2008国民春闘共闘情報
全労連HP

第39号・夏季第2号  2008年6月17日

 

過半数に回答。平均74.4万円

2.17カ月プラスα、金額で7,498円減

 夏季一時金第2回集計  月末、夏季闘争は山場へ

2008年6月17日 国民春闘回答集計センター

産業別・単産別総括表   個別回答一覧  

 1.国民春闘回答集計センターは6月16日、各単産・地方共闘より6月中旬の夏季一時金回答報告を受けて第2回集計をおこなった。登録組合の53%にあたる392組合が回答を引出し、うち172組合が妥結している。

2.回答+妥結状況は別表のとおり、集計結果は以下のとおりである。

 
(1) 登録組合数 714組合 登録28単産部会中 27組織に回答  
(2) 回答組合数 392組合 回答引出し率 登録数の54.9%  
  2次回答以上 80組合 上積み回答率 回答数の20.4%  
  前年実績額以上 122組合 金額回答数の 31.1%  
  妥結組合数 172組合 妥 結 率 登録数の24.1%  
(3) [回答+妥結]        
  単純平均 392組合 2.17カ月+α 744,014円  
  前年同期比 (07.06.08)   753,546円 −1.26%
  前年実績比 (同一組合)   751,512円 −1.00%
  加重平均 11.2万人   837,350円  
  前年同期比 (07.06.08) 8.7万人 794,970円 +5.33%

3.回答・闘争状況の特徴はつぎのような諸点である。
 1) 6月中旬を迎え、「夏のボーナス6期連続プラスながら微増」などのマスコミ報道のなか、多くの労組が増額を期待しつつ交渉を集中し回答指定日を迎えている。前回集計時(6月6日)以降、新たに回答を引出したのは合同繊維、全労連全国一般、全証労協と特殊法人労連で、回答引き出しが進んだのは建設関連労連、建交労・運輸、日本医労連、地方マスコミ(新聞)の各組合などである。こうして、登録28単産・部会のうち検数労連(6/24回答指定)を除く27組織の回答が出揃ってきた。また、支給日が6月30日や7月上・中旬に集中していることから妥結する組合も出始めている。

 2) 回答状況の傾向は、他の調査機関の集計が0.11%増(連合調べ)〜1.79%増(日本経団連調べ。大手)であるのにたいし、春闘共闘の集計は同一組合の前年実績比で1.00%減(金額にして7498円の減)、前年同期比でも1.26%減で、減額の流れの中にとどまっているのが実態である。対比可能な24組織中、引上げ率がプラスになっているのは建交労・建設(4.0%)、建設関連労連(13.8%)、化学一般労連(6.5%)、全国一般製造(1.6%)、郵産労(4.6%)、全倉運(1.8%)、全労連全国一般(7.4%)、日本医労連(0.3%)と地方登録組合(2.8%)の計9組織で、同マイナスになっているのは製造業や交通運輸、金融、医療関係などの15組織である。前年比マイナスの背景には、(1) @業績配分が色濃い一時金では年明け以降の景気減速、先行き不透明、(2) とりわけ中小企業に業績悪化がしわ寄せされている、(3) 団塊の世代の大量退職にともない「算定基礎となる基準賃金の低下」などがあげられる。

 3) 回答月数は平均2.17カ月で、これも同一組合対比では前年実績を0.01カ月下回っている。但し、多くの組合が若年者救済の一律支給(プラス・アルファ○万円)を堅持しているのが春闘共闘参加組合の特徴で、こちらは今季も堅持している。また、加重平均が83万7350円となり対前年同期比で5.33%増となっているが、先行するマスコミ関係の比率が高いことによる一時的なもので、暫時低減することが予測される。

 4) 規模別集計では、100〜299人の中小企業で前年比プラスや同額の組合が多いものの、他の各ランクではマイナスで、とりわけ春闘共闘参加組合が多い30〜99人の小規模では−2.93%と厳しい状況になっている。

 5) これまでの最高回答次数は日本医労連の組合が第5次回答を引出し、JMIUの2組合、民放、出版の各1組合、計4組合が第4次回答を引き出している。最高月数は出版労連の3組合が夏季だけで5.0カ月分。高額回答も出版労連の組合が275万円余を獲得しているのをはじめマスコミ関係を中心に150万円以上が14組合報告されている。


4.パート等の夏季一時金について
 パート・アルバイト等の夏季一時金回答・妥結状況は現在集約中で、生協パート、日本医労連、出版労連、建交労などの集計結果は、近日中に発表する。



5.他団体の集計結果について(いずれも再録)


連 合 6月02日現在 月 数 金 額 (引上げ率)
単純平均 2364組合 2.11カ月 548,558円 +0.11%
加重平均 138.9万人 2.34カ月 720,460円 −1.02%


日経連 5月22日現在 月 数 金 額 (引上げ率)
単純平均 大手 86社   776,770円 +1.79%
加重平均     930,329円 +0.59%




 


物価高で要求切実。生活改善につながる一時金を

 6.今後の闘争強化について
 今季の夏季一時金は、期待された賃金引上げが不十分ななか、食料品やガソリン、光熱費などの生活関連物価が異常な値上がりとなって働く者の家計に重くのしかかっており、生活維持・改善のためにかつてなく切実な要求になっている。また、個別の組合員の生活にとっての必要性とともに重要なことは、個別の企業、とくに大企業が利益の一部を従業員の一時金に回して個人消費を拡大することである。こうして国の経済、地域の経済を立て直すとともに、自社の経営を軌道に乗せる最良の方策であることを認識すべきである。いま、ようやく過半数の組合が回答を引出した段階であり、こうした視点で対応することが望まれる。
 多くの単産では、支給日との関係で一時金の決着期を「6月末」または「7月上旬」としており、今週の19日から次週にかけて「決着を迫る」最大の山場になる。全農協労連、建交労、JMIU、合同繊維、化学一般労連、検数労連、全労連全国一般などでは、改めて交渉集中、闘争強化の統一行動ゾーンなどで決着をはかろうとしている。
 また、今週の20日(金)には全労連、公務労組連絡会と国民・東京両春闘共闘が共同して「第3次最賃・人勧デー」を展開する。中央では厚生労働省の前で8時15分から19時42分まで「怒りのハンガーストライキ」を実施し、中賃審議会や関係省庁にも要請する。
 こうして、夏季一時金と最低賃金・公務員賃金引き上げの人勧闘争が一体となった経済闘争を柱に熱い夏になろうとしている。



(以 上)


 


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