2011国民春闘共闘情報
全労連HP

第13号 2011年3月4日

雇用守れ、賃金上げろ

3・3中央行動・霞ヶ関総行動 3000人が参加


 「賃上げで景気の回復を」「国と大企業は雇用責任をはたせ」―。16日の集中回答日を目前に控えた3日、全労連・国民春闘共闘は、東京春闘共闘と共同で「3・3中央行動・霞ヶ関総行動」にとりくみました。行動には、単産・首都圏を中心に、地方もあわせ約3000人が参加。昼休みの厚労省・人事院前要求行動をはじめ、総務省包囲行動、決起集会、駅頭宣伝、国会議員要請、銀座パレードなど終日展開し、国民の懐を温めることで不況を打開しようと訴えつづけました。

厚労省・人事院前行動
国はみずから雇用責任をはたせ

 正午からの厚労省・人事院前要求行動には、1800人が参加。道路をまたいで、省庁側、日比谷公園側双方の歩道にのぼり旗が林立しました。
 国民春闘共闘の大黒作治代表幹事(全労連議長)は、大企業が244兆円もの内部留保をためこんでも、国民生活はよくならないとして、賃上げをかちとり、内需主導で景気を回復させようと訴えました。国民春闘共闘の小田川義和事務局長(全労連事務局長)が情勢について報告。国際競争力などを理由に大企業が賃下げとリストラを繰り返していることが、失業を増大させ、デフレの悪循環をまねいて貧困と格差を広げていることを厳しく批判。「春闘スローガンにあるとおり、すべての労働者の賃上げと雇用確保をかちとるため、力を集中してたたかおう」と呼びかけました。
 決意表明で、自交総連の石垣敦副委員長は、タクシー業界では最賃違反・生活保護以下の低賃金がまかり通っている実態を告発。「大幅減車をかちとり、職場権利の確立を求めてたたかう」とのべました。生協労連の木下百合子副委員長は、全国の最低生計費調査では、どこでも時給1300円程度が必要との試算結果がでていることを指摘し、「最賃1000円はせめてもの願い。(政労使合意の)2020年まで待てない。1日も早く実現を」と訴えました。東京医労連執行委員で看護師の清水明子さんは、日本は夜勤労働の規制が弱いために連続16〜17時間もの長時間夜勤が横行し、夜勤明けの看護師が過労死する事態まで起こっていることを告発。「労働者が安心して働けるようにならなければ、安心・安全な医療と介護を保障することはできません」とのべ、社会保障充実のために、政府への働きかけを強めていくと語りました。建交労トラック部会の足立浩部会長は、日本の貨物運送の約9割はトラック輸送が担っていること、90年代以降、トラックは4万台から6万台にまで増え、運賃の自由化、さらに燃料価格の高騰で、労働者の賃金が著しく切り下げられているとのべ、運送料金決定システムの改善と賃上げ獲得をめざしてたたかう決意を表明しました。
 この日、第1回の裁判期日を迎えた日航不当解雇撤回裁判の原告団を代表して、森本則文さんが連帯の決意表明。50歳代後半のベテランパイロットと乗務員の的確な判断で多くのいのちを救ったハドソン川の奇跡≠フ教訓を引きながら、「日航にはもはや、こうした経験と熟練を積んだ労働者はいません」「私は必ず現場に復帰し、みなさんに安全・安心な空の旅をお届けしたい」とのべ、大きな激励の拍手に包まれました。
 続いて、人事院前の宣伝カーにマイクが移り、公務単産の代表が決意表明を行いました。「政府による賃下げに対して、人事院はきちんとものを言え」「社会保険庁職員の解雇撤回にむけ、勝利するまでたたかう」(国公労連・上田宗一中央執行委員)、「『住民の役に立つ仕事がしたい』との思いを壊すような施策を持ち込むな。理不尽な賃下げを許さないたたかいに奮闘する」(京都自治労連・高松英祥書記次長)、「この春闘を『わがこと春闘』として、職場要求実現と結んで都知事選挙の勝利をめざす」(東京都教組・工藤芳弘組書記長)など、力強い発言が続きました。
 集会には、日本共産党から高橋千鶴子衆院議員が参加し、連帯あいさつしました。

怒りの総務省包囲行動
財政危機の責任を労働者に転嫁するな

 午後1時過ぎから、人事院勧告を上回る公務員給与の切り下げ法案に反対して、全労連公務部会・公務労組連絡会が、総務省前で「怒りの座り込み行動」にとりくみました。
 主催者あいさつで、公務労組連絡会の山口隆議長は、「構造改革の推進、国民と公務労働者の分断を許さず、賃上げで景気回復を前進させよう」と訴えました。民間労組を代表して民放労連の井戸秀明書記長は、「民間・公務ともに賃金改善で要求を前進させることが今春闘の課題だ。いい仕事・公共サービスを提供するために共同してたたかおう」と、連帯のエールを送りました。総務省向かいの地裁前では、日航の不当解雇撤回を求める集会が開かれており、お互いがエールを交換する場面もありました。座り込み行動の参加者は、リレートーク、総務省への職場決議・署名提出行動に続き、めいめいが書き込んだ要求プラカードを掲げて銀座パレードに出発。目抜き通りを行きかう人びとに訴えました。この日は自交総連が明治公園で決起集会を開催(参加者1000人)したのをはじめ、郵産労が非正規社員の正社員化などを求めて本社前集会を実施。日本医労連、建交労、全労連全国一般なども独自行動を展開し、終日、都内各地で気勢をあげました。

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