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国旗 世界の労働者のたたかい
エストニア
2005

最低賃金について議論

 過去数年来、全国最低賃金は、エストニア労働組合連合(EAKL)およびエストニア経営者連合(ETTK)間の二者協定で決められ、政府が法令によってこれに拘束力を持たせていた。
 8月末、ETTKは、将来、全国最賃の交渉には01年までのように、政府も含めるべきだと宣言した。この最大経営者組織の参加はETTKの提案する賃金法改定に必要だからである。ETTKは、単一の全国最低賃金をやめ、もっと弾力的なモデルに変えようと主張している。

列車運転手のストライキ

 9月4日、エストニア鉄道の列車運転手が6日間のストライキを行った。
 エストニア機関車労働組合(EVA)とエストニア鉄道経営者のあいだで、機関車運転手の団体協約をめぐって長期の交渉が決裂した。労働組合の最終要求は11%の引き上げと残業の制限で、経営者の最終回答は9%であった。およそ220人の列車運転手が9月23日にストに立ち、翌日第二鉄道会社の労働者が、2日間の同情ストを始めた。数日後、エストニア鉄道労働組合(ERAU)の若干のメンバーがこの同情ストに加わった。
 この状況において、エストニア労働組合連合(EAKL)とエストニア経営者連合(ETTK)は合同仲裁委員会の設置を提案した。委員会は設置され、早急に協定をまとめ、エストニア鉄道のストが9月29日に中止された。列車運転手の賃金は仕事の内容によるが、5〜9%引き上げられる。ERAUの運転手は、この会社の現在の団体協約には、「労使休戦」条項があるにもかかわらず,同情ストに参加した。現在の法律でこれが合法なのかどうがはっきりしていない。
 エストニアには1991年以降ストがなかったので、大いに注目された。ストはまた、この国のストライキ法を吟味する機会ともなった。1990年代初めの政令により、鉄道は「戦略企業」のため労働者にストを認めるのかどうかの議論もあるが、主要な論議は同情ストについてであった。