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「公務・公共サービスの切り捨てと労働基本権を考えるシンポジウム」を開催

全労連・公務員制度改革闘争本部/公務労組連絡会

写真 全労連・公務員制度改革闘争本部と公務労組連絡会は5月16日、全労連会館ホールで「公務・公共サービスの切り捨てと労働基本権を考えるシンポジウム」を開き、約100人が参加した。主催者を代表して全労連の坂内三夫議長は、「改憲手続き法の強行成立など、自民・公明両党は、数の力で暴走を重ねている。改憲がねらわれるもと、労働基本権回復にほおかむりした公務員制度改革法案こそ憲法違反の法案だ。法案審議が始まるなかで、時宜にかなったシンポジウム開催となった。活発な議論をお願いする」とあいさつした。

 シンポジストは神戸大学の根本到准教授、自治労連の駒場忠親委員長、小田川義和闘争本部長(全労連事務局長)がコーディネータをつとめた。はじめに小田川氏が、国会提出されている「国家公務員法改正法案」を中心に、キャリア制度や「天下り」を自由化する法案の問題点を指摘し、「天皇の官吏だった公務員の戦前への回帰をめざし、安倍首相が掲げる戦後レジームからの脱却を、公務員制度としても具体化するもの」と問題提起し、シンポジストの発言を求めた。

 労働法が専門の根本氏は、「労働法からみた構造改革・公務員制度」と題して、ドイツやフランスなど諸外国の公務員の労働基本権との比較や、勤務条件法定主義や公務員の範囲など日本での労働基本権議論の焦点、「官から民へ」とする攻撃への対抗戦略などを報告。「改革法案では、評価制度による分限(解雇)が記されているが、民間では、能力不足を理由にした解雇はできない。そうした民間法理の活用も重要」と指摘し、「対立を煽るのが新自由主義の手法であり、それに対抗するには、民と官、公務員と住民などの間で連帯をひろげることが重要であり、共感・連帯感を得るための運動をすすめるべき」と助言した。

 駒場氏は、「現場から見た公務・公務員・労使関係のあり方」とのテーマに沿って、戦後レジームの脱却、改憲がねらわれるもとでの「公務員制度改革」をめぐる状況をはじめ、生活保護の拒否などで行政がワーキングプアをつくり出している現実、そうしたなかでの労働組合の役割について報告。「安倍首相の『美しい国』づくり、『戦争をする国』づくりの担い手として、それに協力する公務員をつくるのが『公務員制度改革』であり、その目的は、さらに危険な方向へと変化している」と指摘した。

 会場からは、「社保庁『解体・民営化』法案は、分限免職を結果として可能にするものであり、20年前の国鉄分割・民営化と同じやり方だ。個人情報の流出や、非正規職員の増大で公務職場に新たなワーキングプアをつくり出す。行政がゆがめられないように奮闘する」(国公労連)、「夕張市の財政破綻は、マスコミはムダ遣いだけを強調してきたが、エネルギー政策の転換や、国策としてのリゾート開発の失敗、『三位一体の改革』による交付金削減など、国に責任がある。公務員の権利は住民生活と結びついており、住民の権利を守るためたたかう」(自治労連)など、決意も込めた報告があった。

 その後のフロア発言やシンポジストの発言を通して議論を深め合い、「公務員改革法案の内容はきわめて抽象的であり、これに対抗するため、みんなで知恵を出し合って理論構築をすべき」などシンポジストからの意見もうけつつ、最後に小田川本部長が、「民間ではできない乱暴な公務員への権利侵害を許さず、法案阻止へたたかう重要性が明らかになった。労働基本権を手にしたときの具体的なイメージも議論し、権利回復の道筋を描いていこう。今後、『公務員制度改革』へさまざまな法律がねらわれており、それに対抗すべき運動の構築が求められている」と討論をまとめた。

 
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