
 わが国では、1985年の年金改悪で、被用者年金の受給のために必要な資格加入期間が、それまでの20年以上から、国民年金と同様25年にのばされました。年金をもらうためには最低25年、しかも満額もらうためには40年間、保険料を払い続けなければなりません。
  フランスでは3ヶ月以上の被保険者期間があれば60歳から年金がもらえ、40年以上の人は満額、40年未満の人は不足期間に比例して減額されますが、減額率は50%を超えません。ドイツでは5年、イギリス・アメリカでも10年程度の支払いで受給資格が生じます。
 しかもわが国では、「通算老齢年金」という制度が生まれたのは年金(厚生年金)制度発足から20年後の1963年。それも女性労働者に対しては73年まで「特例」の名のもとに、わずかな「脱退一時金」で年金権を放棄させられるという事態が続いてきました。
 いま、失業を余儀なくされる労働者が激増し、パート・不安定雇用が蔓延しているもとで、多様な労働者・国民に、公平な年金を保証するためには、基礎年金の国庫負担を2分の1に引き上げることと同時に、資格加入期間を世界の常識並みに短縮して、だれもが加入期間に応じて年金を受給できるようにすることが重要です。
労働者・国民のための年金改革・その1
 受給資格を得るには25年必要なうえに、25年間保険料を払い続けて手に出来る給付額は、厚生年金でもわずか11万円、国民年金は国庫負担相当分の数万円に過ぎません。無年金・低年金者が1000万人ともなっているいま、(1)25年を諸外国なみに10年以下に短縮する、(2)基礎年金への国庫負担をすでに国民年金法の附則で決まっている2分の1に引き上げる、などの措置が緊急に求められます。
労働者・国民のための年金改革・その2

 これらを踏み固めれば、(1)近い将来に、基礎年金を全額国庫負担にして、現行の国民年金7万円水準をすべての国民に保障する、(2)さらに国民年金を二階建てにし、保険料の払い込み年数に応じて上乗せする、(3)厚生・共済年金もかさ上げする、などへの国民的合意の条件が大きくひらけます。

7兆8千億円あれば
全額国庫負担月9万円の最低
保障年金制度を実現できる!
 全労連の公的年金改革の政策(案、03年6月)では、全額国庫負担の最低保障年金制度の水準を9万円とした場合、その必要財源は9兆235億3000万円。事業主負担軽減分を目的税として確保すれば5兆2000億円、国の現在(当時)時点での国民年金保険料補助が2兆6000億円あるので、合計で7兆8000億円がただちに調達できる、と試算しています。
それは改悪の冷酷さをごまかすものです  事実をありのままに見よう!

 04年早々に国会に提出された年金改悪の政府案は、厚生年金保険料(現行、年収の13・58%、労使で半分ずつ負担)を今年10月から引き上げ2017年度から18・30%で固定します。国民年金保険料(現行1万3300円)は05年4月から毎年280円(月額)引き上げ、17年度から1万6900円とすることを明記しています。
 そして年金の給付水準については、賃金や物価が上昇しても、少子化による「公的年金全体の被保険者の減少」と年金受給者の「平均的な受給期間の伸び」(平均余命の伸び)を差し引いて自動的に引き下げるが、将来の給付水準は、少なくとも「所得代替率50%以上」を確保するので心配するなという大宣伝をしています(具体的には現役世代の平均収入の59・3%を2023年には50・2%に引き下げるとしています)。
 これはあたかも、「現役労働者の賃金水準の50%以上の年金水準を保障する」と言っているように聞こえるため、自分の年金も現役時代の平均賃金の50%以上になるのだと思っている仲間もいます。

  しかし「所得代替率」には三重の意味で、実際の年金額と異なるものであることを、理解しておく必要があります。
  第一に、その分母となる「将来の現役労働者の手取り年収(月額換算)」というのは、将来の物価や賃金などの経済状況や人口動向について「基準ケース」を設定して予測・推計したものですから、今日の不安定な経済情勢のもとでは、その根拠は極めて薄弱です。
  第二に、その分子とされる「年金給付の水準額」というのも、厚労省が定めた「モデル世帯(夫が40年加入、妻が専業主婦)の年金額」ですから、このモデルに該当しない人ほど、この水準から遠ざかることになります。

 第三に、政府がいま成立させようとしている年金改悪案は、「保険料を18.3%の水準で「固定」する代わりに、賃金・物価・人口の変動に応じて年金給付額を変動させる」ものですから、「所得代替率50%以上」の公約そのものが曖昧な位置づけになっています。(右図は「しんぶん赤旗」2月11日号より)
じょうずに使おう、社会保険庁の年金見込額試算ページ
 社会保険庁のホームページにある「年金見込額試算ページ」は、実際にもらえる年金額のシュミレーションが行なえる便利なページです。年金大改悪と社会保障連続改悪の実務をになっているところですから、年金大改悪の問題点を学ぶ場所というわけには行きませんし、現状と改悪方向を既成事実として受けとめてしまうことのないように気をつけなければなりませんが、このページの周辺には、年金・社会保障をめぐる貴重な資料がたくさんリンクされてもいます。じょうずに使いましょう。
 
2004年3月5日 asahi.comより>
社会保険庁 年金給付見込み額、58歳時に提供へ 
 社会保険庁は5日、満58歳を迎えた各種年金の加入者に加入記録を通知し、希望者には年金の給付見込み額も知らせるサービスを、15日から始めると発表した。これまでは55歳以上(03年までは58歳以上)の加入者が自ら社会保険事務所に出向くか、郵便やインターネットで申し込まなくてはならなかった。記録を事前に本人に確認してもらうことで、給付時に必要な手続きの簡素化にもつなげたい考えだ。
 社会保険業務センター(東京)が、満58歳を迎えた翌々月に、基礎年金番号や加入してきた年金名、加入月数などが記された記録を郵送する。受け取る年金額が知りたい人は、はがきを返送すれば後日、見込み額が郵送される。通知の対象は46年1月2日以降に生まれ、国民年金や厚生年金、共済組合などに加入している人で、04年度は約115万人の見込み。
 ただ、未加入期間が長い、一部の記録がセンターにないなどの理由で、通知対象外の人も39万人いるという。同庁は「通知がなくても年金がもらえないわけではない」としており、15日から問い合わせ窓口(0422・70・0077)も設ける。
年金積立金3兆3千億円を投じてつくった265施設!
その97%が赤字だからと処分!?
年金の副業――清算は当然のことだ (2月29日 asahi.comより)
 厚生年金などの積立金を投じて各地に造られた会館や病院、老人ホーム、スポーツセンターなど265施設の大半を処分する。与党の自民・公明党がそんな方針を打ち出した。政府もそれに沿って動いていく見通しだ。
 年金資金を使った住宅融資や大規模保養基地(グリーンピア)は、05年度に廃止されることが決まっている。「年金利用者への利益還元」を錦の御旗にして赤字をたれ流す。民間の施設を押しのける。「年金の副業」には批判が少なくなかった。清算は当たり前で、遅すぎたくらいである。
 厚生年金会館(ウェルシティ)やグリーンピアの建設、運営など、これらの副業には3兆3千億円もの年金積立金が投じられてきた。一方、社会保険庁によれば、民間並みの基準を適用すると02年度は施設の97%が赤字というありさまだ。採算を無視して造った、と言われても仕方のないところもあろう。
 与党の方針は次のような内容である。
 社会保険庁が来年3月末までに整理合理化計画をつくる。その中で、黒字の施設は民営化し、赤字のものは新設する独立行政法人に移す、といった仕分けをする。その法人のトップには民間人を充て、5年以内に手持ちの赤字施設を売却する。国費や保険料は投入しない。
 とはいえ、こんなご時世だから、施設を売るといっても容易ではあるまい。最悪の場合、2兆9千億円もの焦げ付きを生むという試算もある。
 具体的な選別となると「政治介入」があるかも知れない。客観的な基準に従って、厳格かつ公平に作業を進めてほしい。
 265施設には約3万人の職員が働いている。その人たちにはきつい現実である。まず天下り官僚から辞職すべきだ。  どうしてこうなったか、という検証も必要だ。「国民が利用したのだから、赤字でも意味があった」という開き直りでは済まされない。組織や施設の中には、役人の天下り先を確保するためにつくったものも少なくあるまい。
 政治家の責任も重い。グリーンピアが建設されたのは、歴代厚相の出身地が多い。施設を誘致したり、業者を紹介したりした政治家は与野党を問わずいるはずだ。  年金の積立金は国民が支払った保険料である。そこに巨額の穴が開いても、誰も責任を取らない。そんなことでは年金不信は高まるばかりだ。政府はこの機会に、年金の副業は今後いっさいしないことを閣議決定したらいい。
 今回の清算は年金改革の入り口にすぎない。年金改革法案が出されたのに、国会の論議は年金運用の無駄に焦点が集まり、肝心の負担と給付のあり方や年金の体系の議論は低調だ。野党も対案を出し、本格的な年金改革をめざしてもらいたい。
年金のしくみと厚労省がねらう給付引き下げと保険料引き上げ
しんぶん「赤旗」(03年11月23日)より       
  


わが国の年金制度
その確立経過と戦費調達のしくみ
わが国における年金の加入状況
社会保険庁 平成13年版

 95年度から01年度の6年間で
 厚生年金加入者数は3281万人から3158万人に123万人減。共済年金加入者数は425万人から407.7万人に17.3万人減。雇用労働者の年金制度全体で140万人減少した。
 一方国民年金の第1号被保険者数は、6年間に230万人増加したが、失業者の増加を背景に保険料滞納者・未加入者の増加が著しいことも大きな特徴となっている。

  日本では戦時中に一連の重要な社会保険などが政府・軍部によって実施されてきた。 1942年(昭和17年)から保険料徴収された労働者年金保険の保険料(1944年から現在の厚生年金保険法になる)は、坑内夫に有利であり、船員保険に特別処置を行っていた。 1944年(昭和19年)の改定で、5人以上の事業所で働く労働者と、はじめて事務員と女性の加入を広げて、6.4%だった保険料を一気に11%(現在が13.58%)に引き上げた。支給額は現役賃金の25%、受給資格期間が20年という収奪の仕組みに変更された。 戦費調達と人材確保(終身雇用・右肩上がりの賃金制度・企業内福利の拡充)を目的に、(1)高い保険料、(2)年金額の切り下げ、(3)膨大な積立金、(4)特異な財政方式(収入よりもたえず低い支出を見込み毎年数兆円の黒字を出す仕組みの採用)と非民主的な運用、(5)25年の長期の加入期間、雇用の現実を無視した支給開始年齢などの仕組みとなっている。(全労連資料より)
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